所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ

文字の大きさ
17 / 210

16手紙

しおりを挟む




襲撃事件があった後にお父様から手紙が届いた。
現在国にはおらずすぐにでも帰りたいのだけど騎士団の第二騎士団長という立場上難しかった。


なのだけど。


「他国でお兄様が暴走したそうだわ」

「ああ…」


手紙で現状を知ったお父様とお兄様。
特に小さい頃に領地から離された私を気の毒に思ってくださっていたこともあり、サリオンに対して良い感情をいだいていなかったお兄様の堪忍袋の緒が切れて、第二騎士団総出で抑え込んでいるとか。


「一週間以内に帰国するそうなのだけど」

「まぁ、二週間の予定でしたが」

「ええ」

遠征で他国に出向いている。
同盟国で援軍として出向いている第一騎士団と、第二騎士団。
お兄様は第ニ騎士団に属しているので参加しているけど、そんなに早く帰ってくるなんて。


「学園の情報は社交界に筒抜けですから、急いでお帰りなるのは当然です」

「ただ、手紙にはかなり大げさに書かれていて」

「大げさとお申しますと?」

「私が大けがで意識不明状態で目を覚ました今も起き上がることができないとか…歩けない体になっているとか…他にも色々」


怪我に関しては後遺症もないと医師にも言われているわ。
顔の傷に関しても傷跡は残らないだろうと言ってもらったのだけど。


「噂とは恐ろしいものですわね」

「他人事のように言わないで。最悪の事態になったらどうするの?」

「いいではありませんか」


お兄様の事だからサリオンに決闘を申し込んだらどうなるか。


貴族の間では正式な決闘が許されている。
国王陛下の許可の元真剣を使って決闘きたのが可能だった。

しかもその決まりが、決闘中に死者を出しても対戦相手に責任はない。

また、敗者は勝者のどんな要望も応えなくてはならない恐ろしい決まりがある。

過去に貴族と平民が決闘をした後に敗者だった貴族は財産をすべて奪われることになったり、他にも人妻を欲した故に、決闘を行い略奪したという恐ろしい歴史も存在する。


「お兄様が決闘を申し込んだら」

「伯爵家は火あぶりでしょう。あの女は公開処刑ですね」


言いかねないわ!
家族を誰よりも深く愛しているお兄様。

優先順位は家族なので、私はお兄様にサリオンとの関係は良好だと伝えてある。
なのに関係は最悪なもので社交界の噂の半分も真実だと知ったらどうなるだろうか?



「絶対に血の雨が降るわ」

「そうですね」

「アンナ…」


そんなことになれば王都は大混乱になるわ。
なんとか止めなくてはと思いながらも私は知らなかった。




「待っていろ。愛しの妹よ」



予定よりもずっと早く帰国していたことに。


「あのくずを殺してやる」


私は知らなかったのだ。


しおりを挟む
感想 617

あなたにおすすめの小説

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?

碧井 汐桜香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。 まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。 様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。 第二王子?いりませんわ。 第一王子?もっといりませんわ。 第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は? 彼女の存在意義とは? 別サイト様にも掲載しております

はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな
恋愛
 私の婚約者様は、王女殿下の騎士をしている。  病弱でお美しい王女殿下に常に付き従い、婚約者としての交流も、マトモにしたことがない。  まぁ、好きになさればよろしいわ。 私には関係ないことですから。

冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる

みおな
恋愛
聖女。 女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。 本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。 愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。 記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。

拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな
恋愛
 子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。 公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。  クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。  クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。 「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」 「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」 「ファンティーヌが」 「ファンティーヌが」  だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。 「私のことはお気になさらず」

なんで私だけ我慢しなくちゃならないわけ?

ワールド
恋愛
私、フォン・クラインハートは、由緒正しき家柄に生まれ、常に家族の期待に応えるべく振る舞ってまいりましたわ。恋愛、趣味、さらには私の将来に至るまで、すべては家名と伝統のため。しかし、これ以上、我慢するのは終わりにしようと決意いたしましたわ。 だってなんで私だけ我慢しなくちゃいけないと思ったんですもの。 これからは好き勝手やらせてもらいますわ。

【完結】真実の愛に気付いたと言われてしまったのですが

入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済みです!!!】 かつて王国の誇りとされた名家の令嬢レティシア。王太子の婚約者として誰もが認める存在だった彼女は、ある日、突然の“婚約破棄”を言い渡される。 ――理由は、「真実の愛に気づいてしまった」。 その一言と共に、王家との長年の絆は踏みにじられ、彼女の名誉は地に落ちる。だが、沈黙の奥底に宿っていたのは、誇り高き家の決意と、彼女自身の冷ややかな覚悟だった。 動揺する貴族たち、混乱する政権。やがて、ノーグレイブ家は“ある宣言”をもって王政と決別し、秩序と理念を掲げて、新たな自治の道を歩み出す。 一方、王宮では裏切りの余波が波紋を広げ、王太子は“責任”という言葉の意味と向き合わざるを得なくなる。崩れゆく信頼と、見限られる権威。 そして、動き出したノーグレイブ家の中心には、再び立ち上がったレティシアの姿があった。 ※日常パートとシリアスパートを交互に挟む予定です。

【完結】もう結構ですわ!

綾雅(りょうが)今年は7冊!
恋愛
 どこぞの物語のように、夜会で婚約破棄を告げられる。結構ですわ、お受けしますと返答し、私シャルリーヌ・リン・ル・フォールは微笑み返した。  愚かな王子を擁するヴァロワ王家は、あっという間に追い詰められていく。逆に、ル・フォール公国は独立し、豊かさを享受し始めた。シャルリーヌは、豊かな国と愛する人、両方を手に入れられるのか!  ハッピーエンド確定 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/11/29……完結 2024/09/12……小説家になろう 異世界日間連載 7位 恋愛日間連載 11位 2024/09/12……エブリスタ、恋愛ファンタジー 1位 2024/09/12……カクヨム恋愛日間 4位、週間 65位 2024/09/12……アルファポリス、女性向けHOT 42位 2024/09/11……連載開始

処理中です...