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閑話 侯爵家の悪あがき①
しおりを挟むアグネスとサリオンが学園内で騒動を起こす少し前の事だった。
一連の事件の所為で侯爵家は権威を失墜していたも同然だった。
王妃陛下の慈悲で、婚約破棄にはならなかったが、元王太子殿下は廃嫡となり、アグネスは伯爵家に嫁ぐことが決まっており社交界では冷めた視線を受けていた。
文字通り侯爵家は社交界から爪はじき状態にあった。
それでも未だに諦めていないイグアス・ヴィッセルは、他の手を考えたのだ。
何としてもリーゼロッテを国に連れ戻して、今の状況を打破しようとしたのだが。
いかんせん、世間知らずなお嬢様だった。
隣国に向かう前に船を用意させ、リーゼロッテを連れ戻そうと考えたのだが…
「失敗したですって!」
火急で届いた手紙には、リーゼロッテが乗る船を追跡させた船が国境付近を巡回している船に不信感を抱かれ拘束された後に、捕縛されたとのこと。
捕縛された者達は情報をあっさりしゃべり、リーゼロッテを拘束しようとしたことで即刻牢に入れられたのだ。
「なんてこと…」
手紙を握りつぶすも、このままではまずい。
すべてが公になるまでにどうにかでっち上げて、自分は何も知らないことにしなくては。
「サリオンは使言えないわ…だったら伯爵家の責任にしてしまえば」
何所までも身勝手なイグアスは自分の保身の為なら甥がどうなろうとどうでもいい。
「なんとしても私の為にあの娘を連れ戻さなくては…辺境伯爵家は財産もあるわ。皆の前で自分が悪かったと言わせれば…」
今だにリーゼロッテを支配しようと考えるだけでもおかしいのに。
自分のすることは常に正しいと信じて疑わなかったのだが、既にリーゼロッテは隣国の国境内に入っている事さえ気づかなかった。
通常ルートなら一週間は必要になる。
しかし、通常ルート以外を使っていることに気づかなかった。
しかも侯爵家が追跡した船は替え玉だったのだ。
その所為で無駄にお金と時間を浪費しただけだった。
しかも夫の名を勝手に使ってしまっているので責任はヴィッセル侯爵となった。
その直後に、学園内で問題を起こしたアグネスとサリオンの事で手紙が届いたのだ。
最悪なタイミングともいえるだろう。
その後も立て続けに問題を起こすアグネスによって、イグアスは責められることになり、これまで見下していた者に冷めた視線を送られるようになるのだっt。
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