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しおりを挟む本来辺境伯爵家も王家にとっては重要な人物だろう。
だけど、私は切り捨てられたと考えるか、ヒギンズ夫人は私は不要だと思ったのか。
「何様なのでしょう。女性でありながら地位があると思いあがっているのでしょう。王妃陛下の側近だからおこぼれを頂戴しただけ。私からすれば無能ですわ」
「ですが…」
「同じ辺境貴族ならば仲間ではありませんか?しかも我が子が同じ状況でも何もしないのであれば、領主代行のお役目は返上すべきです」
「後々、民を切り捨てそうだからな」
「私、今回の一件で彼女が悪しき権力者になりうると思いましたの。故に縁談を断りましたわ」
「「は?」」
縁談ですって?
「お前に見合いの話が来ていたのか」
「ええ、ですが即断りました。私は一介の大臣で終わる気はありませんの」
「一介って…」
「私はこの国の女宰相になってみせますわ」
なんて志が高いの。
野心も高く驚くことばかりだわ。
「男が国を治める時代は終わりです。新時代を築きあげるのは女です。女がどれだけ聡明で尊い存在か知らしめるのです!」
「ご立派かと…」
「その為にもリーゼロッテ様。貴女様にも是非ご協力いただきたいのです。ミカエラ様からお聞きしております。大変優秀であると」
ミカエラ様…
何故よりにもよってこんなすごい方にホラを…
「私など大したことは」
「いいえ、我が国の食料の不足問題と。年々水軍ギルドのやる気が落ちているのです。そんな中先日の案は素晴らしい」
いや、そんなつもりじゃないんだけど。
「海に潜む魔物を食す…これはいい案ですわ。懸賞金もかければやる気になります!」
もう止まらないな。
「これからどんどん案を出してくださいませ!我が国は完全なる実力主義!政治は男だけのものだなんて古い考えです。功績をあげれば領地、爵位を得ることも可能なのです!」
「そっ…そうなんですか」
「私と一緒に改革をしましょう」
既に私に拒否権はなく、両手を強く握られ頷くしかない。
「おい、無茶は…」
「場合によっては、お二人の婚約を反対する連中を私が握りつぶして差し上げますわ。そういえば例の天才少女に随分嫌われているそうですね」
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「現在王立研究員の所長にも気に入られれますわ。このままだとねぇ?」
「くっ!」
「彼女は才能もありますし。根性もありますわ」
ステラは着実に自分で人脈を広げている。
何がそこまでステラを突き動かしているのだろうか。
「さぁ?どうなさいます?」
「…何が望みだ」
この時、二人の間に何のやり取りがあったかは解らない。
ただ黒い笑みを浮かべるエラノーラ様に恐怖心を抱いたのは言うまでもない。
その後間接的に知ったのは…
「ティメリア王国との貿易が解消?」
新聞には大きく記事に載せられていた。
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