所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ

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117元王太子の現状~アルフレッドside③

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幼少期は王都ではなく田舎で過ごし。
10歳になる頃に王都に戻ったが、私は煌びやかな生活はまあり好きではなかった。

社交界とは騙し合い。
他者を踏みつけより自分が有利になる為ならば平気で人を殺す。

冤罪を作り出し人を平気で消すことができる場だ。
私はそんな社交界が怖かった。


それでも王子として生まれた以上は逃げることは許されなかった。
口に出すこともできず、息苦しさを感じていた。


そして私を追い詰める存在がアグネスだった。
典型的なお嬢様育ちで田舎暮らしの貴族を馬鹿にして、母の教育方針の一環として田舎で生活することに仕官しても嫌悪していた。


私は王都でお茶会をするよりも花の手入れをするのが好きだった。
けれど、私のやることなすことをアグネスは気に入らないおか。王太子としての自覚がない。


身分が低いものと言葉を交わすことも良く思わず、私の乳母との交流を断たせ、挙句には幼少期から私の兄代わりだったリュックまでも不当解雇を仕向けたのだ。



私とアグネスは何もかも違う。
民の暮らしに関心を持つこともなく、民がどうなろうとどうでもいいと言う考えだった。



学園で自身が起こしたことも自分は被害者だと言い続けている。
彼女に罪悪感があるからこそ、私も婚約を続行した。


本来私もアグネスも人の上に立つ立場ではなかったんだ。


立ってはならない。
なのに神様は何故私達を選んだのだろう。



「聞いているんですか!」


「ああ、とりあえずモグラみたいだから出た方がいいぞ」


「私一人で出られるわけないでしょう!早くなんとかしてください!」


「人に物を頼むことも知らないんですか。子供でも知っているのに」


隣で毒を吐く暇があったら手伝ってくれ。
まぁ、今騒いでも仕方ないのだが、早く抜け出さないともうすぐ奴が来る。


「えっ…何?」

「この時間毒蛇が来るんですよ」


「蛇ですって…きゃあああ!」


天井からボトッと落ちるそれは、私達がここに住む前からいる住人だ。
温かい温度故に、この時間になると落ちて来る。


天井は彼らの住まいだから。


「いやぁぁぁ!」


「アグネス。叫ぶとまた…」


「増えましたね」


一匹、また一匹と落ちて来る。
叫ぶと増えるのだけど、アグネスは恐怖のあまり悲鳴を上げ続けてこちらの話なんて聞いていない。


「もうこんな暮らし耐えられない!」


気付く自力で抜け出していた。
人間やればできるものだと改めて実感したな。


「これも全部貴方の所為よ!」

「だったら出て行けばいいでしょう?泳いで王都に戻っても貴方の母君は罪人です。借金を背負った父君は愛人とちょめちょめしているでしょうが」


ちょめちょめっていつの時代の言葉だリュック。


まぁどうしても嫌なら出て行ってくれてもいい。


私はここでの生活が気に入っているのだから。


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