所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ

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153罠~リオネルside

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招かざる客は国王の従兄弟に当たる人物ガルセオ公爵閣下。
野心家で王位を狙っている人物であるが、現在は王妃陛下が国王代理を行っているので立場も危ういものとなっている。


何故なら彼と王妃陛下の関係は相当酷いものだった。
それに加え今回のリゼの訴えで自身の立場が危うくなっているんだから。


「これはこれは、約束も無しにいかがされましたか?」

「無礼者が!この記事をどうする気だ!」

「はて?」


本当に我が国の高位貴族はどうなっているのか。
約束もし無しに勝手に邸に入り、傲慢な態度で当然と言う考えとは。


「こちらの記事に関しては正当なものでしょう?何か問題でも?」

「正気で言っているのか。仮にも元婚約者を訴えるなど、何所までも非常識な!」

「元婚約者を殺そうとして、今度は心無い噂を流し、尚且つ無礼な振る舞いを続けているのはどちらでしょう?娘はレグルス殿下の妃となるというのに」

「そんな茶番を未だに信じているのか!」


彼にとっては遊びだと思われているのか。
リゼをこの国に戻してモラハス家は権力を取り戻す気なのだろうか、無理がある。


「既に婚約は決定しております。現在は財務大臣の秘書として働いております。行く行くは女王陛下は娘を右腕に課と考えられております」

「そんな馬鹿な話があるか!大体…」

「それでどのような要件でしょうか」

早急にお帰りいただきたい。
傍で部下が今にも剣を抜こうとしている勢いだ。

「そなたの娘を国に帰るように伝え、狂言を詫びるように伝えろ」

「真実を述べたまでですし。この記事を書いたのは娘ではなく、信頼のある新聞記者です。それを撤回する術はありません」

「ならばこのまま黙っていろと申すか!」


追い込まれて頭がおかしくなったか。
ここで権力を使って記者を抑え込んでしまったら余計に各国から不信感を抱く。

「一度世間に出回った噂は簡単に消えないでしょう。この私を拘束して脅しても無意味です」

「貴様!」

「例え私の身に何があっても娘は信念を貫くでしょう…国に損害を与えることはしません」


そして娘の道を邪魔する事などしない。


「私がこの国に残った理由を理解されていないようですね」

「何だと?」

「私が敬意を持つのは王家ではない。王妃陛下です」


王家に対する忠誠心は王妃陛下がいらっしゃるからだ。

「国を混乱に導く王家は不要。貴方もこの国には不要なのですよ」

「この私を…侮辱する気か」


「事実ですよ」


外には公爵家の手の元が囲んでいるようだが、甘かったな。


「馬鹿で助かりましたよ」


こんな昼間から、騒ぎを起こしてどうなるか解るはずだ。


お忍びで来たにしても護衛は複数いるのでここで始末できる。


「お前達、歓迎してやれ」


忍んでいた部下に声をかけ、身柄を拘束するように命じた後に王宮に連絡を入れた後に彼らは失脚することになった。



残った貴族派はこれで終わりだろう。
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