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154吉報
しおりを挟む極秘で動き続ける中、匿名希望で手紙が届いた。
「これは…」
「どうしたんだ?」
「王妃陛下からです。貴族派の最後の公爵家が罪人として捕まりました」
「え?」
この報告には流石に驚いた。
手紙の内容を見る国王陛下の従兄弟に当たるガルセオ公爵閣下はずっと王座を狙っていたが、度重なる失態により権威を失い、そして私が訴えをしたことで更に権力がなくなってしまったそうだ。
それに並行して一時は王妃陛下の権威が落ちていたが、今では回復している状況だ。
サリオンが馬鹿な真似をしたそうで、男尊女卑では国を守れないと言う声が強くなっているそうだ。
だけどお父様に私を抑え込むように頼み、尚且つ国に戻るように命じろだなんて馬鹿だろと思うわね。
「貴族派は馬鹿か?馬鹿が多すぎるのか?」
「ええ、衰退した後におかしくなったのではないかしら」
けれど、お父様は逆手に取り少し強引だけどでっち上げをしたそうだ。
でも、抵抗すれば殺す気だったことが解る。
何故なら護衛以外に数名の暗殺者を忍ばせていたそうだ。
けれど甘いのは、お父様の側近は常に戦場に身を置き、秘書を兼任している形も頭の回転が速いのだから。
「ここまでくれば、もう終わりだわ」
「一か所にあの馬鹿達を集めよう…それで終わりだ」
「ええ」
サリオンと最後に話をして決着をつける。
「リゼ、その話し合いなんだが」
「はい?」
「ティメリア王国から手紙が来ているんだが…例のドワーフの令嬢だ」
「え?」
「他にも商人貴族の令嬢や…まぁ、元生徒会の元婚約者殿だ」
手紙を見せられると、見覚えのある紋章だった。
「どういうことでしょう」
「君に協力をしたいとのことだ」
直接的なかかわりはないが国にも強い影響力を持つ令嬢達だ。
あに事件で早急に国を出たから彼女達はその後どうなったかは知らない。
けれど幼少のころから婚約していたのに理不尽な理由で破棄になっているのだから。
中には愛情を持っていた人も…
「彼女達は婚約破棄になった後は結婚しているそうだ」
「え?」
「元より望まない婚約だったので婚約破棄できたのは願ったり叶ったりだそうだ。中には妊娠している人もいるようで」
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要するに彼女達は早い段階から元婚約者の本性に気づいていた?
しかも婚約を解消したいと望んでいたのかしら?
「相手が執事だったり、護衛騎士だったり領地の幼馴染だったりと…まぁ」
「お幸せになったのなら良かったわ」
ある意味、これが真実の愛なのかしらね?
少し気の毒に思うけど自業自得な気がする。
「彼女達は君に協力したいとのことだ」
手紙を見せられ、私はその申し出を受け入れることにした。
ある意味では関係者でもあるのだから。
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