所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ

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167ステラの逆襲②

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この国は腐敗しきっている。
どんなに国を良くしようとしても、邪魔をする人間が多すぎた。


「調べれば調べるほど出て来るな」

「これだけの人を犠牲に…」


あの変態大臣を筆頭に、これまで罪のな人を苦しめ、若い女の子を食い物にしてきたのは多すぎた。
その中にあのクソ男、サリオンの父親もいる。

聞けばあの男は相当の変態親父だった。


「でも、どうしてモラハス家はまだ残っているのでしょう」

「最後まで利用できると考えたのだろう。だから資金援助と弁護をしたんだろう…実際あの女に比べれば罪はまだ軽いようだ」


「元婚約者に暴行を加えてその後も…」

「だが、決定的な証拠がないことと。関係が良くなかったことで被害者側にも原因があると言えばどうなる?」

「そんなの屁理屈でしょう」

「平等な判断がされないのがこの国の現状だ。男が浮気をしても罪にならず、夫が妻を殴って殺人未遂でも罪に問われない。妻の躾だと言えばな…」


何所までも女性に厳しすぎる世の中だわ。
ティメリア王国の政権は実質王妃陛下のものとなっているのに。


「泣き寝入りせざる得ない状況だ。同じような罪を犯す者が庇いあっている…証拠が弱すぎるんだ」


「私は…私自身の為にも彼らを徹底的に潰したいです。ハニートラップを仕掛けます」


こんな時の為に愛読しておいてよかった。
罠女の極意。


ハニートラップを得意とするスパイ女の小説だ。
あの手この手を使って男達を誘惑し惑わし最後は地獄に叩き落とすのだ。


「ここは協力者が必要だ。正直、男女の事情に詳しいプロが必要だろう」

「そうですね」


恋愛経験豊富な女性が必要になる。


そんなこんなでアルステッド様が頼られた方というのが――。



「まったく、二人とも無茶をしたね」

「そういう言い方はないじゃないですか父上」


「はぁー…」

何故かシネンシア辺境伯爵様だった。


「話は聞いた。ステラ、危険すぎる」

「でも、このままではリゼ様が!」

「あー…その件に関してはあるお方が動いていらしてね」

あるお方?
シネンシア辺境伯爵がここまで言う方とは誰なのかしら?


「王妃陛下が直々に動かれている」

「えっ…王妃陛下が!」


国母である王妃陛下が動くほどって、相当酷いことをしたのか。

「以前から王妃陛下は、彼らを始末したがっていた…しかし隠れ蓑を見つけることができず、うまく逃げ隠れされていた。どうやら闇オークションを率先しているようでね」

「あのクソ大臣が!」

「その闇オークションに参加している貴族は王妃陛下に反発する貴族だ」


ここまで腐っているなんてもう生かしておく必要はないわ。


「そこでだ。王妃陛下が君との面会を望んでいる」

「喜んで!」

「早いな。もう少し考えなくていいのか」


同じ敵を持つ者同士だもの。
会うのが怖くないと言ったらウソになるけど、今はそんなことを言っている余裕はないわ。



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