君は優しいからと言われ浮気を正当化しておきながら今更復縁なんて認めません

ユウ

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第一章

62被害




王都周辺の領地は打撃を受けるも、辺境地。
特にクロレンス領地は打撃が少なかったそうだが、それには理由があった。


「クロレンス領地は過去に何度も災害が多かった故に、対策を取っている」

「はい、五十年前にも震災に大飢饉がありまして。それ故に対策をしてまいりました」

モリアルが過去を思い出しながら告げる。
今から五十年前には大きな災害が起きて、どの領地も打撃を受けた。


そして二十年前には疫病が流行った。
牛が病になり、牛肉が全く取れなくなったのだ。

貴族が主に口にする肉は牛肉だった。
当時は豚肉はあまり口にしなかったのだが、牛が大量に処分されたことで牛肉が食べられなくなり代わりの肉を代用する方法を考えたのがクロレンス家だった。

「当時豚肉を改良したのは貴殿だと聞く。しかも病にかからないように徹底したそうだな」

「はい、先祖が豚や猪を重宝しておりましたので」

牛の病が収まるまでの間代用として豚肉を流行らせ。
なければ代用品を使う発想が貴族達には欠落していたのだ。

そのおかげで飢えることはなかった。
クロレンス領地は貧しい領地だと一部で言われているが、無駄な贅沢をしないだけだった。

「調べましたが、実に倹約的であるな」

「恐れ入ります」

「しかし使うべき時は使っておるな…騎士団に毎年多額の金を寄付し、食料も大盤振る舞いだ」


書類を片手に国王はモリアルを高く評価していた。
世間では貧乏だと思わせておきながら有事の時には惜しみなくお金を使っている事で貯えがあるとアピールしているのだ。


ただしすべては自分の為ではない。


「先の先まで予測していたからこそ今回も被害が少なかった。それにくらべて紐男爵は」

「紐…」

王妃は既に男爵家を紐と呼びだした。

実際これまでクロレンス家ににおんぶにだっこで寄生虫のような真似をしていたのであながち間違いではないのだが。


「ハッ、今回の事で打撃を受けているだろうな」

「まぁ…自業自得でしょうな」

王都付近の貴族達は大きな被害を受け、銀行商等をしている貴族派の貴族や宝石商を生業にしている貴族も最悪な状況になっているだろう。


「いざという時の為に食料を確保していたクロレンス家の勝ちじゃな。しかも現在モリアル殿は船で商売をしているとなれば」

「恐ろしい先読みだ」


狙ったわけではないが、恐ろしい程に運の強いと誰もが思ったのだった。


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