君は優しいからと言われ浮気を正当化しておきながら今更復縁なんて認めません

ユウ

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第一章

67周りの評価






これまで男爵子息でありながらも社交界でそれなりに評価を受けていたカーサは自信があった。
本来なら男爵家は下級貴族の中でも下の方なのに、公爵家等のと深い付き合いのある商人からも礼を尽くされていた。


なのに婚約破棄をしてからというもの人が離れて行った。
その理由に気づかなかった。


「まだ解っていませんのね」

「何を…」

静観していた他の夫人達が近づき無表情で告げる。

「今まで貴方はそれなりに評価された。それは優秀な婚約者を従えていたから。言い方は悪いですけど、社交界は男尊女卑が強いですから」

「より優秀な妻を従える男は甲斐性があり、優秀だということ」

「妻を従えながらも私生活ではちゃんとフォローしているからこそ、妻は夫に従うのです。対象高圧的な態度を取ってもね?私達はグレーテル嬢が虐待されているのを見ても公の場だけと思ってましたの」

「虐待だと!」


ありえないと思った。
しかし第三者から見れば十分に虐待に近しいと思った。


「お茶会、舞踏会では愛人を同行させ、ダンスは踊らず、夜の街に置いてきぼり…人さらいにさらってくれと言わんばかりの態度でしたわ」

「それでもグレーテル嬢は態度にも出されなかった…ですから亭主関白を演じていたのかと」

「格上の婚約者を持つ身としてはプライドもあるでしょうし…ですが本当に鬼畜外道とは」


夫人達はそろってカーサを責める。
彼女達も夫が少々偏った性格で癇癪持ちなのを悩んだ時期もある。

それでも私生活では優しい夫だった。


「本当に最低な男」

「最後には財産を奪い、舅様まで国から追い出すなんて」

「領地を執事に任せた後にもお金の無心に来たそうね。男以前に人として終わってますわ」

「何でこんな男と婚約をさせたのでしょう…モリアル様は弱みを握られたのかしら?」


口々に好き放題を言う夫人達にブルブルと震えるカーサだったが身動きは取れない。
何故なら囲まれているので、ここで下手に動けば今度こそ終わりだと肌で感じていたのだ。


「最初から金ヅルだったなんて…」

「貴族派が仕組んだのね…それともグレーテル様に劣等感を抱いたのかしらね?」

(は?俺があの女に劣等感だと!)


この言葉だけは許せなかった。


「お言葉を返すようですが…」

「妻に何か」


言葉を遮るように現れたのは辺境伯爵の一人だった。


「高圧的な態度で妻に近づくのはやめてくれるか」


「貴様、今度は私の妻に色目を使う気か」

「これ以上近づくな。お前もだ!」


夫人の夫達が現れカーサを責め始めたのだった。


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