乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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10婚約者~レオナルド①

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穏やかなに眠るリネットを見て安堵した。


「お兄様」

「エリザベートか」


音を立てずに静かに部屋に入ってくるエリザベートに声をかけられる。

「諜報員のような真似をするな」

「あら?これも訓練の賜物でしてよ」

何所の世界に貴族令嬢が諜報員顔負けの気配の消し方を心得ていようか。
まぁ、我が家は特殊だからな。


特に我が妹はその血を誰よりも受け継いでしまっている。


「お姉様は…」


「婚約解消を望まれた」

「は?」


「ドアノブを砕くな」


うっかり怪力を使って純金のドアノブを粉々にするのはいい加減止めて欲しいものだ。


「何故…」


「こんな体になっては私とお前に恥をかかせると」


「お姉様は何も悪くありませんわ」


氷の令嬢とも呼ばれたエリザベートがこんな顔をしているの見たら世間は何というだろうか。
社交界では完璧な令嬢と言われ裏では冷たい令嬢と罵られている。



だが、エリザベートは血も涙もない娘じゃない。
虐げられる民を思い、不正をして傷物にされる貴族令嬢を守る為に戦っている。


やり方が少々乱暴であるが。
かつて辺境伯爵家の戦闘民族と言われた血がそうさせている。


誰にも理解されなくとも信念を貫くエリザベートに初めて寄り添ってくれたのがリネットだった。



「お兄様、怖気ずいたのなら殺しますわよ」

「拳を突きつけるな」

「半分冗談ですわ」

「半分本気だろうが」



好戦的な態度を少し改めて欲しい所だが、可愛い妹であることは変わりない。


「私は悔しくてなりません」

「エリザベート…」


「社交界ではお姉様とお兄様の婚約解消祝いなんてされてますわ」


他人の不幸は蜜の味とはよく言ったものだが、当事者になるとここまで不愉快だとは。


「愛の女神様がこの結婚を認めなかったからだと馬鹿王子も豪語してました」


「それで?」

「ぶん殴って氷の棺に入れて差し上げました」


王族貴族は魔力が強い。
特に私達はアリテナ女神の加護を持っている。


エリザベートはアリテナの従神のニケイラ。
守りの神とされ軍神にも匹敵する。


エリザベートとが武人のような強さを持つのもこの加護が大きく影響している。



「詫びるどころか、お姉様が悪いような言い方…正直王家には失望しました」

「言うな」


「私は十年…耐えて耐えて耐え続けました。その理由をご存じですか」


「ああ」


腐敗しきった貴族達を徹底的に管理するためだ。
その為に王子との婚約を耐えたのだろう。


現在我が国では未だに誰が立太子するか決まっていない。
第二王子が公爵家の後ろ盾を得れば立太子する可能性は高くなる。


既に自分が王太子気取りになり増長していたのだろうが…



「ご自分が守られていることに気づいてませんわ。愉快な仲間達も」


「ノームと愉快な仲間達みたいに言うんじゃない」

「そうですわね。ノームに失礼ですわ」


私もだとは口に出さなかったが、ノームに失礼なのは同意する。



「だが、私は笑って終わらせる気はない」


「ええ、勿論ですわ」


「馬鹿王子は勿論だが…噂を流した連中にもな」


リネットが優しいのをいいことに言いたい放題やりたい放題した罰は受けてもらう。




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