乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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79手紙






「――以上だ」

「えぐい」


急遽、セレスティア王国に行くことになった侯爵様から近況報告が来た。


「馬鹿だと思いましたがここまでとはな」


侯爵様の報告では、公の場で他国の勅使に対して無礼三昧をしただけでなく、例の令嬢が馴れ馴れしく接し、尚且つ私が怪我をしたのは私の所為だと言った事で侯爵様が激怒。

すこし厳しめにチクチク言ったのだが、問題は帝国の秘密情報を社交界に碌に出たこともない男爵令嬢が知っていたことを不審に思ったそうだ。


タイミング悪くその場に駆け付けたのがリシウス様で、彼女の態度と発言を咎めた後に国のトップしか知らない情報を知っていたことで、スパイの容疑がかかったとのことだった。



「当初からおかしいとは思ってましたのよ」

「どういうことでしょう…」

「我が家の加護の秘密を知っているかのようだったし…私が短命であることを知っているようだったわ」



それは乙女ゲームの情報なのではないか?
私は正直、シナリオを詳しく知らない。

攻略対象を落として恋愛をする程度しか。

そもそも彼女は何をしたいのか分からない。


「我が家の加護の対価を知る者は、国の上層部、もしくは神殿関係者の一部の者は知っているが…」

「知っているのは年配の方ぐらいですよね」


…というかシナリオに書いてあったのだろうか?
そんなディープな設定な乙女ゲームってどうなのかと思うけど。



「でも、侯爵様に絡んだのどうしてでしょうか?」

「あー…」

「それは…まぁ」


私の言葉にレオとリュドミラ―様が視線を反らせた。


「やっぱり元皇族だからでしょうか?」

「妻の私から言うのもなんですが…容姿端麗で財力は帝国一番ですの。しかも外見が若々しいですから」

「フェロモンを垂れ流しているんだ…あの人は」


「ふぇろもん…」



一瞬志向が停止した私に後ろからポンと肩を叩かれる。


「リネット様は侯爵様の色香に反応ございませんでしたからね」


「素敵な殿方だと思いました…お父さん的な」


「君だけだ。そんなことを言うのは」


何が言いたいのか分からない。


「要するに、魅惑の性質があります」

「えーっと…それは魅了的な?」


過去に王族、貴族の中で特殊な魔力の持ち主。


魅了という力を持つ方がいたと言われる。
精神干渉系魔術はその名の通り他者の感情を利用するものだ。

ただし意識はあるまま操るのだけど。

魅了は完全に相手を虜にすると聞いている。


「魅惑の力は魅了程の効果はない…性別関係なくフェロモンを垂れ流してしまうんだよ」


「でも、今はマシになっていますわ」


「別に相手の思考を奪ったりするわけじゃない。まぁ一目惚れのようなものだ」



魅了程悪質ではないが、こっちも中々厄介だな。

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