乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ

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81第三王位継承者

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セレンティア王国には三人の王位継承者が存在する。

第一継承者は言うまでもなく第一王子のリシウス様。
第二継承者はグレゴリー様である。


ただし第三王位継承者である人物は王位継承権があっても立場こそ微妙だったので継承権は形だけと思われていた。

その理由がいくつもある。
一つは、王弟殿下は過去に王位継承権を返上して一代限りの大公と言う地位についている。
王族籍から抜けて国王の臣下という立場にあったので、貴族達からは下目に見られることがった。


万一、第一王子か第二王子が国王となった後に王太子となってもその地位は確実ではない。
何時でもなくなるような地位だった。

その理由は、国王に子が生まれればその地位は無くなるのだ。
いわば中継ぎの王太子という形になる。


しかも王弟殿下は先の戦争で私の両親と共に戦死している。
王妃陛下が後見人となっているが、王座に就くことはまずありえないとうのが大勢の貴族の考えだった。


けれど、王族の中では誰よりも優秀だった。
現在十歳になるが既に貴族院の勉強は既に終えており弱い八歳にして七か国語をマスターし大学卒業をできる知識はある。


まさに天才だった。


政治に関しても宰相顔負けの頭脳を持ち、子供だぁらと言って甘く見ることは気でない。
私自身も彼の頭の良さと聡明さには驚かされた。


本当に子供なのか?
子供の皮を被った大人ではないかと思う程だった。


「リシウス様はセシル様を王太子にと考えているのかもしれない」

「なんとなくそんな気がしてた…」



以前から国王になることに興味はないと言う態度が見えていた。
でも、それは重責から逃げようとしているのではなく、心から国を思っている証拠でもあった。


「国王の子だから王になれるんじゃない。王になる努力と覚悟をしたからなれるんだ…」

「うん」

「国王の子だからと胡坐をかく者にその資格はない」



グレゴリー様のことを言っているのだろう。
リシウス様はずっと歪んだ常識を覆したかったのだろう。


世の中すべてにおいて理不尽だった。
善良な人間ほど損をしてずる賢く他人を踏みつける人間ほど得をする。

社交界なんてその代表だった。


「リシウス様は優秀な者こそチャンスを与えたい。生まれで優遇される時代はもう終わりにしたいのだろうな」

「そんなの知っているわ」


学園にいた頃から傍に置くのは身分関係なかった。
生徒会の役員は優秀な人材はあれど身分はバラバラだった。



「リシウス様は機会を伺っていたのね」


「だが、君が巻き込まれるのは想定外だった…だから今回こんな強引な真似をしたのだろう」



それは友情から言っているのでもなく忠誠心からでもない。
真実なのだから。


あの方は常に周りを良く見ていた。
私の事も利用する気はなかったはずだ。


もし利用するなら国外に私を逃がすような真似はしないだろうから。

それを考えると余計に悲しくなった。


一人で責めを負うなんて悲しすぎる。



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