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しおりを挟む「絶対だめよ!」
案の定、お嬢様の耳に入ってすぐにダメ出しをされてしまった。
「リサ先生!絶対に許しちゃだめよ」
「これ、止めないかアン」
「だって叔父様!絶対先生を家政婦にして最終的には使いたい放題してポイ捨てよ!最近は嫁は都合のいい道具にされているんですって」
「お嬢様、また過激な本を」
部屋の隅っこにはシンデレラに似た物語の本が置かれている。
「最近のはやりは捨てられた嫁よ!」
「アン・・・頼むからもう少し夢のある本を読んでくれ」
「あら?夢物語よりも役に立ちますわ。私は絶対に同居はしないわ」
通常同年代の令嬢はもっと夢のあるお姫様と騎士物語に憧れたり、身分違いの悲恋物が好きなのだけど。
早い段階に大人の欲を目の当たりにしているので、かなり厳しい趣向だ。
「でも、その逆もあるらしいわ。義母と同居して孫の世話を丸投げして自分は好き放題するって話」
「アン・・・叔父様は胃が痛いよ。亡くなった姉さんも天国で泣いているぞ」
「あら?お母様は現実主義よ。私が大人になったら義母と同居をすることになったら離縁なさいって日記に書いてあったわ」
「姉さん…なんてものを日記に」
今は亡きマリーローズ様。
マリーアンジュ様の母君で絶世の美女と言われている。
「私はお母様の娘よ。美しい貴族令嬢たるもの、常に凛としたたたずまい…いうなれば悪役令嬢のように美しくないと!」
「お嬢様、最近の愛読書は」
「悪役令嬢の破滅への日々よ」
「破滅の道を進んでどうするんだ!」
お元気に育たれたことは喜ばしい限りだわ。
出会った当初は大人の愛情を試すような真似をして、本心を見せることもなかった。
幼くしてご両親を一度に失い、旦那様は可哀想だと甘やかしていたのだけど。
お嬢様は大人が思うよりもずっと多くの事を悟り、しかも父親の親族は遺産目当てに後見人を名乗りでたのだから。
遺産を必要としない旦那様が、話し合いの場を設け養女にすることは叶ったけど。
今度はお嬢様の遺産だけでなく伯爵家に取り入ろうと考えたのだから。
「先生、夫と言っても所詮は他人なんだから!絶対に妥協しちゃだめよ」
「お嬢様…」
「同居してから本性だすかもしれないわ。だって一度同居したら雲の糸じゃない…二度と逃げられなくなるわ」
本当にお嬢様は何歳ですか?
本当にまだ七歳の子供とは言えない程の思考だわ。
「お嬢様の成長を心よりお喜び申し上げます。ですが、義両親は言い方ですわ」
「そんなの一部だけしか知らないからじゃない。大体、こないだも先生を侍女のように使ってお客様を接待したんでしょ!絶対信じちゃだめよ」
同居は家族だけでなくお嬢様も大反対だった。
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