【本篇完結】無能だと言われて婚約破棄に追放されましたが、女王陛下に見初められました!

ユウ

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28.強すぎる義母

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デビュータント。
それは、貴族令嬢や子息達が成人を祝う宴だった。


通常は13歳から15歳の間にデビュータントを果たす。
王族の場合は14歳までに成人式を終わらせるのが通常であり、リディアも13歳の時に社交デビューを果たしている。


成人すると貴族令嬢は親の同伴無しにパーティーに参加できる権利を与えられ、大人の仲間入りとなる。

結婚も可能の年齢となる。

他国の姫君が同盟として嫁ぐのも最年少で15歳ぐらいだ。


現在リディア王女は15歳で俺は18歳だ。
貴族同士が婚約式を挙げるのは妥当だろうけど、結婚に関しては少しばかり早いと思うのだが。

王族の結婚適齢期は13歳から16歳までらしい。
前世の記憶がある分、早すぎると感じてしまう俺がいけないのだろうか。

挙句、結婚前に子供の話をされるなんてぶっ飛び過ぎじゃないか?


「ルイス、聞いているのか?」

「はい…なんでしょう!」

「聞いておらなんだな?まぁ、私も急かし過ぎたか」


サジータ様は俺を心配して言ってくれたのは解る。
でも、まだ実感がないし、俺なんかに女王陛下の王配なんて務まるのだろうか?


不安で仕方ない。


「だが、そなたを義兄上や私の二の舞にしたくはないのじゃ。それだけは解ってくれまいか」

「はい…」

「そなたには跡継ぎの事で辛い思いをさせとうない…まぁ、そなたは草食動物故に不安もあろうが問題ない。流れに身を任せれば後から何とでもなる」

「はい?」

身を任せる?

後から何とでもなるってどういうことだ?


「戴冠式までにそなたを安全な場所で守る必要がある。故にしばらく王都から離れたのじゃからな」

「え?」

「既にそなたを狙う者は多いのじゃ。私が急いで王都を出たその日に事は起きておる」


事が起きているって…まさか!


「まったく無礼よな?私の目の届く場で堂々と暗殺計画を立てようとは」

「暗殺…」

「まぁ、私の影の者達に仕返しをさせておいたが」


こわっ!!
氷のような瞳で微笑みながらも恐ろしかった。

「本当に、愚か者よのぉ?この鷹の眼と呼ばれた私を出し抜けるわけなかろうに…鷹の爪の餌食にしてよう」

しかもそんな物騒な異名まで持っていたのか!


王家の紋章には鷹と三頭竜の紋章が飾られている。
古来より鷹とは王者の風格を持つ者のみに与えられると言われており、猛獣とされるグリフォン等を使役する者は性質は別として強者として国からも誉れを貰っているのだ。


そういえば俺が拾ったフレスベルグの雛も…いや、ないよな?
一時的な里親になっているだけだし。


「ピー!」

うんうん、こんなところまで聞こえるなんて、既に親馬鹿だな。

「ピー!」

「へ?」

窓を見ると何故か、雛が張り付ていた。


いや、何でいるの?
老婆達と一緒にいるはずじゃないの!

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