巻き込まれて婚約破棄になった私は静かに舞台を去ったはずが、隣国の王太子に溺愛されてしまった!

ユウ

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20.氷の女王の思い~王妃side



私には親友がいた。
戦友でもあり、王妃という立場上心を許せる友がいなかった私にとって無二の親友だった。


今でこそ我が国は落ち着いているけど、三十年前は戦争の繰り返し。
辺境地などでは死傷者が続出して王都も火の粉が何時飛んでくるか解らなかった。

そんな中国一番の癒しの使い手だったのが、ジゼルの母上。

名をアルティシア。
私の大事な親友で幼馴染だった。


けれど戦場を駆け回り騎士達を救う為に力を使い続け、魔力を消費し過ぎた事で力を失った。

そして若くして亡くなった。
当初私は唯一の友を失い、王族派と貴族派の諍いが酷くなり余裕がなかった。

動いていないとおかしくなりそうだった。
私の心の拠り所だった彼女を失っている中、私はセオドール様の事をもっと気にかけるべきだった。

彼女がどれ程セオドール様と愛し合っていたか。
愛する妻を亡くし絶望する中、使用人が彼女の形見を追剥のように持ち去った。

けれど、すぐに彼等は死ぬよりも惨い罰を与えられたのだけど。
ユーモレスク家の鬼達によって。

セオドール様の弟はとにかく容赦がない。
一度的と判断すればその子孫も地獄に送るまで地の果てまで追いかけて来る程執念深い。

セオドール様も執念深いけど、加減も心得ている。

なんせあの方は王家直属の諜報員。
暗殺もしていた方でもあるのだから当然だけど。

今は現役を退いているけれど。
彼を敵に回せばどうなるか陛下も知っているはず。

とは言え、彼も人の子。
愛する妻を失い平気で入られなかった。

なのに彼等はセオドール様の心の傷につけこんで婚約を断れないようにした。

とは言え、セオドール様の持ち直した後にすぐに婚約解消をできるように対策はしていた。

侯爵領が持ち直し、婚約解消した後にジゼル嬢が良き相手と婚姻できればと思っていたのだろう。

けれどチェイス侯爵家は馬鹿だった。
そして息子はもっと馬鹿で、彼の好意を踏みにじり散財をした。

そして一年前。
とある令嬢が学園に転入して来たことで事態は悪化した。

責任感が強いジゼル嬢は諍いを止めるのに勤めたにも関わらず侯爵夫人はジゼルを陥れようとしたのだ。

馬鹿息子は勝手に勘違いし、彼女を蔑み暴言を吐き散らし、あの娘を過度に庇い、嫉妬をしていると思い込んだ。


馬鹿でしょう?
ジゼル嬢が何故あんな頭の悪い女に嫉妬を抱くの?

普通逆じゃないかしら。

だけどもっと許せないのはシャーロット嬢の行動だった。
本来なら諫めて止める立場なのに一緒になって!

彼女自身にも非がある。
傍にいる者を止められなかったということではない。


彼女自身の振る舞いに問題がある。


あの時、もしなんて考えても仕方ない。

だけど――。

魔法で彼女を、ジゼルを救えたはずなのにしなかったのだから。


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