巻き込まれて婚約破棄になった私は静かに舞台を去ったはずが、隣国の王太子に溺愛されてしまった!

ユウ

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50.廊下での騒ぎ





最後の手続きをするべくお兄様と一緒に学園に向かう事になった。


当初は二人だけだったが先日の事もあり護衛にティエリーとリナリアも同行してくれた。

二人だけでも十分なのに。

「ジュディ、一緒に来てくれなくても」

「いいえ、お嬢様は私がお守りいたします」


あの時、ジュディは邸にいなかった事を悔いていた。

誰も悪くない。
今言っても仕方ない事だけど。

「俺は手続きをしてくるから…」

「お兄様、何か騒がしくありませんか?」

「ああ、シアン嬢の声がするな」


私達は職員室に行く前に廊下が騒がしい事が気になる。


「一体何が…」

「見っとも無くてよ!」


凛とした声が響き、視線の先には大勢の前で絵にかいたような悪役令嬢の図が出来上がっている。


「あれは…」

「何をしているんだ、シアン嬢」

「何故シルキス様の足を踏んづけているのかしら」


まるで女王様とお呼び!と言わんばかりのポーズだった。



「ジゼル様!」

「ああ、良かった…学園にいらしたのですね」


クラスの友人が安堵したように駈け込んで来た。


「姫様…」

「ティエゴ、いいわ」

私に危害を加える人物かどうか判断しているのだろうけど、彼女達は私の友人だ。


「ジゼル様、学校に来られるようになって良かったですわ」

「歩けるようにまで回復されて」

「ご心配をおかけして申し訳ありません」


学園には私の情報が行かないようにシャットアウトされていた。
その所為で私を本当に心配してくれる人達は不安だっただろうに、申し訳ない事をしてしまった。


「あの…それで」

「ああ!そうでしたわ」

「シアン様の事なのですが」


二人共困った表情をしながら事情を話してくれた。



***


「馬鹿だな」

「馬鹿ですね」

「馬鹿すぎるだろ」

「馬鹿です」


四人そろって馬鹿発言を連呼した。
私も何とも言えない気持ちだけど、シルキス様もそうだけど。


婚約破棄ブームって何?


「逆上せ上がった男子生徒が熱が冷めた後に自分達の失態に気づいたそうで」

「それで一人の女子生徒に無理矢理復縁を…そこにシアン様が助けてくださったのですけど」

一旦は収まったが、その後にシアンの元婚約者が現れたと。


「はぁー…物事の分別もついていないなんて」

シアンは見た目に反して正義感が強く曲がった事が大嫌い。
貴族令嬢として愛人を持つ事はある程度認めているけど、シルキス様のしでかしたことは不誠実過ぎた。

自分から婚約破棄を願い出て、それを破棄してくれなんて無理があるでしょうね。


「このままにしておくのも問題だな」

「お兄様?」


溜息をつきながらもお兄様は争いの元に向かわれてしまった。


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