巻き込まれて婚約破棄になった私は静かに舞台を去ったはずが、隣国の王太子に溺愛されてしまった!

ユウ

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59あの日見つけた花~ウィルフレッドside③

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見守る恋を続けながらも私はそろそろ年齢的も婚約者を決めなくてはならない。


「殿下、そろそろ婚約者を決めなくてはなりませんわ」

「解っている。タイムリミットだ」

「私は殿下が望まれる方がいらっしゃるなら協力いたしますわ」


セラは私の立場よりも私の思いを重んじてくれているのは嬉しいが、私は王太子という立場がある。


「私が…いいえ、私達は殿下が心から信頼できる方を迎えていただきたいのです」


血筋が良くとも政治的に利用する者や国を守る意思と覚悟が無くてはならない。


国を思い、民の為に。


「殿下、国外でもよろしゅうございます。ですから一度視野を広げて考えてくださいませ。ご自分の気持ちに正直に」

「ありがとう…」


きっと無理だ。
彼女は国の為に民の為に生きる事を願っている。


だからこそ、自分の幸せよりも優先するのだから。


胸にしまい込んだ恋心は大丈夫だ。


そう思いながら隣国への留学へ向かった。




しかし――。



「お待ちくださいハルバード様!」


「煩い!邪魔だ!」

「きゃあ!」


私の小さな望みすら叶わなかった。


「しつこいぞ!」

「学園内で問題になっています。これ以上は…」

「貴様など金ズルでしかない!」


突き飛ばされる彼女を見てすぐにかけつけようとするも。


「本当に無様ね?」

「婚約者にも相手にされないなんて」


聞こえてくる雑音に私は…


耐え切れなくなる。


あんな男が!


学園で面白おかしく噂を流す生徒。
そしてその裏で苦しむジゼルを見て私は己の無力が憎らしくなった。


公の場で過度な庇い方ができないから、タイミングを見計らって割って入るしかできなかった。



「ウィルフレッド様」

「何でもないティエリー」


陰湿な嫌がらせ、これみよがしにあの男は不義を働き続けた。


そして最悪な事態となった。



「ジゼル嬢!」


婚約者のいる男子生徒に言い寄ったあの女子生徒に恨みを抱いていた女子生徒が魔力をぶつけ、暴走した。


挙句に風魔法でジゼルを切り刻んだあの男は…


目の前で婚約者があんな目にあっても何とも思わなかった。


私はこんな結末を望んで。

彼女が不幸になるのを見ているだけしかできないのか。


「ウィルフレッド様!」

「急いで術者を…私の魔力だけでは彼女は救えない」


急いで癒しの魔法を使ったが背中の傷が深すぎた。


もうこれ以上見ていられない。


彼女が不幸になるぐらいならば!

私は大嫌いな権力を行使した。


彼女を連れ帰り、奪う選択をしたのだった。




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