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『獄中令嬢』の噂
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「アイラ・ザクセン! 今日をもってきみとの婚約を破棄させてもらう!」
王太子妃主催の夜会にて。シャンデリアの光がきらめく、絢爛豪華な会場で。
幼いころからの婚約者、カート・ヴィゼンに婚約破棄を宣言されたわたしは、嗚咽を漏らすまいとするようにハンカチを口に当てると膝から崩れ落ちた。
「カート様……そんな、本気でおっしゃっているの……?」
「ああ、アイラ。もちろん本気だとも! きみがリオナにしてきた仕打ちを知らないとは言わせないぞ!」
眉を勇ましく吊り上げて、わたしに鋭い視線を向ける婚約者カート・ヴィゼン。
その胸にそっと手を添えて、彼からは見えない角度でわたしに勝ち誇った微笑みを向けるリオナ・ヘッセ。
夜会に集まった人々が、突如として騒ぎ始めたわたしたちに注目している。
好奇心に満ちた視線を受けながら、ハンカチの下にあるわたしの唇は──実は、笑みの形に歪んでいる。
ついにこの時がきた、と思った。
わたしはこの時を、長い間ずっと待っていた。
今こそ、モモに授けられた『復讐レシピ』を完成させる時だ──
◇◇◇
アイラ・ザクセンの婚約者、カート・ヴィゼンは浮気をしている。
ささいなことをきっかけにそれを知ったわたしは、令嬢の間でひそやかに噂される、ある方法を試すことにした。
『王城の地下にある隠された牢屋の奥に、1年前に断罪されたとある令嬢が収容されている。恋人に裏切られ、相手に報復したいなら彼女に相談するといい。必ず、復讐の方法を教えてくれるから』
そんな噂だ。
まさか、噂を丸のまま信じ込んだわけではない。
しかし、試す価値はあると思ったのだ。
『追放された令嬢』に心当たりがないわけではなかったし、彼女ならきっと、今のわたしに必要な助言をくれるから。
だからわたしは見張りの兵に賄賂を渡し、『地下にいる令嬢に会わせてほしい』と頼み込んだ。
すると兵士は手慣れた動作で賄賂を懐に隠し、わたしに地下牢の鍵を渡してくれた。
あまりにもうまくいったものだから、拍子抜けをしてしまう。
だが地下に捕らえられているのが『彼女』であるならば、それも納得だ。
おそらく見張りの兵士自身も、『彼女』の手中にあり、わたしのような女が来たら、自分のところに案内するように指示されているのだ。
想像に難くない。『彼女』はそういう裏工作が、昔から得意だったから。
地下牢に続く階段を降りながら1年前のあの大騒ぎを思い出すと、ほんの少し胸が痛む。
わたしはあえて思い出さないように気をつけながら、一歩一歩を進めていった。
階段の終点は、特別な虜囚だけが収容される、王城の地下牢。
そこに一歩足を踏み入れると、暗かった廊下に明かりがともった。
(どうして……この牢屋には、魔封じが仕掛けられているはずなのに)
王城の下にある特別製の地下牢。ここには魔力を封じる仕掛けが施されている。
どんなに頑丈な牢屋でも、魔法を使える相手には無力だ。だから、魔力を持った相手に対してはこのような牢屋が必要なのだ。
そしてこの国では、魔力は王族と貴族の家系に生まれた者しか持たないと言われている。しかも身分が高いほど、魔力が強いとされている。
つまりここは、犯罪を犯した王族やそれに血筋の近い貴族を閉じ込めるための牢屋なのだ。
「あらあら。お久しぶりです、アイラさん」
明かりに照らされた廊下の奥。いかにも頑丈そうな牢屋の中から、澄んだ声が聞こえる。
「……そうね、モモ。本当に久しぶり」
わたしは牢屋の前まで歩み寄り、その中にいる少女に目を向けた。
ゆるくウェーブした金髪と、陶器のように白い肌。傷のついたガラス玉のように光を放つのは、桃色の瞳。
それらを持つ美しい少女が、牢屋の中で微笑んだ。
だが、見た目に騙されてはいけないことを、わたしはすでに知っている。
彼女は『獄中令嬢』とあだ名される、モモ・クルツバルグ。
1年前に王太子妃と王太子を殺そうとした罪で社交界から追放され、断罪され、魔封じの地下牢で生涯幽閉されることが決まっている、元公爵令嬢だ。
「あなたに最後に会ったのは、投獄が決まったあの裁判の日だったかしら?」
「ええ……覚えていますよ、アイラさん。あなたが最後まで、『これは冤罪だ』と主張して、私を助けようとしてくれたこと」
「……あんなの、ただの自己満足でしかなかったわ」
公爵令嬢であるモモと伯爵令嬢であるわたしは、幼いころから、顔を合わせる機会がわりと多かった。
公爵令嬢である彼女のほうがわたしより身分としては上であったが、お互い遠慮なく物を言い合える程度には、友情だってあったと思う。
だから、突然モモが王太子とその婚約者を暗殺しようとした罪で捕らえられてしまったあのとき。
わたしは彼女の罪を軽くしてもらえるよう、王太子に嘆願した。
王族への反逆容疑は立件したらろくに捜査もされない慣習だということはわかってる。
だが今回だけは、もっとよく調べてほしい。モモが、王太子の婚約者――彼女の姉を、暗殺なんてするはずないのだから。
わたしはそう進言した。
しかし、わたしのその意見を聞き入れる人間は誰もいなかった。
当時は気落ちしたが、今考えてみれば当然の話だ。伯爵令嬢とはいえ小娘一人の意見のために、王家への反逆罪が覆ることなんてありえない。
「忘れてちょうだい。わたしは結局、あなたのために何もできなかったのだから」
「いいえ。私は嬉しかったですよ。アイラさんが、私を助けようとしてくれたこと」
牢屋の中で、モモは優雅なテーブルとセットの椅子に腰かけながらそう言った。
(なんで牢屋の中にテーブルセットがあるのかしら……?)
そんなことを考えながらそのテーブルに視線を伸ばすと、そこに置いてあったガラス玉の瞳を持つ人形が突然動き出した。
驚きのあまりわたしはビクリと身体を震わせたが、ああ、そういえばそうだった、と思い直す。
これは、彼女の魔法だ。自分の血を与えた人形を意のままに動かす魔法。『傀儡人形』と呼ばれる魔法だ。
彼女はこの力があったからこそ、幼いころに王太子の婚約者になった。――彼女の姉、今の王太子妃が、癒しの魔力を発現させるまでは。
そんなことを考え込んでいるわたしの前で、動き出した人形は『うんしょ』と言ってティーポットを持ち上げ、カップに紅茶を注ぐとモモに手渡す。
その紅茶を一口飲んでにっこりと笑ったモモを見て、わたしはいつの間にか詰めていた息を吐いた。
「……元気そうで安心したわ。牢屋の中の暮らしって、意外と優雅ね」
「ええ。この牢屋に閉じ込められてから、時間があったものですから。何不自由なく過ごせるようにいろいろ改造を施したんです」
なぜ、罪人であるはずの彼女に牢屋を改造するような権限があるのだろう、とは聞かずにおく。
なぜ、魔封じが施されているはずの牢の中で、魔法で人形を動かしているのかも。
――聞かないほうが、いい気がした。
「こうやって時折客人も来てくれます。牢屋にいても、退屈はしませんよ」
そう言いながら、モモはもう一度美しく笑った。
「さて、そろそろ本題に入りましょうか。アイラさんも私に、『復讐レシピ』を求めて、こんなところに来たのでしょう?」
王太子妃主催の夜会にて。シャンデリアの光がきらめく、絢爛豪華な会場で。
幼いころからの婚約者、カート・ヴィゼンに婚約破棄を宣言されたわたしは、嗚咽を漏らすまいとするようにハンカチを口に当てると膝から崩れ落ちた。
「カート様……そんな、本気でおっしゃっているの……?」
「ああ、アイラ。もちろん本気だとも! きみがリオナにしてきた仕打ちを知らないとは言わせないぞ!」
眉を勇ましく吊り上げて、わたしに鋭い視線を向ける婚約者カート・ヴィゼン。
その胸にそっと手を添えて、彼からは見えない角度でわたしに勝ち誇った微笑みを向けるリオナ・ヘッセ。
夜会に集まった人々が、突如として騒ぎ始めたわたしたちに注目している。
好奇心に満ちた視線を受けながら、ハンカチの下にあるわたしの唇は──実は、笑みの形に歪んでいる。
ついにこの時がきた、と思った。
わたしはこの時を、長い間ずっと待っていた。
今こそ、モモに授けられた『復讐レシピ』を完成させる時だ──
◇◇◇
アイラ・ザクセンの婚約者、カート・ヴィゼンは浮気をしている。
ささいなことをきっかけにそれを知ったわたしは、令嬢の間でひそやかに噂される、ある方法を試すことにした。
『王城の地下にある隠された牢屋の奥に、1年前に断罪されたとある令嬢が収容されている。恋人に裏切られ、相手に報復したいなら彼女に相談するといい。必ず、復讐の方法を教えてくれるから』
そんな噂だ。
まさか、噂を丸のまま信じ込んだわけではない。
しかし、試す価値はあると思ったのだ。
『追放された令嬢』に心当たりがないわけではなかったし、彼女ならきっと、今のわたしに必要な助言をくれるから。
だからわたしは見張りの兵に賄賂を渡し、『地下にいる令嬢に会わせてほしい』と頼み込んだ。
すると兵士は手慣れた動作で賄賂を懐に隠し、わたしに地下牢の鍵を渡してくれた。
あまりにもうまくいったものだから、拍子抜けをしてしまう。
だが地下に捕らえられているのが『彼女』であるならば、それも納得だ。
おそらく見張りの兵士自身も、『彼女』の手中にあり、わたしのような女が来たら、自分のところに案内するように指示されているのだ。
想像に難くない。『彼女』はそういう裏工作が、昔から得意だったから。
地下牢に続く階段を降りながら1年前のあの大騒ぎを思い出すと、ほんの少し胸が痛む。
わたしはあえて思い出さないように気をつけながら、一歩一歩を進めていった。
階段の終点は、特別な虜囚だけが収容される、王城の地下牢。
そこに一歩足を踏み入れると、暗かった廊下に明かりがともった。
(どうして……この牢屋には、魔封じが仕掛けられているはずなのに)
王城の下にある特別製の地下牢。ここには魔力を封じる仕掛けが施されている。
どんなに頑丈な牢屋でも、魔法を使える相手には無力だ。だから、魔力を持った相手に対してはこのような牢屋が必要なのだ。
そしてこの国では、魔力は王族と貴族の家系に生まれた者しか持たないと言われている。しかも身分が高いほど、魔力が強いとされている。
つまりここは、犯罪を犯した王族やそれに血筋の近い貴族を閉じ込めるための牢屋なのだ。
「あらあら。お久しぶりです、アイラさん」
明かりに照らされた廊下の奥。いかにも頑丈そうな牢屋の中から、澄んだ声が聞こえる。
「……そうね、モモ。本当に久しぶり」
わたしは牢屋の前まで歩み寄り、その中にいる少女に目を向けた。
ゆるくウェーブした金髪と、陶器のように白い肌。傷のついたガラス玉のように光を放つのは、桃色の瞳。
それらを持つ美しい少女が、牢屋の中で微笑んだ。
だが、見た目に騙されてはいけないことを、わたしはすでに知っている。
彼女は『獄中令嬢』とあだ名される、モモ・クルツバルグ。
1年前に王太子妃と王太子を殺そうとした罪で社交界から追放され、断罪され、魔封じの地下牢で生涯幽閉されることが決まっている、元公爵令嬢だ。
「あなたに最後に会ったのは、投獄が決まったあの裁判の日だったかしら?」
「ええ……覚えていますよ、アイラさん。あなたが最後まで、『これは冤罪だ』と主張して、私を助けようとしてくれたこと」
「……あんなの、ただの自己満足でしかなかったわ」
公爵令嬢であるモモと伯爵令嬢であるわたしは、幼いころから、顔を合わせる機会がわりと多かった。
公爵令嬢である彼女のほうがわたしより身分としては上であったが、お互い遠慮なく物を言い合える程度には、友情だってあったと思う。
だから、突然モモが王太子とその婚約者を暗殺しようとした罪で捕らえられてしまったあのとき。
わたしは彼女の罪を軽くしてもらえるよう、王太子に嘆願した。
王族への反逆容疑は立件したらろくに捜査もされない慣習だということはわかってる。
だが今回だけは、もっとよく調べてほしい。モモが、王太子の婚約者――彼女の姉を、暗殺なんてするはずないのだから。
わたしはそう進言した。
しかし、わたしのその意見を聞き入れる人間は誰もいなかった。
当時は気落ちしたが、今考えてみれば当然の話だ。伯爵令嬢とはいえ小娘一人の意見のために、王家への反逆罪が覆ることなんてありえない。
「忘れてちょうだい。わたしは結局、あなたのために何もできなかったのだから」
「いいえ。私は嬉しかったですよ。アイラさんが、私を助けようとしてくれたこと」
牢屋の中で、モモは優雅なテーブルとセットの椅子に腰かけながらそう言った。
(なんで牢屋の中にテーブルセットがあるのかしら……?)
そんなことを考えながらそのテーブルに視線を伸ばすと、そこに置いてあったガラス玉の瞳を持つ人形が突然動き出した。
驚きのあまりわたしはビクリと身体を震わせたが、ああ、そういえばそうだった、と思い直す。
これは、彼女の魔法だ。自分の血を与えた人形を意のままに動かす魔法。『傀儡人形』と呼ばれる魔法だ。
彼女はこの力があったからこそ、幼いころに王太子の婚約者になった。――彼女の姉、今の王太子妃が、癒しの魔力を発現させるまでは。
そんなことを考え込んでいるわたしの前で、動き出した人形は『うんしょ』と言ってティーポットを持ち上げ、カップに紅茶を注ぐとモモに手渡す。
その紅茶を一口飲んでにっこりと笑ったモモを見て、わたしはいつの間にか詰めていた息を吐いた。
「……元気そうで安心したわ。牢屋の中の暮らしって、意外と優雅ね」
「ええ。この牢屋に閉じ込められてから、時間があったものですから。何不自由なく過ごせるようにいろいろ改造を施したんです」
なぜ、罪人であるはずの彼女に牢屋を改造するような権限があるのだろう、とは聞かずにおく。
なぜ、魔封じが施されているはずの牢の中で、魔法で人形を動かしているのかも。
――聞かないほうが、いい気がした。
「こうやって時折客人も来てくれます。牢屋にいても、退屈はしませんよ」
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