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ガタイのいい 2m越えのおっさんの場合

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扉を開くと中は予想外に広かった。
それに思ったよりきれいで怪しい雰囲気は特にない。
ただしんとしててお客さんどころか、店員さんもいないんだけど。

「すみませーん!」

奥へ続く扉に向けて大声を出しても物音一つしない。
あれ?これって今日はやっていないって事?もしかして客を選ぶのどーのって話って、単に留守がちっていうオチなんじゃないの。
でも流石に店を閉めてるならドアのカギくらい占めておくよなぁ。うーん。
帰ろうかもう少し粘ろうか逡巡していたら、いきなり勢いよく奥のドアが開かれた。
そして現れたのは――

「おや、お客さんでしたか」
「……ひえ……」

まるで巨人っていう程の大男だった。
しかも強面+筋肉がびっしりついた体。騎士団の先輩達よりもいかつい体に思わず呆然としてしまう。
なかば冗談で考えていた悪者どものアジトっていうワードが再び頭をもたげる。
思わず後ずさりして見上げていると、大男はその顔をくしゃっと崩した。

「ああ、すみません。怖がらせてしまいました?私がマッサージ屋の店主です。今日は施術をご希望ですか?」

笑顔になるとガラッと印象が変わる。
それに話し方も丁寧だし振る舞いも落ち着いている。見た目だけで判断してしまった自分が恥ずかしくなった。

「ご、ごめんなさい。ちょっと驚いたっていうか」
「いえいえ。構いませんよ。初めての方は大抵驚かれます。自分で言うのもなんですが体もこうだし、顔も怖いでしょう。悪人のアジトに入ってしまったと勘違いされるのか、飛び上がって逃げる方も多いんです。こうして冷静に受け答えしてもらえるなんて、お客さんはまだお若いのに肝が据わっていますね」
「ははは」

全く同じような考えをしてたので、思わず乾いた笑いが出た。
そっか、見た目で苦労してるんだ。見た目の方向は全く逆だけど、そこで苦労しているってとこは俺と同じだな。そう思ったら、急に親近感が湧いてきた。

「マッサージに来られたんですよね。それではまず今凝っていたり痛めている箇所などがあれば教えてもらえますか?」

それから軽く問診をされた。
自分が騎士見習いをしていることや筋肉疲労が酷いことなどを伝える。受け答えもすごく丁寧だ。本当に見た目で判断して悪かったなぁ。

「なるほど。それでは全身マッサージを行ったほうがいいですね」
「はい。あっ、でも料金は? あまり高いなら一番疲れているとこだけでもいいかなって」
「大丈夫ですよ。初めてのお客様はサービスさせて頂いているんです。全身コースで3000ギルですね」

相場が分からないけど、思ったより高くない。
まだ見習いだし、故郷にに仕送りしてるしで余分な金はない貧乏な俺でも何とか払える額に安心した。

「よかった。マッサージなんて初めてだし、すごく腕がいいって聞いてたんでとんでもない金額だったらどうしようって思ってたんだ」
「ふふふ、腕を褒めて下さってありがとうございます。ですがこうしたマッサージ店には行ったりしないんですか?」
「んー、貧乏育ちだし贅沢かなーって今まで考えたこともなかったんだよね。でも最近は体が本当にしんどくて。何でか寝ても全然疲れが取れなくってさ。マッサージでちょっとでもマシになるならって思って来たんだよ」
「寝ても疲れが……?」
「うん。下手すると起きた後のがしんどいくらい」

店主さんは口に手を当て無言になる。
?どうかしたかな?

「……それはいけませんね。騎士団なら筋肉疲労が酷いはず。マッサージをすることで早く回復しより大きな筋肉をつけることが出来るのですよ」
「へえ、そうなんだ」
「ええ、金額以上のものを手に入れられますよ。それじゃあこちらへどうぞ」

そうして奥の部屋へと通される。施術の部屋も思ったよりも広かった。壁沿いの棚には、瓶や何かの器具が並んでる。
そして部屋の中央にはかなり大きめのベッドがでんと置いてあった。

「まず服を脱いでもらいましょうか」
「はい。上は脱ぐとして…ズボンも脱いだほうがいいんだよね?」
「ええ、もちろんです」

パンツだけになるってことか。知らない人の前で脱ぐのがちょっと気恥ずかしいけど、マッサージなら仕方ないよな。
服を指定された籠に放り込む。

「ん? 下着がまだ脱げていませんよ」
「えっ! 下着も脱ぐの?」
「当然です。全身マッサージですので。特に股の付け根にはツボがたくさんあるので、重点的に施す必要があるんです」
「そ、そうなんだ……」

マジか?マッサージってもっと気楽に受けるもんだと思ってたのに……。風呂でもないのに裸になるって、ちょっと恥ずかしいぞ。
でもそんなの常識だよって感じだしなぁ。変にごねる方がおかしいのか?う~~~、よし!
こういうのは恥ずかしがるから恥ずかしいんだ!えいっと気合で脱ぎ捨てる。

「はい、それではこちらに仰向けに寝ころんで下さい」
「う……、はい」

ベッドの上を指定される。言われた通りにしたけど。やっぱり股間が気になるよ! つい手で隠してしまう。
ギクシャクしてる俺に気付いてくれたみたいで、店主さんが声を掛けてくれた。

「ああ、裸が気になりますか? それじゃあ、タオル当てましょうか」
「あ、ありがとうございます」

ふんわりしたタオルを腰に掛けられ、ホッとする。薄手のタオルだけどあるのとないのじゃ安心感が全然違うよ。おっし、これでマッサージを楽しむ余裕ができたぞ。

そしていよいよマッサージが始まったんだけど、これが想像以上に気持ちいい。
まずは上半身からということで腕を取られ丹念にほぐされる。
力加減が絶妙で、パンパンに張っていたはずの二の腕がじんわり温まってリラックスしていくのが分かる。

うおー……、マッサージってすげえ……

思わずうっとりと堪能してしまう。目を瞑っているせいもあって眠たくなってきた。
マッサージはゆっくり位置を変えて続いていく。肩、脇、首周り、胸――……

「ん……? そこもマッサージするの?」
「はい。胸筋は大切な部位ですので、特にしっかりと解す必要があります」
「へー、そうなんだ」

確かに先輩たちの胸見るとはち切れそうなボリュームだもんなー。
店主さんは体も大きいけど手も大きくて、両手で左右の胸をそれぞれ包むようにもみ込んでいく。
その動きの最中に、ごつい親指が乳首をぴんと弾いた。

「んっ」

あ、やべ。つい声が出てしまった。
乳首を触られて声を出すなんてまるで女みたいだけど、そんなとこ別に感じたりしない。単純にいきなり触られてびっくりしただけだ。ちょっと掠っただけの事故にリアクションしちゃうって結構恥ずかしいな。

「おや、くすぐったかったですか?」
「いや、びっくりしただけだから。大丈夫。続けて?」
「分かりました」

そう促した俺は分かってなかったんだ。これが事故なんかじゃないって。
その証拠に何と店主さんは、一指し指と親指で両方の乳首をキュウッと掴み上げたのだ。
えっ、そんなところにマッサージなんて必要ある? 筋肉関係ないじゃん!
明らかに動揺した俺に店主は安心させるように説明をしてくれた。

「驚かせてしまいましたか。マッサージが初めての方にはあまり知られていないかもしれませんが、実はここは、全身の筋肉には大事な場所なんですよ。乳首が大きいと脳が女性と錯覚させるらしく、筋肉が付きづらくなるんですよ」
「ええっ!?そうなの?」
「お客様は乳輪もふっくらされていますし、乳首もかなり大きめですのでしっかり調べてみないといけません。もちろん嫌なら止めておきますが……」

店主さんはそう言うとあっけなく手を放そうとする。初めて聞く情報の数々にパニック状態だった俺には、それがまるで憧れのマッチョが遠ざかっていくように見えてしまって、とっさに引き留めてしまった。

「嫌じゃないです!」
「そうですか?先ほどからお顔も赤いですし、かなり恥ずかしがられていらっしゃるのかと思っていたのですが……、無理はされていませんか?」
「え、え~と……、へ、平気、だから。お、お願いします」
「分かりました。それでは進めていきますね」

うわ~、勢いで『うん』って言っちまった。
いや、いいんだよな。別に女でもないんだし、胸を触られるくらいなんてことない。何よりマッチョの為なら細かい事なんかどうでもいい。

自分を納得させて再びマッサージの再開を待つ。な、なんか変に緊張する……。どんな表情をしていいか分からず俺はぎゅっと目を閉じた。
俺の気持ちを余所に店主さんは丹念に胸の尖りを弄り出した。
指でぐっと押されたかと思ったら、飛び出てきた乳首をキュッと掴んでくりくり捩じる。そんなところ何とも思うはずはないはずなのに、しつこく触られている内に何だか変な気分になってきた。目を開けてみてみれば、首の先は赤くなってピンと立ち上がっている。

「ん……ふぅ……」
「……不味いですね。少し触っただけでこれだけ大きくなるとは。もしかしてお客様、筋肉がなかなかつかないってお悩みじゃないですか?」
「そうなんだ!いくら訓練してても周りの奴より細いまんまで……。えっ、もしかしてそれもこの胸のせいなのか?」
「やはり。ええ、原因の全てとは言いませんがこれも確実に理由の一つでしょうね」
「そんな!どうすれば……」

知らなかった!こんなところに原因があったなんて。
でもそれじゃあ体質みたいなもんで、筋肉は諦めるしかないってことなのか?そんなの嫌だ!
眉をへの字に下げる俺に向かって店主さんはにっこりと微笑んでくれた。

「安心ください。ちゃんと治せますよ」
「えっ、本当に!? 治したい! お願いします!」
「了解いたしました。こちらは少々特殊なマッサージになりますがよろしかったですか?」
「特殊?どんなやり方なの?」
「まず乳首が大きくなっているこの状態は、陰の気が中で詰まっていることが原因なのです。陰は女性に通じます。そのままでは男性らしい肉体には育ちづらい。それならどうしたらいいか? 答えは簡単です。それを物理的に押し出してやればいい。ただ繊細な場所ですからね。手では難しいので口で行います」
「く、くち!?」
「ええ、マッサージでは意外と使うんですよ?手よりも繊細な力加減ができますし、何より吸い出すという行為にはここが一番使えるんです」

なるほど? た、確かに、吸い出すなんて手じゃ無理だもんな。聞いてみれば納得した。

「わ、分かった。じゃあ、お願いシマス」
「痛くないので怖がる必要はありません。リラックスしてくださいね」

そういうと店主さんが俺に覆い被さるようにベッドに四つん這いになった。その視線は俺の胸に注がれている。
そして大きく口を開いたと思うと、ハムッと躊躇することなく右側の乳首に吸い付いた。

「んんッ」

にゅるりとした生々しい感触に思わず声を出しそうになり慌てて口を引き締めた。
乳を与えるわけでもないのに乳首をしゃぶられるなんて。うう、余計なことを考えたらだめだ。これもムキムキボディのためなんだから。
舌でくにくに転がされながら、思い出したようにちゅうっと吸われる。
効いているのか乳首がジンジン熱くなってきた。それに次第によく分からないけどモヤモヤした感覚が溜まっていって、なんだかじっとしていられない。おとなしく受けないとけないのに体をつい捩じってしまう。

「はぁっ、はぁっ」
「ちゅぱっ。お客様、施術中はおとなしくして頂かないと困ります」
「す、すみませえん…んあ!?」

終わったかと思ったら今度は左胸に吸い付かれて悲鳴を上げた。
怒られたばかりなのにムズムズしてじっとしていられない。体をびくつかせる俺を咎めるように解放されたはずの右乳首を指できゅっと摘まみ上げられた。

「ひゃう!」

両方の乳首を休む間もなく嬲られて、何だか堪らなくなってくる。
いつの間にか俺は縋るように店主さんの頭を抱え込んでいた。
これじゃ逆にもっと吸って欲しがってるみたいじゃん。でもこの時はそんな風に頭を使える状態じゃなかったんだ。
こ、これっていつまで続くの? なんかビリビリしたのが下まで響いて……、このまんまじゃ下半身がおかしな反応しそうで怖いんだけど。

ちゅっ、レロレロ、くりくり、ちゅぱッ。

「はあはあ」
 
やばい、まだ続くの? あううぅ、も、もう本当に無理。もうだめぇッ……!

ちゅぽんッ!

俺が音を上げたところでやっと解放された。変に力を入れてたみたいで終わった途端、体から力が抜けてくたっとベッドに全身が沈み込んだ。
眼を細く開けてみれば、乳輪はてらてら唾液に濡れぷっくり膨み、その先端はピンと上を向いて尖っている。

「ひとまずこのくらいでいいでしょうか。一度で解消するものではないので、こちらは定期的に施術を行ったほうがいいですよ」 
「は、はいぃ……」

そうなんだ。でもやる前よりもぽってり膨らんでる気がするんだけど、この治療法って本当に合ってる? これでいいの?
疑問は残るけど、店主さんはあっさり上体を起こして胸から離れて行った。ま、まあいっか。それじゃあ治療を延長しましょうなんて言われたらこっちが困るし。

店主さんはベッドの上に乗ったまま、今度は足元の方へと移動した。そして足の指から丁寧にマッサージを始めていく。
うん、やっぱり気持ちいいや。この店主さんの腕前はやっぱり本物だ。胸のアレはびっくりしたけど、やっぱ必要な事だったんだよな。

「結構凝っていますねえ。特別ローションを使ってみましょうか」
「特別ローション?」
「はい、手だけで行うよりも効果が高まるんです。初回ですし、こちらのオプションは無料でお付けしますよ」
「ふーん。じゃあ、お願いします」

ベッド横の戸棚から瓶を取り出したと思ったら、いきなりその中身をとろ~っと足にかけられ悲鳴を上げた。

「ひっ、つ、冷たッ」
「すみません。初めはどうしても驚きますよね。使っている内に熱くなってきますので」
「ん……あ、本当だ……」

筋肉を撫でるようにもみ込まれている内に、何だか体がポカポカしてきた。
ねっとりと粘度のあるローションの感触は独特で、何だか癖になりそうだ。

「いいですね。お客様の筋肉はローションと相性がいいみたいです。じゃあ次の施術に移りましょう。足を開いてもらえますか。」
「え? 足を?」
「はい。足先から絞り出した悪い詰まりを脹脛から太腿へと流しましたので、最後は股関節のところにあるツボを押して流す必要があるんです。この辺りですかね」
「うわっ!」

そう言って店主さんは俺の膝裏をグイッと持ち上げるとパカッと股を開き、自身の体をその間に入れてきた。
そして太腿の付け根のところを親指でぐっと押す。

「んんっ」
「痛いですか?ここが痛むということは詰まりがひどい証拠です。しっかり解してやらないと」
「い、痛くないよ!だからそこはやらなくて大丈夫!」
「そうですか?その割に反応が激しいようですが……」

本当に痛くはない。
でもそこを触られるのはやばい。
だって股の付け根の辺りを触られると、店主さん相手なのにアレが誤作動を始めそうなんだ!

「本当に痛まないんですか?」
「本当だって! 全然詰まってないみたいなんだ。だからソコは触らないでいいからッ」
「これでも?」
「……ッ」

ビクつきそうになったけど頑張って耐える。
いくら筋肉のためとはいえ、こんなとこでおっ立てる訳にはいかない。ここはもう放置でいいから早く次に進めてくれ~!
その後も店主さんは疑り深い性格なのか、スリスリとツボの辺りを撫でられた。口をぐっと引き絞って悲鳴を抑える。

「ほ、ほら。痛くないって分かったでしょ?」
「分かりました」

ホッと息をついたのも束の間。
気を抜いた隙をついて再び股の間を優しく撫でられ、とうとう口から悲鳴が零れた。

「ひぃっ」
「いけませんね。痛みを感じているのに隠そうとされるとは……。分かりました。お客様はツボを押す痛みに耐えられるか不安なのですね?ご安心ください。力を加減しながらシコリを流しましょう」
「止めてッ」

抵抗むなしく優しい手つきで揉まれる。むしろぐいぐい力を入れられた方がマシだった。
俺の息子はすっかりその気になったみたいで、すでに半立ち状態になっていた。

「ローションも追加しましょうか」
「えっ……ひやッ」

股の辺りにどろっと垂らされ腰が震えた。そのままぐちょぐちょと水音を立てながら弄られる。
止めてって何度も言ってるのに聞こえないのか全然手は止まってくれない。いつの間にか店主さんの手は太腿どころか、尻の肉まで揉みまくっていた。
ああ、そこだめだってぇ!玉の後ろの敏感な皮膚をつうっと撫でられ悲鳴を上げる。もうこの時には俺のモノは完全に臨戦状態になっていた。

「はぁ、はぁ……うぅ……」
「ああ、申し訳ありません。マッサージに気を取られてタオルがずれてしまってましたね」
「え?」

瞑っていた目を開けてみれば、確かにタオルは腹の方までずれていた。ただそれは当然で、立ち上がった俺のモノがタオルを引っかけてずり上げていた。薄手のタオルはローションをたっぷり吸っているようでピタリと棒に張り付いて全然隠せていない。むしろ輪郭がモロに見えて逆にやらしさが増していた。
なんじゃこりゃあああ!!
自分の酷い姿に呆然としていたら、いつの間にか店主さんはそのタオルに手を伸ばしていた。

「位置を戻しますね」
「えっ……はぅ!!」

いきなり目の前に星が散るほどの衝撃に襲われる。
何だ今の!?一瞬で出そうになったぞ?見れば店主さんはタオルの両端を掴んでいる。

「おかしいですね。どこかに引っかかってます?」
「ふわあああ」

衝撃の正体はこのタオルか!このタオルで左右に擦られていたようだ。たっぷりのローションを含んだ布で亀頭を擦られると腰が抜けそうな程気持ちいい。やばい、声が我慢できない。
店主さんは『おかしい、おかしい』と言ってタオルの動きを止めてくれない。引っかかってるブツが何かなんて一目瞭然じゃん!なんで気づかないの?そう言いたいのに俺の口からは意味のある言葉はもう出てこない。
もうアホみたいにあー、あー鳴いて腰を揺らすことしかできなかった。
だ、だめだ。もう我慢できないぃ。

「やめてッ! もう出ちゃうッ」
「どうしました? 息が荒いですが具合でも悪いんですか?」
「あ、だめだめ。いくっ。いくいく。~~~~~ッ」

今までしてきた自慰とは比べ物にならない快感に目の前が真っ白になった。
その気持ちよさを表すかのように白濁はタオルの隙間から飛び出し、自分の胸まで汚していた。

はぁはぁはぁ

部屋に俺の荒い息だけが響く。
い、いってしまった。
こんなお店の中で、マッサージ中に。マジかよ……。あまりの羞恥と情けなさに思わず目に涙が浮かぶ。

「す、すみません。俺、汚しちゃって……」
「ああ、本当ですね。大丈夫ですよ。若い方なんかだとマッサージで誤反応することは多いんです。気にしないでいいですよ」

優しい言葉に目に溜まっていた涙がポロリと落ちる。
店主さんの口調は今までと変わらなくて本当に気にしてないみたいだ。居た堪れなかった気持ちがちょっと救われた。

「ただこのままじゃ気持ち悪いですよね。これは片づけますね。」
「は、はい」

べったり水気を含んだタオルを包み、胸元の白濁も拭うとベッドの脇のカゴに入れた。
ドロドロになったあのタオルをそのまま使うのは無理だからそれはいいんだけど、隠すものがなくなった俺はまた全裸になってしまった。
新しいタオルはくれないみたいだ。
恥ずかしいけど、さっきもっと酷いところを見せたしな。それを考えると、まあいいかという気になってくる。

「それでは腿の付け根のツボは終わりましたので、次の箇所に移りましょうか」
「はい」

表側は一通りやったよな。なら次は背中かな?
そう思っていたのに、何故か店主さんの位置取りはさっきと変わらないまま。未だに俺の股の間に陣取っている。
ん?この姿勢のままやるの?でも他に一体どこをやろうっていうんだ?

ドキドキしていると店主さんはまたしても膝裏を抱え足を持ち上げた。しかもさっきより高く大きく開かれてる? えッ! な、な、なに!?
くたっと力の抜けた棒や玉はおろか、尻の穴まで見えそうな体勢にギョッとして、じたばた動いた。

「な、なにすんだよ!?」
「ああ、説明してませんでしたね。次にマッサージするのはここです」
「ひぇッ」

そうして指をぴとっと付けたのは、なんと俺の尻の穴だった。いつの間にかまたローショをつけたのか、にゅるっとした感触が中に入ってきて鳥肌が立つ。ゆ、指入れたの? この人!?

「う、嘘でしょ?」
「ああ、御存じないんですね。ここを解すことが全身の筋肉の緊張を解くのに有効なんですよ」

え? 本当に?
にわかに信じられなくて反論したいのに、そうしてる間もにゅぽにゅぽ太い指を出し入れされ、考えがまとまらない。

「素晴らしいですね。非常に柔らかい……。普段からこちらのマッサージをされているんですか?」
「そ、そんなとこ触る訳ないじゃん!」
「……天然でこれってことか? 大当たりだな」
「ンンッ」

店主さんがボソッと何か呟いたけど、指の感触に意識を持っていかれて聞き取れない。変だこれ。ゾワゾワが止まらない。それと共になぜか腰がどんどん重くなってきて俺は焦った。

「そこのマッサージはいいから! 止めてっ。お願い」
「なぜですか?」
「え、なんでって……き、汚いし……」
「ああ。私は気にしませんが、それではこれを使いましょうか」
「んあっ」

にゅるっ

何か入れられた!?
丸い球上のものを穴から入れられ指で奥へ奥へと押し込まれる。コロコロしたものが体の中を開いていく感触が堪らない。やだやだこれ。まずいってえ。

「ひうん……ッ」
「これはこの部分を浄化するエロ薬……ごほん、特殊な薬です。これで中もきれいになりますよ。ああ、溶けてきましたね。この薬は腸内を綺麗にするのと同時にローションのような粘液もたっぷり出してくれるんです。ほら滑りが良くなったでしょう」
「ふあ、はぁ、ああ」
「分かります?大して時間をかけてないのにもう指が二本入ってしまっているんですよ。非常に優秀な尻穴だ。ああ、自分で足を抱えられますか?そうです。ああ、よく見えます。もっと解してあげますからね」
「やだ。ああん」
「ああ、ここですかね。これはまたぷっくり膨れて分かりやすい。とても大事なツボを見つけましたよ。ここを重点的に責めていきましょう」
「へ、は……ああああ!」

中の一点を指で押され、腰が跳ねた。あまりの快感に腰が揺れるのを止められない。
いつの間にか竿は完全に立ち上がり、先端からだらだら涎を零していた。

「そこ触っちゃダメ。変に、変になる!」
「ツボはしっかり押さないといけません。大丈夫です。私に任せて」
「ああっ」

すりすりと優しく撫でられたかと思ったら、さらに増やされた指をバラバラに動かしがら押されて、激しく震えた。
冷静に考えれば自ら足を抱え股を開くなんてやめたらいいのに、もう快楽で頭がいっぱいになってそんなことすら考えられない。

「ああああッ」

いつの間にか俺のブツは後ちょっとでも触れば出そうな程に猛っている。
やばい、気持ちいい。出したい、出したいッ。
もうこの時には羞恥よりも出したい欲求のが強くなっていた。我慢できなくて足から手を外し、そこに手を伸ばす。
そうしたらその腕を大きな手が絡めとった。

「え、なんで」
「施術中ですよ? 何をするつもりですか?」
「あ……ぅ……、でも我慢できない」

出したくて本能からか無意識に腰がかくかく揺れる。
その刺激が穴にも伝わり頭がどうにかなりそうだ。

「いけないお客様ですねえ。そんなあなたにはお仕置きです」
「えっ? あああ!!」

そう言うと店主さんはしこりを指で挟み引っ張りながらキュウッと押してきた。その衝撃と同時に俺の棒からぴゅるぴゅるッと白濁が噴き出す。
え…、俺、今イッたの? チンコ触ってないのに?
訳が分からず、呆然と自分の体を見降ろす。

「はぁはぁはぁ」

イッたのに気持ちよさが抜けなくて、甘く疼く体には力が入らない。
足をだらしなく開いたままくったりとベッドに体を預けた。

「ふふふ、触らずにイケるとは素晴らしい。こちらで完璧に快楽を拾える体をお持ちのようだ。初めてとはとても思えませんねぇ。ほら分かります?今も私の指を美味しそうにキュウキュウしゃぶって離しませんよ」
「ひあッ」

指が俺の尻からようやく出ていく。縁が捲れたのか、ぶちゅっと下品な音が漏れた。
ぶっとい指を三本も入れられていた俺のソコは、入っていたものがいきなり無くなってぽっかり開いたままだ。

「ああ、いい感じに力が抜けましたね。しっかりリラックスできていますよ。……それでは仕上げといきますか」

開いてた穴にいきなり熱い何かがくっ付いた。
まるで媚びるように穴の縁がソレに吸い付いているのが分かる。

ナニコレ……これって、まさか……

立て続けに受けた衝撃にぐったりしていた俺の脳みそが非常事態にようやく動き出した。
見れば店主さんはいつの間にか下だけ脱ぎ捨てていた。毛むくじゃらで逞しい太腿の間には、俺のと同じとは思えないような狂気じみたブツ。凶悪な程にでかい棒は血管を浮かせてバキバキに立ち上がっていた。
それを片手で支え、あろうことかオレの尻にぴとりとくっ付けている。
待って、これって――

「やめッ……あううう!」

ずちゅううう!
俺の否定なんて物ともせずに、中に熱い塊が中に押し入る。
指よりも太いものがごりごり肉壁を抉って中を広げていく。

「あ、ああ、あ♡」
「くぅっ!柔らかいのに締め付けてくる……なんて名器だ!」

揺すりながらみちみち広げて奥の付き辺りまで進むとようやく侵入が止まった。
こんなの、こんなのもう完全にセックスじゃん!

「はあん♡ こ、こんなの、もうマッサージじゃないい……ッ」
「ふふふ、あなただってこうされるのが本当は好きなんでしょう。私の一物はでかいですからね。女性でも相当解さないと入れるのは難しいんですよ。それなのにあなたはこんな小さな穴なのに大きく口を開けてしっかり咥え込んで。痛がるどころかしっかり感じているでしょう。なんて優秀なアナルだ。ほら、こうしてじっとしても絡みつくように吸い付いてきます」
「はあ?ん、んなわけあるかっ!客相手にこんなことしていいと思ってるのか!俺は騎士見習いなんだぞ!お前なんか捕まえてやる!」

こういう悪者をやっつけるために俺は騎士を目指してるんだ!
そんな俺相手に仕掛けてくるなんて馬鹿な奴。すぐにしょっ引いてやる!
俺が鼻息荒く宣言してるのに、見下ろす店主は何故か余裕な表情を崩さない。

「捕まえるって、嫌がっている人がいるなら分かりますけど……そんな人、どこにもいないじゃないですか」
「何を言ってんだ?現に今、俺がされてるじゃないか!」
「そんなに気持ちよさそうな顔して、よくそんな台詞が言えますねえ」
「えっ……あっ?やあああ♡」

ずっと止まっていた店主のアレがいきなり激しく動き出した。
隙間なくぴっちりと俺の中を埋めているブツが動くことで、ぷっくり膨らんでいるしこりがゴリゴリ押されて声が抑えられない。

ずちゅずちゅずちゅ!

「あんあん♡ やめ、やめろっ♡」

男の胸を思いっきり押して抜け出したいのに、でかい図体はビクともしない。
こんなバカなことってない!俺は男の中の男になるつもりなのに。俺が男に組み敷かれるなんて、しかもケツにツッコまれて……気持ちいいなんて。こんなの嘘だ。

「経験がないというのは嘘でしょう。こんなに具合のいい穴、初めてだ」
「なッ!?こんなことしたことある訳がないだろっ。女の子とだってしたことないのに……んっ、ああ♡」
「とてもそうとは思えないが……もしそれが本当なら、コレは素晴らしい才能ですよ。ほら、ここが好きなんでしょう」
「んひぃぃ♡」

いきなり腰をグラインドしてきて中のしこりにごりっと当たり、体が飛びあがった。
気持ちよさを少しでも逃がしたくて手近なものをぎゅっと掴む。それは奴のシャツだったようではたから見ればまるで俺が奴に自分から縋りついているように見えただろう。
でももうこの時の俺はそんなこと考える余裕はなくなってた。
気持ちいい!なんでケツを弄られてこんなに気持ちよくなるの?分かんないけど、もう出したいっ、出るッ出るッ。

「ああ!? な、何するんだよ!」
「ふふふ、リボン似合ってますよ。とっても可愛らしい」
「いや、取って!これ、取って!」

あろうことか、店主が俺の竿の根元をリボンで結んできたのだ。嘘だろ!?
もう頭の中は出すことでいっぱいになっているのに!
俺のアレはパンパンに腫れている。似合ってるなんて馬鹿にして。どう見たって滑稽なだけだ。でも今はもうそんな事すらどうでもいい。とにかく出したい。
股間に手を伸ばそうとした途端、ガツンと再び抽挿が始まり悲鳴を上げた。

「やああ!やめろ!止めてっ!」
「すげえ、中がうねってる……。それがお願いする態度ですか?」
「ひぃっ♡ そこトントンしないでぇ。お願いします。止まってッ♡」
「くくく、どうしようかなぁ」
「いやぁぁあ♡」

出口がないのに『気持ちいい』がどんどん溜まっていく。
涙と涎で俺の顔はもうグチャグチャだ。

「じゃあ、こう言ってもらいましょうか。うまく言えたらそのお願いを聞いてあげますよ」
「わかったっ。分かったからッ♡」
「『自分は淫乱なメスです。どうか、このはしたない穴の奥に種付けをして下さい』と。さあ、言ってください!」
「はぁ!?な、なんでそんなッ」

ぐりぃ!

「ああん♡♡ 言う!言うがらあ!どまっで!」
「ふふっ、じゃあ少しだけ我慢してやるよ。さっさと言え」
「ヒグッ。……お、オレはっ、いんらんな、メスでしゅっ!は、はしたない、この穴に出してくだしゃ……」
「違うだろッ!」
「ひいんッ♡♡ おぐ、おぐに種付けしてくだしゃいっ!」
「ふふふ、よく言えました。それじゃあ、お願いを聞かないといけませんね」

やっと出せる!
俺が目を輝かせて顔を上げると、店主の黒い笑顔にぶつかった。な、なに……?
店主はニヤリと笑うとリボンに手を伸ばすことなく、俺の足を抱え直すと限界まで開かせた。そして体重を掛けるようにグイっとさらに腰を進めてくる。

「やああ!な、なんれっ♡」
「奥に出して欲しいんでしょッ。すげえ、全部入りそうだ」
「ひや、むりっ。これ以上はむりぃ♡」
「無理じゃねえ、入れるんだよ!おら!!」
「ッ!!!」

お腹の中から聞いたことのない音がしたかと思ったら、行き止まりのさらに奥まで熱の塊が入り込んで来た。
ケツに店主の毛がさわさわ当たってるのが分かる。
……あんなデカいものが根元まで入ってるって事?
あまりの衝撃に息もできず、舌を突き出す。まるで星が散っているように目の前がチカチカした。

「俺のを全部加え込む奴なんて初めて会ったぞ。おまえ騎士より男娼のが天職だろ」
「はぁ、あん♡」
「ふう。やべえなこれ。先っぽに吸い付いてくるッ。腰が止まらねえッ!」
「ああっ♡ ああっ♡ ああっ♡♡」

強すぎる快感に、縋るように目の前の巨体にしがみ付いた。
だめだ!変になる!

とちゅっ!

「あああああ!!!!」

奥を突かれた瞬間、視界が真っ白に染まった。

にゃにこれ? ぎぼちいいッ。飛ぶッ! 飛んじゃう!

すごい快感が体中を突き抜けていく。体がびくびく跳ねて足先がピンと伸びた。
それと同時に穴の中がぎゅううと収縮し奴のモノを締め付けたのが分かった。

「くぅ!堪らん!出すぞ!」

びゅうううう!!

「ああっ♡♡♡」
「ふうう……ッ」

熱い飛沫が奥に放たれたのを感じてまた声を上げてしまう。
とんとんと擦りつけられるように腰を押し付けられた後、ようやく巨体が俺から離れた。

しがみ付いていた腕や足が力なくベッドに沈んでいく。
体中がびくびく震えて、終わった後も体が甘く疼いたままだ。
そして思い出したように店主の手が結んだままだったリボンを解いた。

「んっ♡」

すると壊れた蛇口のように勢いのない白濁がどろりと零れた。
痺れた体はいう事を聞かず、白濁の後を追うように黄色い液体がショロロ……と音をたててシーツに染みを作っていく。

「これでマッサージは全て終了です。次回以降はマッサージは無料でいいですよ。ぜひ小まめに通ってくださいね」
「はい……♡」


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マッサージ師に調教されて騎士ドロップアウトコース。
その内、裏マッサージ師としてデビューするといいなぁ。



  

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