上 下
3 / 3

ほっそり美人な変態薬師の場合

しおりを挟む


ドキドキしながら扉を開けたら、中からほっそりした美形が出てきてビックリした。
女の人じゃ……ないよな?うん。背もあるし、よく見れば腕とかしっかり筋肉ついてるわ。

「いらっしゃいませ。マッサージをご希望ですか?」
「は、はいっ」

男だって分かってるのに緊張する!だってこんなきれいな人、騎士団にゃいねーもん。
聞かれるままに騎士団見習いでしごきがキツいこととか、疲れがなかなかとれないこととか答えると、にっこり笑って奥へと案内してくれた。

奥の部屋は薄暗くって、赤みのあるランプの灯りだけが灯っていた。
それに何だろ?この匂い、お香か?部屋中に不思議な香りが漂ってる。

「はい、それではここに横になって下さい。リラックスして下さいね」
「はい……」
「力を抜いて。……それでは始めますね。ああ、かなり凝ってますね」

マッサージは想像以上に気持ち良かった。それにあわせてゆったりした声聞いていたら何だかウトウトしてきた。

「ああ、寝てしまっても全然構いませんよ。終わったら声を掛けますので」
「ふわあ、すみません……」

返事ができたかどうかもあやふやなくらい。俺の意識はすぐに解けていった。



◆◆◆


ぱちゅん、ぱちゅん

部屋の中に水音が響く。

「ああっ」
「ふふ、久々の大当たりですねえ。ほっそりした若木のような肉体、張りのある筋肉……実にいい」
「はああ」
「催眠の魔術にもこんなにあっけなく掛かってしまって。真っすぐ過ぎて心配になりますね……ふっ」
「んあぁ……」

そういうと青年はずるりと自身を蕩ける穴から抜き出した。そうして現れた一物は美しい青年の見た目を裏切り、酷く大きく使い込んだ色をしている。
未だ猛っているソレを急に抜き取られ、少年の尻穴は戸惑うように閉じ切らずパクパクと蠢いてた。
青年はそんなアナルに顔を近づけるとグイっと左右に手で割り開いた。

「顔も見た目も好みで申し分ないのですが……ただひとつ残念なのがすでに開発済みというところですねぇ。こんなに簡単に開く程使いこんで。てっきり初物だと思っていたのに」

そういいながら乳首を強く引っ張る。

「んあああっ♡」
「こちらも相当躾けられてますし。ん?どうしたんです?お尻を振って」
「ん、ん♡」
「何かしてほしいなら素直に口にしないと駄目ですよ」
「ほしいっ、からぁ♡ おしりに、また入れてぇ♡」
「ふふふ、おねだりも上手ですねぇ。じゃあ、お言葉に甘えてっと」
「ああ~~~ッ♡」

先ほどまでの緩い動きとは打って変わり、ガツガツ腰を振っても少年はただただ気持ちよさそうに受け入れている。

「くぅッ。ああ……すごいです。搾り取られるッ。……はぁッ、素晴らしい名器ですね。おや、これは……雌イキまで上手にできるんですか。ああ、つくづく惜しい。できれば私が全て教えたかったですよ」
「んん♡」

少年は震えながら絶頂の余韻を楽しんでいるようだ。
それをブチ破るように、青年は入れっぱなしにしていた陰茎を再び前後に動かし出した。

「あッ♡ あッ♡」
「フッ、フッ……それで、あなたの体をこんな風に変えたお相手は誰なんです?」
「し、知らにゃい。俺、こういうの初めてだからぁ」
「そんなはずはないでしょうツ」
「んオッ! 本当!本当に誰ともしてないぃ」
「ふぅ……。ふむ、本当にそう思っている、と。そもそも催眠術中は嘘を言うのは無理でしたね。私としたことがうっかりしてましたよ。しかしそれはおかしいですねぇ。知らないんですか?あなたのここ、もう縦に割れちゃってますよ?」
「ひイイん♡ ゆ、指ですりすり、やらぁっ♡」
「ふふ、こんなにトロトロならさらに指も加えられそうですねぇ♡  え?嫌だ? それなら色々質問に答えてもらいましょうか。
ふむふむ?え?二人部屋? なるほど……朝起きても疲れている。ほう、寝る前に毎晩お茶を入れてもらっていると。ふふふ。よぅく分かりました。それでは、その方にあなたを開発してもらったお礼を贈りましょうかね」

そういうと青年はキレイな顔をにやりと歪めた。



◆◆◆

パチン

「あ?あれ?俺……」
「ああ、マッサージは終わりましたよ?ぐっすり眠られていました」

ガチでぐっすり寝ちゃったのか。マッサージの途中の記憶が全然ない。時計を見ると結構時間が経ってて驚いた。時間を掛けて丁寧にやってくれるんだなぁ。

「どうです?体の調子はおかしいところはないですか?」
「んー……」

そういえば下半身がスッキリしているような。でも体は何となく全身にだるさを感じる。鍛錬の疲れとは違うんだけど、何だろこれ?
思ったことを口にしたらニコリと笑顔で説明された。

「ああ、揉み返しですね。マッサージに慣れていない方は良くなるんです。大丈夫ですよ。一晩寝たら治まりますし、その後は体がスッキリしていますので」
「へえ~、そうなんですね」

言われてみればぐったりしてるけど、あちこち力が入らない感じはリラックスしていると言えるかも?
一晩経てば、このだるさも消えるなら悪くないか。

「ありがとうございました! ええと、お代は……」
「初回のお客様ですし、今日はサービスということで。無料で結構ですよ」
「ええっ? それはさすがに悪いですよ! そんな事してたらやってけないでしょ」
「ははは、心配してくださるなんて優しいですね。実は私の本業は薬師でして。マッサージ店はなかば趣味でやっているんです。なのでご懸念には及びませんよ。……ですが、そうですね。無料では気に引けるという事でしたら、代わりにモニターをお願いしてもいいですか?」
「モニター?」
「はい。この薬を寝る前に飲んで頂くだけです。この薬は私が作ったんですが、安眠を促すだけでなく素敵な夢を見せる試薬なんですよ。ああ、体に悪い成分は使っていないのでご安心ください。それで後日、その結果を伝えにきてくれませんか?」
「そんなんでいいんですか? もちろん協力しますよ。どんな夢見るか楽しみです!」

俺が快諾すると店主さんも綺麗な顔をニコリと微笑ませた。
趣味で開いてる店か。そういえば客を選ぶなんて噂が立っていたけど、あれは先輩達が来た時はたまたま開店していなかったってだけだったんだ。
面白い薬も貰ったし店主さんはキレイで感じがいいし、マッサージ屋もいいもんだな。感想も伝えなきゃいけないし、また来ようっと。


◆◆◆


その日の夜。
またクヨンに色々と妨害されてしまい、今日も湯舟には入れず個室シャワーだ。は~、全くクヨンの奴め。俺はざっとシャワーを浴びると、さっさと先に部屋に戻っていった。後で文句を言われそうだけど、クヨンは置いて行ったよ。
だって、店主さんに貰った薬飲まなきゃいけないしな。
あいつは本当に俺のオカンか?って言いたくなるほど何にでも口煩いんだ。薬を飲んでるとこなんて見せたら何を言われるか。
正直に話したりしたら今度はなんでマッサージ屋になんか行ったんだって、またよく分かんない説教をしてきそうだし。丸ごと秘密にしちゃえば一番楽だからな。
つーか、なんで俺がこんなにコソコソ行動しなきゃいけねーんだ。よく考えると腹が立つな。
そりゃ、クヨンの文句も心配してくれてるからってのも知ってるよ?でも流石に四六時中構われると鬱陶しいわ!
早くまた部屋替えの時期が来ないかな。あー……、そういや前もそう願ってた気がする。
それなのになんでか何回か部屋替えがあったのにいつもコイツと一緒の部屋になるんだよな。腐れ縁過ぎる。

いかん。こんなくだらねーこと考えてたらすぐに時間が経っちまう。クヨンが戻る前に薬飲まないと。
気を取り直して、貰った薬の瓶を開けてみる。
液状の薬で、ポーションみたいだ。綺麗な色だな。匂いはちょっと甘い感じ? えいっと全部煽ったけど、果物っぽい味で美味しかった。
空の瓶を片付けたタイミングでクヨンが部屋に戻ってきた。おー、ギリセーフだったぜ。
案の定、なんで先に戻ったって文句を言ってきた。

「大体、ルーは自覚が足りないんだ。周りの様子をもっと見ればもう少し警戒が――」
「分ーかったから! もーいーだろ。早く寝よーぜ……眠い……」

マジで眠たい。マッサージのだるさのせいか? あ、さっき飲んだ薬の効果もあるのかな。 確か安眠の効果があるって言ってたし。
船をこいでいる俺に慌てるような声が掛かる。

「寝る前にきちんと水分を取った方がいい。これを飲め」
「んー……」

いつものお茶だ。クヨンはいつからかシャワー上がりにはお茶を入れてくれるようになった。
疲労回復効果もあるとか言ってたっけ。ちょっと薬草っぽい風味があるけど後味は爽やか。
眠気を堪えて何とかのみきるとベッドにボスンと倒れ込んだ。

あー、どんな夢見るんだろ…楽しみだな―…






……

夜中にふと違和感に気付いて目が覚めた。
いや、目が覚めたっていうのはおかしいか。目を開けてる訳じゃないから。っていうか、瞼が開かないんだけど。なんで?力を入れても無理。あれ?力が入らない?目を開けるってどうやってたっけ?焦った俺はしばらく目のことしか気づいてなかった。でも次第に他の異変にも意識がいった。
目だけじゃない。手も足も動かせない。声も出せない。それなのに意識だけははっきりしてる。
もしかして……これって金縛りってやつ!?
そんなのにかかるの初めてだ。
俺、悪人相手には全然怯んだりしないんだけど、オバケとかは苦手なんだよなぁ。目は空かないけど瞼から透けて見える感覚で夜中だっていうのは分かる。
真っ暗な中、動けない俺、近くにはオバケが……ひぃ~~~~!!俺のバカ!想像したら余計に怖くなってきた!

と、とにかく落ち着こう。
俺は騎士になるんだ。オバケなんかにビビるもんか。すーはーすーはー。深呼吸もできないから心の中だけのエア呼吸だけど。

あれ?そもそもなんで俺起きたんだっけ?
金縛りの衝撃から何とか立ち直ると、やっと違和感に意識が向いた。
そうだ、……体を誰かに触られたような……。
え、本当にオバケ?

その時、つうっと頬を撫でられて心臓が縮み上がった。
う、う、う、嘘でしょ!? 店主さん!聞いてないよッ!いい夢どころか、オバケに会うなんて冗談じゃない!
心の中はパニック状態なのに体はピクリとも動かない。
泣きそうな気分になっていた時、俺の耳に意外な声が届いた。

「ルー…」

クヨン?
ガキの頃から毎日のように聞いている声だ。オバケじゃないのはホッとしたけど、聞いたことのない声音に心の中で眉を寄せる。

「今夜もよろしくね」

妙に甘ったるい話し方に怪訝な気持ちになったのは一瞬だった。次にクヨンが仕出かしたことに全部ぶっ飛んだからだ。
ふに。
唇に柔かい感触。続いて湿った何かが、力の入らない俺の口を割り開いて侵入してきた。
これ……、これって……、まさか、クヨンにキスされてる?
な、な、なんで?
パニックになる俺のことなんてお構いなしに口づけはどんどん深くなる。
舌をこすり合わされ、吸われ、開けっ放しの口からはどちらのものかも分からない涎が溢れた。
本当なら頭を殴って何すんだって怒鳴りたいのに言うことの効かない体はなすがまま。
しかも次第に体は有り得ない反応をし始めた。嘘だろ?
あろう事か気持ちよくなってきたんだけど!

ちゅぱっ、れろ、くちゅ り

目が開けられないから余計に唇の感覚が敏感になってる気がする。水音が頭に響いて頭が沸騰しそうだ。な、何でこんなことするんだよう……。からかってんのか?それとも言うことを聞かない俺のことが内心じゃ、めっちゃうざったくて寝てるのをいいことにいじめてんのか?
それなら悪かったから、もう本当に止めてくれ!

「はあ、はあ……」
「んっ」

どれだけ時間が経ったんだろう?
長い口づけがようやく終わり、やっと解放された。ずっと吸われてたせいか唇が腫れぼったい気がする。息は上がったままだ。

「ああ、いつまでもこうしていたい。本当にかわいい……」
「ぅん」

名残惜しいのか再び唇を塞がれた。
思わず誰だよ?と脳内でつっこみを入れてしまう。クヨンのこんなデロデロ甘い台詞聞いた事がない。しかも何で俺相手に?
男ばっかの生活が長いせいで欲求不満をこじらせ過ぎてんのか?
俺の声は相変わらず出ないけど、願いが届いたのか今度は軽い口づけだけするとすぐに離れていった。

今度こそ、終わった?
幼なじみの奇行に驚いたけど、とりあえず終わったならよかった。ほっと息をつく。
でもその安息は一瞬だった。

クヨンの手が遠慮なく俺の服の裾から入り込んできて、いきなり胸を弄ってきたのだ。
そんなとこ撫でられたって何てことないはずなのに、何これ……ビリビリする……?
ヤバい、自分の体なのになんか変だ。
両乳首をくりくり捻るように引っ張られると、体がビクンと震えた。

「んあっ」

や、やばい。俺……さっきのキスと、今の乳首の刺激だけで完璧に勃っちゃってる。
クヨンに触られてこんなになるなんて、自分の体が信じられない。このままじゃ、クヨンにバレる。もうお願いだから止めてくれ!

願いも虚しくクヨンは止まっちゃくれなかった。
それどころかズボンをずり下ろしてきた。……嘘だろ?ってか、ちょっと待て! ええ?パンツまで!?
むき出しになった尻にひんやりした空気が触れる。クヨンは器用に足からズボンやパンツを抜き取ってしまったので、俺は今、下がすっぽっぽんという間抜けな格好だ。しかも中央は臨戦体制になってる。
こ、こんなところコイツに見られるなんて!嘘だといってくれ!恥ずかしくって情けなくって、今すぐ大声上げて逃げ出したいのに俺の体はいまだに指先ひとつ動かせなかった。

「ふふ、相変わらずルーのここは可愛いね」

か、可愛い!?馬鹿にしてんのか!? そ、そりゃお前に比べりゃ小さいかもしんねえけど、平均だ!……たぶん。
とにかく! お前は体が元に戻ったらぜってー殴る!
鼻息荒く決意したがそんな俺の反抗は、次の瞬間にまたしても吹き飛んだ。

「んあッ」

コイツ!ケツの穴になんか入れてきた!?
指先ほどの球状のナニカがケツの中にぐっと押し込まれる。
それにいつの間にか腰を抱え上げられていた。俺は今も力が入らないから足はだらしなく開いたまま。つまりクヨンに向けて大股を開いているのだ。
腸内が蠢くのに合わせて玉がコロコロ位置を変えていく。それと同時に何故かけつからトロトロ何かが漏れていった。その玉は次第に小さくなり消えたかと思ったら腹の中は妙にすっきりしているのに気がついた。

なんだったんだ?
自分の体がどうなってるのか分からなくて不安になる。まさか下したりはしてないと思うけど見えない以上気になって仕方ない。
せめて瞼だけでも開かないかと奮闘してたら、次の瞬間ヌチョと尻を襲った濡れた感触に頭が真っ白になった。

「ん……レロ……んちゅ……」
「んッ」

あったかくて湿ったモノがけつの穴に無遠慮に入って来て暴れまわっている。
考えたくないけどその正体にものすごく心当たりがある俺は慄いた。だってソレってさっき俺の口に入って来たもので……。
まさか……、まさかクヨンに嘗められてる?そんなとこを?嘘だろ?

「ふあああ♡」

止めて、と言いたいのに出たのは甘えるような声だけ。
お、俺が出してんのか?この女みたいな声を?止めたいのに媚びたような声が止まらない。だって信じられないことに気持ちいいのだ。心ん中じゃ鳥肌立ててんのに体は馬鹿みたいに喜んでる。このおかしな事態を止めるために頭を働かせないといけないのに、胎の中がきゅんきゅん疼いて何も考えられなかった。

「れろ、すごく柔らかい……」

ひっ、そこで喋んないで!息が掛かってそれだけで腰が震えた。
あ、と思った時にはすでに達していた。

「はッ、はッ……♡」

嘘……。竿には全然触ってなかったのに……。
息を荒げて呆然としてる俺をよそに、クヨンは嬉しそうに話し出した。

「ふふふ、上手にいけたね。さすが俺のお嫁さんだ」

……は?
何言ってんだ、コイツ……。

「体はこんなに素直なのに、ルーはいつも俺の言うこと守ってくれないんだから。こっちはハラハラし通しなんだよ?まぁ、そこも可愛いんだけど。……でもさ」

そこで会話を止めると、クヨンはおもむろに俺の服を捲り上げ乳首をぴんと弾いた。

「ぷっくり大きくなったおっぱいも」
「ひん」

次にぺちんと尻を叩かれて。

「むっちり丸くなったお尻も」
「あっ」

最後に穴に指を二本差入れられ、くぱあと開かれた。

「俺の形に直ぐに広がってくれる健気な穴も」
「んおっ」

「ぜーんぶ俺が時間をかけて作り上げたんだ。ルーは俺だけのお嫁さんなんだから、こんな美味しそうな体、先輩達にも、知らない男にも見せちゃダメ」

男相手に嫁とか意味不明だけど、……そういう事なのか?
クヨンが何かと俺に口うるさく言ってきたのは俺のことが好きだから?だから風呂にも入るなっていったり、先輩たちから引き離したりしてきて、さらには寝込みを襲うような真似してきてるってこと?
辻褄は合う。
でも腐れ縁の長年のツレがまさかという気持ちがどうしても拭えなくって、飲み込みかねている間に事態はさらに悪い方へと進行していっていた。

「ルー、今日もお風呂に入りたいってわがまま言ってたでしょ。いつも駄目だって言ってるのに。だからお仕置きしなくちゃね。ほら、コレ。コレをいきなり奥まで突っ込んであげる」

その言葉と共にナニカが俺の穴にひたりと添えられた。
反射的に腹の中が期待するかのようにきゅうんと疼く。
待て待て!これはマズい!まさかとは思うけど嫌な予感がビシバシする!
体中にありったけの力を込めて、金縛りに抵抗した。震える唇を気合で動かす。

「……や、やめろ……」

声が出た!
絞り出した声は掠れてる上に囁くような小さな音だったけど、クヨンには届いたようだ。奴の動きがピタリと止まった。
声が出たことに勇気をもらった俺は瞼にも力を込める。そうしてやっと開いた視界に映る光景に固まった。

「ひ……」

股を広げられた先にあったのはクヨンの立ち上がったぺニスだった。
嫌な予感がしたとはいえまさかと思ってたのに、……マジかよ!
俺を好きだったってことも消化しきれてないのに、まさかコイツ俺相手にやるつもりだったのか!?

「なんで起きて……、さっきお茶を飲んだのに……」

呆然とした顔で何かを呟いているクヨンを、俺はギロッと睨みつける。

「……なに……ってんだ……テメェ……」

体がまだ動かないせいで、心ん中で吠えてる100分の一も文句が言えない。
それでもありったけの力を視線に込めてコイツのふざけた真似を非難した。
でもそれに対しての返答はない。クヨンが顔を下に向けたためどんな表情をしてるのかも分からなかった。沈黙が落ちる。
その間もこの間抜けなポーズは続行されたままだ。目と口は何とか動かせたし、気合を入れれば体もなんとか動かせそうだ。震える足を動かしてゆっくりベッドをずり上がる。くそ、ろくに動けねえ。奴は呆然としているけど、太ももを掴んだ手は俺が振り払えるほど緩んでない。足を閉じることも蹴り上げることもできねえって……。ふざけんなよ、このやろぉ~!

「……」
「……オイッ……」
「……」
「……離せよッ……」
「……」
「……」
「……」
「…………クヨン?」

ちっとも反応しないクヨンを不審に思って呼びかけると、それがきっかけになったのか、奴は俯いていた顔をガバッと上げた。
ギラギラ妙に熱が籠ってる視線が俺をまっすぐに捉える。

「……何してるって?……嫁の躾だよ!」
「ひぃッ!????」

尻の中にいきなり入ってきた熱い衝撃に、目の前が真っ白になる。
潤む目を何とか開いてみてみれば、クヨンのナニが視界から消えていた。尻にぺたりと当たる肌の感触。それに体の中に感じる強烈な熱。これって、まさか俺の中に突っ込んだって事?

「うそ……」

信じたくない。けどケツの中がデカいもので埋められている感覚は確かで、これが現実だって突き付けられる。ただ覚悟していたような痛みはなかった。
それどころかまるで喜ぶようにきゅうきゅう腹が収縮している。え? 嘘だろ? なんで気持ちいいんだよ。

「ん♡ ……な、なんで……」

完全に開き直ったクヨンはニヤリと不敵な笑顔を浮かべた。

「ふふ、不思議なの? 実はもうとっくにルーの体は俺の物に作り替えてるんだよ?俺がルーの体の中で知らないところなんて、一つもないからね。ほら、ココも好きでしょ?」

そう言ってとちゅっと中を抉られれば、目の前に星が散った。

「ああん♡」
「いい反応。寝てる時も可愛かったけど、起きてる時のルーとするの最高。百倍エロい」

とちゅっ、とちゅっ、とちゅっ!

「えっ、なに? ひゃっ、やだ、や、やめろっ♡」
「やだやだって……。こんなになってて説得力ないよ?」
「へ……あう♡」

ピンと俺のモノを指で突かれ、腰を跳ねさせる。
ぱっかり開かれた股にある俺のモノはしっかり反応し、律動に合わせてプルンプルンと揺れていた。

「突っ込まれてしっかり感じてんじゃん。ルーの体はもう女の子になってんの。入れられただけで喜んじゃう体にね」
「う、うそだっ! そ、そんな訳ないっ」
「ふふふ、緩く突いてるだけなのに涎ダラダラ零しておいてよく言うよ。素直じゃないのはいけないなぁ。聞き分けの悪い嫁にはよーく分からせてやらないと、ね!」
「ごっ!」

いろんな疑問が湧き上がったはずなのに、クヨンが容赦なく奥まで腰を進めたことですぐに弾け飛んでしまった。
やばい、これダメなやつ! 奥をゴリッとやられると腹ん中がきゅうきゅうなって目の前がチカチカしちゃう。

「あ~~~~~♡」
「ルーは僕のお嫁さんになるんだ!昔ちっちゃい頃、ずっと一緒にいようっていったら、うんって言ってくれたじゃん!
それからずっと好きなんだ!なのに騎士になりたいとか言って村を出ようとするし!
先輩達がいつもルーの事狙ってるのに全然気づかないし!
僕がどれだけルーの事守ってるか知らないでしょ!」
「らめッ…らめッ。つよいいぃ♡」

さっきからクヨンが何か叫んでるけど、俺はそれどころじゃなくて全然頭に入って来ない。
自分でするのとは比べのものにならない快感。これ以上されたら俺、どうなっちゃうの? 
想像するのも怖くって必死になって止める。

「はっ……何言ってんの。こんなに気持ちよさそうな顔して」
「き、きもちよくなんかないッ。らから、やめろっ、このへんたいっ!」
「………ふーーーん」

そう言うとクヨンは今までの激しい動きをピタリと止めた。

「……え……」
「ん?どうしたの?嫌なんでしょ。ルーに嫌われたくないしね。言う通り止めてあげたよ」

嵐のような攻めが止んで、とっさに浮かんだ考えを俺は必死に振り払う。
そうだ、こんなことされるなんて冗談じゃない。だから、がっかりしたこの気分は絶対に何かの間違いで。

「お、おう」
「ふふ、ルーは可愛いなぁ」
「キモイ事言ってんじゃねー。……ってか、さっさとコレ抜けよ」

動きは止まったものの未だにブツは俺の中に入ったまま。

「動くのを止めてあげたんだし、ちょっとくらいいいじゃない。ルーは何にも感じないんでしょ?」
「感じ?あ、当たり前だろっ。……んちゅ、や、やめろよ」

未だに体は痺れが残っている。だからキスを避けられないのも当然で仕方ないことで、んあっ!
ゆるゆると口内を舐られ優しく首筋を撫でられると、頭ん中がどんどん溶けていきそうになる。
……気持ちいい……。

「あっ、やめてよ。ルー、中をそんなに締め付けないで。こっちは我慢してるのに」
「ふえ?」
「それともルーも本当はしたいの?さっきの続き」
「し、ししたくないしっ」

でも尻の中がうねっちゃうのが止められない。ずっぽしハマった棒はずっとそこから動いてくれないから。もっと奥へ奥へと誘おうと勝手に体が反応しちゃう。
もっと欲しい。めちゃめちゃに動いて奥を付いて欲しい。

「はー…はー…♡」
「ん…ちゅッ。……ルー、顔まっか。どう?もう、降参して認める?」
「へ?」
「ルーが俺のお嫁さんになるってこと」

よめ? よめって何だっけ?
もう俺の頭は気持ちいいが9割を占めててろくに働いてくれない。全部の神経が腹の中の熱い肉棒に集中してる。
気付けば自分で腰をかくかく揺らしてた。ん…きもちい。

「よめしゃ?」
「そうだよ。俺のお嫁さん。ほらお嫁さんになりたいって言って」
「え……。でも……」
「お嫁さんにはもっと気持ちいいことしてあげれるんだよ?」
「きもちいいこと……」
「これを奥までついてあげる。それで奥の奥にたっぷり種付けして上げる」
「あうう、でもそれはダメで」

なんでダメなんだっけ? 分かんないけど嫌だったはずなんだ。

「そう、それじゃあ残念だけどもう抜くね。結婚しない相手とは生でセックスなんてできないから」
「えっ!」

動いてくれないだけじゃなくて抜いちゃうの?
そんな……そんなの、我慢できない!

「なるっ!およめしゃんなるからしてっ……ふおおおおおっ♡♡」

焦らされ続けて感度200%になったケツは、一瞬で俺を絶頂へ連れて行った。

「おおおおお♡」
「はっ、痙攣すご……ッ 」
「まっへ。いまいってるからぁ♡ 」
「嫁の我がままで、こっちは今まで散々焦らされたんだぞ? 今度はこっちに合わせてもらわないと、ね!」
「ふああ♡」

気持ちいいところから全然降りてこれなくて、震える指で必死にクヨンに縋りついた。
待ってほしいのにクヨンはちっとも止まってくれない。それどころか奥のさらに奥を攻めようとしてくる。

「あ、おぐ!そこ、いきどまりッ」
「ちがうだろ。この奥に注いでやるんだっここはお前の旦那だけが入れる特別な部屋なんだぞっ」
「おご♡」

涙と涎で俺の顔はもうめちゃくちゃだ。
でもクヨンはそんな俺の顔をうっとり見つめると、ぶちゅっと濃厚なキスをしてきた。
だめだ、コレ。ばかになるぅ……。
すき……、好き、好き、大好きだ、……これが俺の旦那様なんだ♡

「ん~~ッ。ちゅっ、んあっ♡ だして、おぐにいっぱいだしてッ♡ オレ、クヨンのおよめしゃんだからぁッ♡」
「~~~~!! 可愛すぎるッ!!」
「ああん♡♡ だんなしゃまっ♡♡」
「ッ!」

奥の奥に強く打ち付けられた後、腹の奥に熱い熱がジワリと広がっていくのが分かる。それを感じると同時に俺もぷしゅっと下半身を濡らしていた。

◆◆◆

し、死ぬかと思った……。

いくらか理性を取り戻したのはいいけど、これどうすればいいんだよ。
思いっきりやっちゃったんだけど。しかも、後半は俺の方から強請ってたような……いや、アレは焦らされて仕方なくであって!

「ルー」
「わ~~~ッ!!ななな何だよ。ってか、バカ! やめろっ。今、体に触んじゃねえっ!」

いつの間にか謎の金縛りは解けていたみたいだけど、激しいエッチのせいで今も動けず避けられない。
くそ、変にあちこち敏感になってんのに触ったりすんじゃねーよ。

「それは無理」
「は、無理って何が……」
「だって寝ているルーもめちゃくちゃ可愛かったけど、起きてて反応が見れるルー知っちゃったんだよ?無理でしょ? 一回で終わらせるなんて、我慢できるわけないじゃん」
「なっ、ふっざけんな!そもそも寝てる人間に手を出そうとすんな、この変態!」
「その変態のお嫁さんになってくれるって言った子は誰だったっけ?」
「ぐ!ああああれは、お前が、無理矢理ッ」
「ん?じゃあルーは感じ過ぎちゃって、つい叫んじゃったってことなのかな?」
「か、感じ過ぎって……あん♡」
「ふふ。ルーが素直になるまでいくらでも躾直してあげる。明日は騎士団には辞表出して、新居を探しにいこうね♡」

◆◆◆

「ふふふ 今頃素敵な夢を見てますかねえ。
次回のマッサージでは催眠術を掛けて強制的に話してもらいましょうか。ああ、楽しみだなぁ」



-----------------
幼馴染のお嫁さんコース。
(マッサージ屋さんの定期健診付き)








しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

騙されて快楽地獄

BL / 完結 24h.ポイント:99pt お気に入り:89

知らない人との体験談

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:6

異世界に落っこちたので、ひとまず露店をする事にした。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:49

裸散歩よりもコレが好き

BL / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:32

極道の密にされる健気少年

BL / 連載中 24h.ポイント:2,876pt お気に入り:1,712

音のしない部屋〜怪談・不思議系短編集

ホラー / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:3

野良烏〜書捨て4コマ的SS集

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:1

言ってはいけない言葉だったと理解するには遅すぎた。

BL / 完結 24h.ポイント:411pt お気に入り:462

宇佐美くんと辰巳さん〜人生で一番大変だったある年越しの話

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:1

同級生風紀委員長が俺専属のオナホメイドになった話

inu
大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:81

処理中です...