【完結】「運命」と番わなくても、死なない

はいじ@書籍発売中

文字の大きさ
31 / 37

番外編3:ジル君のふあん2(ジル×三久地)

しおりを挟む


in会社

ジル(……先日の夜の三久地先輩も最高だったな。まさか、俺まで潮を吹かせられるとは。ローションガーゼなんて初めて使った。まったく、先輩にはいつも驚かされる。またヤりたい)にこにこ


モブ1「ちょっと聞いてくれよ。昨日、彼女に連れて行かれて占いに行ったんだけどさ」
モブ2「あぁ、女って占いとか好きだよなー。俺も前連れて行かれたわ。なんか変な格好のオバさんが出て来て、言ってる事が胡散臭過ぎて何言われても頭に入ってこねーの。お前の方はどうだった?」

モブ1「あー、なんか。目隠ししたサラリーマンが出て来たよ」

ジル「っっっな!?(それは、まさか……!)」ヒク!

モブ2「ヤバッ、何だよソレ!」
モブ1「しかも、その人と30分手つないだ」
モブ2「はぁ!?キモ過ぎだろ!むりむり!お前の彼女、なんて占い予約してんだよ!?」カッ
モブ1「…手つなぎ占い」
モブ2「ウケる!まんまかよ!」


ジル「っく(やっぱりかーー!)」


モブ2「で、その変態サラリーマン占い師は何だって?」ワクワク
モブ1「おい、手つなぎさんは変態なんかじゃねぇよ!」


モブ2「は?」


ジル「は?」


モブ1「いや、最初は俺もヤベェ奴だと思ったけど、あの人は……本物だよ」
モブ2「本物って?」
モブ1「手つなぎさんは、俺の事を分かってくれる!」


ジル「っ!」


モブ2「な、なんだよ。お前、一体何言われたんだよ…」
モブ1「俺さ、今の彼女と付き合って一年経つんだけど。正直、まだ結婚とか考えられなくて。でも、向こうは何かある度に『結婚結婚』ってさ……昨日の占いも結婚の相性占いに行こうとかって言われて……はぁっ」


モブ2「あー。1年でソレはちょっとダリィな。でも、お前の彼女可愛かったよな?」
モブ1「うん、まぁ……顔は可愛いわ。別に性格も変なとことかねーし」
モブ2「……さては、お前、彼女に何か不満があるなぁ!?もしかして体の相性が悪いとか?あ、分かった!ちょっと気になってる女が居るとか!モテるアルファは違うねぇ」


モブ1「いや、ちっげぇよ!そんなんじゃなくて……俺さぁ、今。その誰にも言うなよ?」
モブ2「っ!なになに!?」
モブ1「俺、企業したくて…」コソ
モブ2「は!?マジ?」


モブ1「うん、だから。ちょっと、ソッチが軌道に乗るまでは……金銭的に厳しいっつーか。責任負いきれないっつーか」
モブ2「……おぉ、ガチのヤツだった」
モブ1「それがさ。なんか分からんけど地味に手つなぎさんにはバレてて。最後に彼女だけブースの外に出して俺だけに話しますって……その時に言われたのが」


----最大リスクと最大リターンを、きちんと考えて。

モブ2「ほ、ほう……」

----貴方の目標達成にどれだけの時間を要するのかシミュレートして下さい。そして、それを彼女に情報開示し、どうするのか判断を“彼女自身”に仰いで。

モブ2「……」
モブ1「『ただ彼女の場合、待てないと言われる可能性が高いです。それも込みでも、彼女の判断を仰ぐのが良いと思いますよ。別れるにしても”相手から振って貰う”がポイントですよ』って」


モブ2「え、なにそれ。コンサルの人?占いじゃなくね?」
モブ1「そうなんだよ。しかも、最後に『きっと、貴方にとっての最大リスクは”何もしない事”だと思います。勇気が必要だと思いますが、頑張ってくださいね。貴方なら大丈夫ですよ』とか言われちゃってさぁ」

ジル「……(三久地先輩なら言いかねないっ!)」

モブ1「っはぁぁぁ」
モブ2「お、おい」
モブ1「勇気貰えた」
モブ2「おぉ……、なんかスゲェな。手つなぎさんって」
モブ1「あぁぁぁ、もっかい会いてぇぇっ!正直、コンサル料ガッツリ払うから、これからの俺の独立に関して全部相談乗って欲しいっ!」


ジル「っっ!?(こ、これは……!)」


モブ2「えー、そんなん言われたら俺も行きたくなってきた」
モブ1「ん?」
モブ2「誰にも言うなよ?」コソ
モブ1「おう」
モブ2「俺さぁ、今転職考えてるんだけど……手つなぎさんなら俺の適職とか教えてくれそうだなって」


ジル(ソクッ!それは転職エージェントに相談しろっ!?)


モブ1「あー、多分手つなぎさんならやれるわ」

ジル(確かにやれそうだが!?)

モブ1「でも、今週末は手つなぎさん予約埋まってたんだよなぁ。アレなら分かるわ」
モブ2「マジで?」
モブ1「うん、今月は予約でいっぱいだった」
モブ2「……なぁ。手つなぎさんのサイト教えろよ」
モブ1「いいけど、予約できねーぞ。ほらよ」
モブ2「ありがと。ちょこちょこチェックしとくわ。空いてたらお互い報告しようぜ」

モブ1「おう、それいいな!あーぁ。また話聞いて欲しー。なんかあの人の声とか喋り方とか…良いんだよなぁ。また話してぇ」
モブ2「俺も適職診断して欲しいわー」

モブ社員(ダブルα)はステステと歩いて行ったよ!
ジルはその後ろ姿を震えながら見てる!


ジル「…もう、絶対に休日出勤は断る」


(´;ω;`)←ジルの顔(βの恋愛は不安だね)
手つなぎさん、女性には恋愛相談。男性には仕事関係の相談で人気が出ます。なにせ、言ってる事が「自己啓発本」&「ビジネス書」の中身なので。むしろ、男性にこそ刺さるのでした。



しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

アルファのアイツが勃起不全だって言ったの誰だよ!?

モト
BL
中学の頃から一緒のアルファが勃起不全だと噂が流れた。おいおい。それって本当かよ。あんな完璧なアルファが勃起不全とかありえねぇって。 平凡モブのオメガが油断して美味しくいただかれる話。ラブコメ。 ムーンライトノベルズにも掲載しております。

毒/同級生×同級生/オメガバース(α×β)

ハタセ
BL
βに強い執着を向けるαと、そんなαから「俺はお前の運命にはなれない」と言って逃げようとするβのオメガバースのお話です。

こじらせΩのふつうの婚活

深山恐竜
BL
宮間裕貴はΩとして生まれたが、Ωとしての生き方を受け入れられずにいた。 彼はヒートがないのをいいことに、ふつうのβと同じように大学へ行き、就職もした。 しかし、ある日ヒートがやってきてしまい、ふつうの生活がままならなくなってしまう。 裕貴は平穏な生活を取り戻すために婚活を始めるのだが、こじらせてる彼はなかなかうまくいかなくて…。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

Ωの不幸は蜜の味

grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。 Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。 そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。 何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。 6千文字程度のショートショート。 思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。

処理中です...