【完結】「運命」と番わなくても、死なない

はいじ@書籍発売中

文字の大きさ
36 / 37

番外編7:運命以外にはローションが必須(ジル×三久地)

しおりを挟む



in那覇空港

三久地「飛行機に乗る前に、会社の皆へのお土産を見てもいい?」
ジル「お土産……?」
三久地「そんな、本気で『仕事で来たのになんでお土産を買う必要があるんですか?』みたいな顔しないでぇ」

ジル「でも、実際仕事で来たワケですし。そう言った義理はないかと」
三久地「義理とかじゃなくて。こう、ほら。こっちで楽しかったり美味しかったモノを職場の皆にも共有しておきたい、みたいな?」
ジル「…?」

三久地「あ、全然納得出来てない顔してるね。ジルに納得できるように説明するなら……そうだな。こういうのも人間関係の潤滑油に必要なんだよ。今後も、何かお願いする事とか迷惑をかける事もあるだろうし」
ジル「…?」
三久地「あれ、これでもダメか…」
ジル「あの、三久先輩。もう」

三久地「あ、じゃあこういうのはどう?ジルはΩの運命の人とセッ〇スする時、ローションって使ってた?」
ジル「え、え?そ、それはどういう」あわあわ
三久地「(ジルが慌ててる姿って珍しいなぁ)ごめんね、言いにくいだろうけど答えて」

ジル「あ、あの……使って、ません」おろおろ
三久地「うん、そうだね。運命同士のアルファとオメガなら、そんなのなくても大丈夫だと思う。……じゃあ、俺には?」
ジル「……あ、あ、えっと」おろ

三久地「俺には?」じっ
ジル「つ、つかいます」おろ
三久地「そうだよね。俺はΩじゃないから自然には濡れないし、使わないと多分流血沙汰になると思う。……そういう事だよ」にこ
ジル「どういう事ですか!?」

三久地「だから、人間関係も同じって事。ジルの周りに居る人は、みんな運命でもなんでもないベータだと思って。だから、思いやりや気遣い、優しさっていう潤滑油が無いとお互い痛い目をみるってこと」
ジル「……運命でもないベータは、潤滑油が無いと血が」

三久地「(やっと納得した顔をしてくれた)ほら、ジルも一緒にお土産を買おう」
ジル「はい」
三久地「あ、あれなんか美味しそう。自分の分も買っていこうかなぁ」にこ
ジル「……」すっ
三久地「え、ジル?」

ジルは三久地が「おいしそう」と言ったお土産を手に取ると、そそくさとレジへと向かったよ!
そして――

ジル「はい、三久地先輩」にこ
三久地「あ、えっと」
ジル「どうぞ」にこ
三久地「あ、あ、あの、ジル?俺への潤滑油はもういいんだよーー!?」真っ赤!

もうたっぷり使われてるからね!
でも、ジルのこういう真っすぐなところが、どうしても嫌いになれない(むしろ好き)な三久地先輩でした!

おまけ
三久地「だーかーらぁ!会社の、会社の人に買うんだよ!?」真っ赤
ジル「わかりました。じゃあ、荷物になるのが嫌なのでAma〇onで注文しときます。大丈夫です。俺、プライム会員なので明日には届きますので」スン
三久地「……こんな水より薄い潤滑油ある???」


しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

アルファのアイツが勃起不全だって言ったの誰だよ!?

モト
BL
中学の頃から一緒のアルファが勃起不全だと噂が流れた。おいおい。それって本当かよ。あんな完璧なアルファが勃起不全とかありえねぇって。 平凡モブのオメガが油断して美味しくいただかれる話。ラブコメ。 ムーンライトノベルズにも掲載しております。

毒/同級生×同級生/オメガバース(α×β)

ハタセ
BL
βに強い執着を向けるαと、そんなαから「俺はお前の運命にはなれない」と言って逃げようとするβのオメガバースのお話です。

こじらせΩのふつうの婚活

深山恐竜
BL
宮間裕貴はΩとして生まれたが、Ωとしての生き方を受け入れられずにいた。 彼はヒートがないのをいいことに、ふつうのβと同じように大学へ行き、就職もした。 しかし、ある日ヒートがやってきてしまい、ふつうの生活がままならなくなってしまう。 裕貴は平穏な生活を取り戻すために婚活を始めるのだが、こじらせてる彼はなかなかうまくいかなくて…。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

Ωの不幸は蜜の味

grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。 Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。 そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。 何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。 6千文字程度のショートショート。 思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。

処理中です...