ルルの大冒険

あおいろえんぴつ

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ホワイトシティ

宝物

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(き、効いてない…)


「化け物が…」


「さあ!どうした!?
もう終わりか!?」


(ぐっ…
せめて、白刀があれば…)


(赤ゴリラが重く感じてきた…
そろそろ、限界…)


「エマ、私はこれにかける。」

ナギの腕が再び白く輝き出した。


「!?」

「姉貴、、、
まさかそれは六水晶を…」



「これしかない。」


「ダメた!姉貴はその必要はない!
まだあたしの方が…」


「妹にそんな大役任せるわけないでしょ?
それに、エマにはまだやるべきことが
沢山あるはずだから…」



「そういう姉貴だって!!
ベストナインという立場だろ!!
私を…私を1人残して置いていく気!?」


「すまない…   
許してくれ。
私は宝物を失っては生きていけない。
死んだも同然なんだよ。
だからお前という唯一無二の妹を…
仲間のみんなを失う訳にはいかないんだ。
だから、
仲間を守るために私は今ここで!」


ナギは髪を結び動きやすくした。


(姉貴、その髪型は…
かつてルー姉が私たちを守ってくれた時にした同じ髪型…)



両手の親指、中指、小指を伸ばしたまま
両手を合わせた。



(六水晶だと?
これは俺が見たことの無い
封印術…)

リルはいち早く動いて逃れようとした。



「霧縛り!!」


「ぐっ!!」


「姉貴ー!!
捕まえたぞ!!!
今のスタミナからして長くは持たない!
頼む!!」


エマはボロボロ泣き始めていた。



(ありがとう。エマ。)


(これは氷の化身…)


「六水晶!!!」


するとその時同時にエマはナギに
技を放った。


「霧幻世界!!」


辺り一面霧がかかった。




ナギは分身体を封印したが
自分は無事なことに驚いた。

「どうして…」


「姉貴1人でいかせるわけには
いかない…
おかげでもうリタイアだが、、、
姉貴と死別するより千倍ましだろ!?」



「エマ、、、
私に何したの?」



「霧幻世界。
いわゆる、幻覚技。
だが、自分のエネルギーが無限だと
錯覚するため実際には致命的な体力を
使っているのに気が付かないという技。
まあ、、、
これ使うと使用したものはしばらく
動けないから最後の取っておきなんだけどね。」


「エマ…」


「もう…
二度と置いていこうとしないでくれ。
お姉ちゃん…」


エマはナギに抱きついた。


(ナギ…)


「ああ。
すまなかった。
ありがとう。」





「やれやれ、、、
お前たち2人においしいとこ
持って行かれちまったぜ。」



「全くだね。まあ、、
みんな無事だし言うことなしじゃん?」


「ああ…
全くだ。」


(さあて。
こっちは終わったぜ。
バカ野郎…
まさか負けたりしないだろうな…)

黄金丸は天白湖の方を見つめながら
リズたちの心配をしていた。

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