Prisoners(千年放浪記-本編4)

しらき

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 国民の生活を元に戻すらしい。食と芸術の国ヴァッフェルらしく華やかな生活を推奨し、観光客の受け入れも再開するとのことだ。ホルニッセ王子の失踪に伴い不謹慎だからといった理由で禁止されていた娯楽たち…規制からの解放で国民は喜ぶだろうけれど内部の者だから知っている、ホルニッセ王子はまだ発見されていない。ということは国はこの件を諦めたということだろうか。しかし喪に服すわけでもなくむしろ娯楽を解禁する…そもそも王子が失踪したくらいで派手な暮らしが規制されるというのもおかしな話だったのではないか。突如現れたPiece Noireが手掛けたアーティスト…、上手く規制されないような活動を行っていたようだけど…。烏丸は国との繋がりもある…。いや、私の考え過ぎだろうか。
「あーあ、ついに父上もあれを諦めたか。そうだよ、あんな出来損ないのために経済を止める必要はなかったんだ。」
「アルフォンス様…!」
「父上が匙を投げたのなら別にあれをなんと呼ぼうが僕の勝手だろう。」
「…まさか本当に国王陛下がホルニッセ様を見捨てたとお思いなのですか?」
「おいおい、お前はそんな愚か者だったか。父上の行動を見れば明らかだろう。」
「…お言葉ですが陛下はかつて最愛の王妃様を失った身。これ以上家族を失いたくないとお考えになるのが道理では。」
「…僕の前でその話はするなと言ったはずだ。」
「では王子は自身のお父上が家族を見捨てるような非情な人物であると判断されるのですね。」
「…あいつは別にいいんだ…」
「あなたがた兄弟の関係の話をしているのではありません。陛下にとってはどちらも大切な家族でしょう?仮にアルフォンス様の言う通り陛下がホルニッセ様に失望しているのならとっくに王位継承権を剥奪しているはずです。」
「だからそれは慣習が…!」
「“ ツァハリアス家の長男に与えられる”のでしょう?こんなことを言うのは不敬ですが、例えば王家の息子をあなた1人にすることだって出来るはずです。」
「…!」
「陛下はホルニッセ様を見捨てたりしないはずです。アルフォンス様、身近な人間を大切に出来ないような者は良き君主にはなれませんよ。」
「っ!うるさい!さっきから黙って聞いていればこの僕に対して不敬なことばかり言いやがって!今すぐここから出てけ!」
「…わかりました。」
予想通りの反応だ。もしかしたら首が飛ぶかもしれないけれども、ついに言ってやったと思った。それにしてもアルフォンス様は何故頑なにホルニッセ王子のことを嫌うのだろう。王妃様の死が何か関係あるのだろうか。いや、今はそんなことを考えている場合じゃない。大きな地雷を踏み抜いてしまったゆえきっと傷の修復も困難になるだろう。

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