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第四章
第30話『迷惑行為は、これで一件落着』
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「え、えぇ!?」という反応は想定通りだった。
しかし、フローラの予想通り物事がトントン拍子に進んでいき、拘束された男はそのままギルドへ受け渡すことができて終わり。
さすが受付嬢の皆様、混乱しつつも書物を素早く探してきたと思えば情報を照らし合わせて迅速に対応してくれたのは、本当にありがたい。
で、一応の状況と事情説明を終えた俺たちは建物内の一角にある、長ソファと長机のある小休憩所で体を休めている。
「説明より、移動の方が大変だったわ……」
「そうか?」
「そうよ」
たぶん言葉通りの意味ではない。
というのも、移動開始方到着まで全くと言っていいほど時間がかかっていない話のことだろう。
俺はあの人を抱えながら駆け、フローラはメノウに背負われて移動していた。
自分でも想像以上の速度で走ることができて驚いたし、メノウに背負われるフローラは「ひぃやぁああああああああああっ!!!!」と叫びまくっていたことが原因だろう。
「もう少しここから動きたくない」
「とりあえずは、そうするか」
セリナはともかく、メノウは今すぐにでも動きたそうな感じでソワソワしたり回りに目線を送っている。
動きたくないフローラを宿まで運ぶ、という案もあるが、たぶんその状況すらも避けたいということだろうな。
「じゃあ今日の予定だけ決めておくか」
「狩りですか!」
「行くとしたら、フローラを宿まで送った後だな」
「ごめんなさい。その流れだったら、わたしを抜きに考えてもらえると助かるわ」
「夕日を拝むには、まだまだ時間があり余りすぎているからな。別の方向も考えるか」
実はちゃっかり、モンスターを討伐しまくっている間に各素材を集めまくっていた。
それを俺とセリナで、なんやかんやして持ち帰り、男を引き渡すついでに換金したからお金がすんごいある。
食事以外にも、セリナやメノウの服――って、一緒に変えられるなら買わなくてもいいのか。
「狩りは明日もできるし、どうせだったらフローラの剣と盾を探しに行くか」
「え?」
「別に明日でもいいけど今日揃えておいた方がいいと思って。お金もほら、沢山稼げたし」
「たしかに今日中に揃えておけたら嬉しいけど、さすがにお金は自分で出せるよ」
「いやいや、遠慮するなって。仲間なんだから、みんなで稼いだお金はみんなで使うものだろ?」
「……ありがとう」
たしかにお金だけの話なら、たぶん本当に自分で出せるんだと思う。
でもどうせ時間がないからと吟味せず、安いもので済ませようとするに決まっている。
「フローラは剣と盾を得意としていたのね」
「ええ。最初は剣だけだったけど、誰かさんと一緒に戦っていると2つの防御手段があったら便利と思って」
「そうなんだ。なんとなく想像できるかも」
「ふふっ、セリナが言うとわたしの選択は間違っていなかったようね」
「本人には言っていないのね」
「ええまあ、伝えたら謝られそうだし」
「それはそうね」
という、初めて聞く話がセリナとフローラの間で繰り広げられている。
フローラにも相棒的な存在が居たんだなって思いながら、俺と同じように話を理解できていないメノウと目が合って首を傾げる。
しかしメノウは何を思ったのか、ニコッとお笑いながら同じく首を傾げた。
かわいらしい行動ではあるが、まあ……メノウも何の話をしているのかわかっていないんだろう。
「この後の時間が街歩きなら、もう行けるわ」
「じゃあ行くか。と言っても道案内はよろしく」
「はい、お任せあれ」
俺たちは立ち上がり、ギルドを出て街中を歩き始める。
「それにしても相変わらずな街並みだよな」
「と言うと?」
「フローラからすれば、もう慣れ親しんだ風景だったな。だが、俺が訪れたときは――もう何年前だったから憶えてないが、王都よりも活気あるし賑やかだなって印象だった」
「あー、たしかにそうかも。わたしも最初は同じ印象だったもん」
「あんな誇り高き騎士団の副団長が、今じゃ立派な街の住人であり冒険者だもんな」
「何よそれ、どういうこと?」
「安心してるんだよ。行先も言わずに王都を去って、それを知ったのは数日後で挨拶もなかったわけだし」
「根に持ってるってことね」
「そりゃあ、そうだろ」
昨日まで命を預け合って戦っていた仲間が、姿を見せないと思ったら脱退していて既に王都に居ないって。
さすがに心配したし寂しかった。
探しに行こうにも騎士団の役割を放棄するわけにもいかなかったし、何か理由をつけてザワくつ心を抑え込むので必死だったんだぞ。
「まあいいさ。こうして、また一緒に戦えるんだ。全てを水に流そうじゃないか」
「そうしてもらえると嬉しいけど。でも、わたしだって再会してから驚きの連続で心が忙しいわよ?」
「いやいや、それはどっちかといったらメノウとセリナが原因だろ」
「否定はしないけど、アレンだって人間を辞めているのだから逃げようとしても無理よ」
「主様はわたくしたちと一心同体です!」
「くっ、そうだよな、そうだよな。言い逃れはできないよな」
力を手に入れて喜ぶことばかりだと思っていたのに、自分を自分が信じられないことになるなんて思ってもみなかった。
てか、今更だけど聖剣と魔剣を一緒に契約できるってなんだよそれ、いろいろとおかしいだろ。
「そういえば、3人は何かを買う予定は? メノウとセリナのお洋服とか」
「俺はなしだな。服は見ておきたい気分ではある」
「主様の様変わりしたお姿、興味があります!」
「私とセリナは、能力で衣類を変形させたり修復ることができるの。それに武器は自分のものがあるし、大丈夫よ」
「そういうことじゃない、と言いたいけど、その通りだからお任せするしかないわね」
と、言い終えたフローラは足を止めた。
「ここよ」
体の向きを変え、目線の先に【武具店】とわかりやすく書かれていた看板が立てかけられていた。
「さあ行きましょ」
と、慣れている感じで歩き出すフローラに、俺たちも倣い歩き出した。
しかし、フローラの予想通り物事がトントン拍子に進んでいき、拘束された男はそのままギルドへ受け渡すことができて終わり。
さすが受付嬢の皆様、混乱しつつも書物を素早く探してきたと思えば情報を照らし合わせて迅速に対応してくれたのは、本当にありがたい。
で、一応の状況と事情説明を終えた俺たちは建物内の一角にある、長ソファと長机のある小休憩所で体を休めている。
「説明より、移動の方が大変だったわ……」
「そうか?」
「そうよ」
たぶん言葉通りの意味ではない。
というのも、移動開始方到着まで全くと言っていいほど時間がかかっていない話のことだろう。
俺はあの人を抱えながら駆け、フローラはメノウに背負われて移動していた。
自分でも想像以上の速度で走ることができて驚いたし、メノウに背負われるフローラは「ひぃやぁああああああああああっ!!!!」と叫びまくっていたことが原因だろう。
「もう少しここから動きたくない」
「とりあえずは、そうするか」
セリナはともかく、メノウは今すぐにでも動きたそうな感じでソワソワしたり回りに目線を送っている。
動きたくないフローラを宿まで運ぶ、という案もあるが、たぶんその状況すらも避けたいということだろうな。
「じゃあ今日の予定だけ決めておくか」
「狩りですか!」
「行くとしたら、フローラを宿まで送った後だな」
「ごめんなさい。その流れだったら、わたしを抜きに考えてもらえると助かるわ」
「夕日を拝むには、まだまだ時間があり余りすぎているからな。別の方向も考えるか」
実はちゃっかり、モンスターを討伐しまくっている間に各素材を集めまくっていた。
それを俺とセリナで、なんやかんやして持ち帰り、男を引き渡すついでに換金したからお金がすんごいある。
食事以外にも、セリナやメノウの服――って、一緒に変えられるなら買わなくてもいいのか。
「狩りは明日もできるし、どうせだったらフローラの剣と盾を探しに行くか」
「え?」
「別に明日でもいいけど今日揃えておいた方がいいと思って。お金もほら、沢山稼げたし」
「たしかに今日中に揃えておけたら嬉しいけど、さすがにお金は自分で出せるよ」
「いやいや、遠慮するなって。仲間なんだから、みんなで稼いだお金はみんなで使うものだろ?」
「……ありがとう」
たしかにお金だけの話なら、たぶん本当に自分で出せるんだと思う。
でもどうせ時間がないからと吟味せず、安いもので済ませようとするに決まっている。
「フローラは剣と盾を得意としていたのね」
「ええ。最初は剣だけだったけど、誰かさんと一緒に戦っていると2つの防御手段があったら便利と思って」
「そうなんだ。なんとなく想像できるかも」
「ふふっ、セリナが言うとわたしの選択は間違っていなかったようね」
「本人には言っていないのね」
「ええまあ、伝えたら謝られそうだし」
「それはそうね」
という、初めて聞く話がセリナとフローラの間で繰り広げられている。
フローラにも相棒的な存在が居たんだなって思いながら、俺と同じように話を理解できていないメノウと目が合って首を傾げる。
しかしメノウは何を思ったのか、ニコッとお笑いながら同じく首を傾げた。
かわいらしい行動ではあるが、まあ……メノウも何の話をしているのかわかっていないんだろう。
「この後の時間が街歩きなら、もう行けるわ」
「じゃあ行くか。と言っても道案内はよろしく」
「はい、お任せあれ」
俺たちは立ち上がり、ギルドを出て街中を歩き始める。
「それにしても相変わらずな街並みだよな」
「と言うと?」
「フローラからすれば、もう慣れ親しんだ風景だったな。だが、俺が訪れたときは――もう何年前だったから憶えてないが、王都よりも活気あるし賑やかだなって印象だった」
「あー、たしかにそうかも。わたしも最初は同じ印象だったもん」
「あんな誇り高き騎士団の副団長が、今じゃ立派な街の住人であり冒険者だもんな」
「何よそれ、どういうこと?」
「安心してるんだよ。行先も言わずに王都を去って、それを知ったのは数日後で挨拶もなかったわけだし」
「根に持ってるってことね」
「そりゃあ、そうだろ」
昨日まで命を預け合って戦っていた仲間が、姿を見せないと思ったら脱退していて既に王都に居ないって。
さすがに心配したし寂しかった。
探しに行こうにも騎士団の役割を放棄するわけにもいかなかったし、何か理由をつけてザワくつ心を抑え込むので必死だったんだぞ。
「まあいいさ。こうして、また一緒に戦えるんだ。全てを水に流そうじゃないか」
「そうしてもらえると嬉しいけど。でも、わたしだって再会してから驚きの連続で心が忙しいわよ?」
「いやいや、それはどっちかといったらメノウとセリナが原因だろ」
「否定はしないけど、アレンだって人間を辞めているのだから逃げようとしても無理よ」
「主様はわたくしたちと一心同体です!」
「くっ、そうだよな、そうだよな。言い逃れはできないよな」
力を手に入れて喜ぶことばかりだと思っていたのに、自分を自分が信じられないことになるなんて思ってもみなかった。
てか、今更だけど聖剣と魔剣を一緒に契約できるってなんだよそれ、いろいろとおかしいだろ。
「そういえば、3人は何かを買う予定は? メノウとセリナのお洋服とか」
「俺はなしだな。服は見ておきたい気分ではある」
「主様の様変わりしたお姿、興味があります!」
「私とセリナは、能力で衣類を変形させたり修復ることができるの。それに武器は自分のものがあるし、大丈夫よ」
「そういうことじゃない、と言いたいけど、その通りだからお任せするしかないわね」
と、言い終えたフローラは足を止めた。
「ここよ」
体の向きを変え、目線の先に【武具店】とわかりやすく書かれていた看板が立てかけられていた。
「さあ行きましょ」
と、慣れている感じで歩き出すフローラに、俺たちも倣い歩き出した。
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