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第四章
第25話『課題解決とは言えずとも』
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「ふえ~、さすがに疲れたよぉ」
「さすがに連戦は辛いね」
「どこかで休憩したい」
3人は剣を杖のようにしたい気持ちを堪えつつ、和昌もまた同じ心境で足を進めている。
「【バルンスライム】と連戦するなんて、俺だって想像できなかった」
と軽く愚痴を零す和昌であったが、ダンジョン災害の影響をヒシヒシと感じ始めていた。
強敵との連戦で疲弊してしまっている一行であったが、勝利のご褒美かのように他モンスターの姿がない。
警戒は怠っていないものの、呼吸を整えるには絶好の機会となっている。
「このまま進んで行って、目的の窟蒼透石鑛石を探すんだよね」
「そうなるな」
「探してる最中は大丈夫だとしても、採掘しているときって危なそうだよね~?」
「どうなんだろ。このままモンスターが出てこないんだったら、どっちも大丈夫そうな気もするけど」
「まあズルい考えだけど、俺の盾に入りながら採掘するっていう手を使ってもいいんじゃないか。時間は掛かるかもしれないが」
「最終手段としてはあり」
歩く最中にそれぞれの呼吸が整い、もはや遠足状態になりつつある。
しかし本当に遠足になることはなく、空いている時間を有効活用。
「連携なんだけど。基本的には今の戦い方がいいんじゃないかな」
「うんうんっ。安定感が上がったと思う」
「そうね、盾で防いで隙を作る。そして、私たちが攻撃する」
「ディフェンダーとアタッカーを分けるのはいいと思う。ゲームだと役割がハッキリしている方が円滑に回るから」
「だな。それで、いざとなったら俺も剣で加勢する」
「ドバーッて薙ぎ倒しちゃうんだね」
「そんな感じ」
和昌は鞘から剣を抜き出し、眺める。
「この剣、値段が半端じゃないってのは置いておいて。切れ味と威力も凄いからありがたい」
「建造物が壊せなかったり、威力の調整ができなかったり~とかあるけど、値段に見合った武器だよね」
「値段に見合っているかはわからないけど、剣と盾で弱点を補っている感じがするよねー」
「手に入れたところは違うから、本当に偶然なんだけどな」
「使ってない私にもわかる。大袈裟かもしれないけど、その2つがあれば1人で第一級探索者と並べると思う」
「それはたしかに大きく出たな」
何を斬るわけでもなく、和昌は剣を振り回して行き先へかざす。
「そもそも第一級探索者ってどんな人たちなのかわからない。後、武器と防具が第一級だとしても使用者が未熟者すぎて使いこなせてないんだけどな」
拝んだことのない高みを想像する。
和昌は謙遜ではなく、驕ることなく自身は底辺も底辺と思っており、レア装備を手に入れただけで身の丈以上のことを望んでいない。
ゲーム配信者として活動していたときも、現在と同様の状況は何度も経験しているが、物語を堅実に進めてきた。
毎日コツコツをモットーにしていた和昌らしいプレイスタイルであるが、今回も同様の道を辿ろうとしている。
後は、単純に上の存在を姿かたちは把握していなくても、知るキッカケがあったからというのもある。
「どうにか、もっと幅を増やしたいものなんだけどな」
「難しいよね。ゲームでもそうだけど、弱点を補うぐらいなら複数の武器を所持するし、弱点が目立たない武器に切り替えたりするし」
「わっかるー。最初は堅実に~、でも途中から尖った武器に~、でも最後は堅実に~」
「うんうん。結局は剣と盾で安定するんだよね」
「ソロゲーしすぎだろ」
「まあ、さすがにパーティ組むときは火力出る武器にするけど」
「ソロだと、1人で完結するのは正義になりやすいからね」
「言いたいことはわかるけど」
当然、こんなゲームだけの話で盛り上がっているから真綾は拗ねている。
でも楽しそうに話している空間を崩さないよう、できるだけ笑顔で相槌だけを打っていた。
しかし、話題に入りたい一心でとんでもない提案をする。
「ねえねえ、もしもなんだけどさ」
「ん?」
「剣の効果を盾に付与させたり、盾の効果を剣に付与したりってできないのかな?」
真綾は素朴な疑問を言葉にした。
それも、『凄い×凄い=超凄い』という超謎理論を元にして。
突然そんなことを言い出すものだから、3人は目を点にして足を止めた。
「そんなのできたら、冗談抜きのチート武器になっちゃうよ」
「まあでも、有効活用するためにも矛と盾で能力をぶつけあうことができないなら、合わせちゃおうっていうのは有りなんじゃない?」
「本当にそれができるんだったら、本当に凄いけど――でも、今はそこまで時間があるわけじゃない」
「だよねー。鑛石を採掘するだけじゃなく、加工して武器にするんだもんね」
会話に一段落点け、一行は再び歩き出す。
「なんだか今になって、ワクワクしてきた」
「急にどうしたのよ」
「芹那は期待に胸が躍らないのか? あれだぞあれ、二刀流! ゲーマーだったら一度は憧れるだろ」
「あー、まあね。男の子だねぇ~」
「シュッシュッて感じ?」
「高速数連撃! 防御をするときは二振りで! 戦闘開始前の抜刀、戦闘終了時の納刀のどちらもかっこいい! 鞘を固定するのはどこにしたらいいのか、両方腰、両方背中、はたまた片方ずつとか腰の後ろとか!」
「うお~、興奮してるね~」
「私はわかってあげられるよ。できれば漆黒の装備で統一したりしてね」
「ああそうだ! 色の統一もいいよな! まあでも、俺の場合は紅と蒼になりそうだから、どんな感じがいいんだろう」
和昌は鼻息荒く興奮している。
ありのままの自分を曝け出している状態で、表情も変幻自在に変わり続け、体全体で感情を表現していた。
「そろそろ落ち着いて」
「――お、おう。もうここまで来たのか」
「次の階層で例の物を探すんだから、また気を引き締め直さないと」
「ああ、そうだな。ここまでも、ここからも完全初見。油断大敵が冗談で済ませなくなる場所だ。みんな、一番は自分の命とみんなの命。俺が危ないと思ったら即時撤退する」
「だね」
「うんっ」
「うん」
「よし、行こう」
決意新たに、一行は第15階層へ続く階段を下り始める。
「さすがに連戦は辛いね」
「どこかで休憩したい」
3人は剣を杖のようにしたい気持ちを堪えつつ、和昌もまた同じ心境で足を進めている。
「【バルンスライム】と連戦するなんて、俺だって想像できなかった」
と軽く愚痴を零す和昌であったが、ダンジョン災害の影響をヒシヒシと感じ始めていた。
強敵との連戦で疲弊してしまっている一行であったが、勝利のご褒美かのように他モンスターの姿がない。
警戒は怠っていないものの、呼吸を整えるには絶好の機会となっている。
「このまま進んで行って、目的の窟蒼透石鑛石を探すんだよね」
「そうなるな」
「探してる最中は大丈夫だとしても、採掘しているときって危なそうだよね~?」
「どうなんだろ。このままモンスターが出てこないんだったら、どっちも大丈夫そうな気もするけど」
「まあズルい考えだけど、俺の盾に入りながら採掘するっていう手を使ってもいいんじゃないか。時間は掛かるかもしれないが」
「最終手段としてはあり」
歩く最中にそれぞれの呼吸が整い、もはや遠足状態になりつつある。
しかし本当に遠足になることはなく、空いている時間を有効活用。
「連携なんだけど。基本的には今の戦い方がいいんじゃないかな」
「うんうんっ。安定感が上がったと思う」
「そうね、盾で防いで隙を作る。そして、私たちが攻撃する」
「ディフェンダーとアタッカーを分けるのはいいと思う。ゲームだと役割がハッキリしている方が円滑に回るから」
「だな。それで、いざとなったら俺も剣で加勢する」
「ドバーッて薙ぎ倒しちゃうんだね」
「そんな感じ」
和昌は鞘から剣を抜き出し、眺める。
「この剣、値段が半端じゃないってのは置いておいて。切れ味と威力も凄いからありがたい」
「建造物が壊せなかったり、威力の調整ができなかったり~とかあるけど、値段に見合った武器だよね」
「値段に見合っているかはわからないけど、剣と盾で弱点を補っている感じがするよねー」
「手に入れたところは違うから、本当に偶然なんだけどな」
「使ってない私にもわかる。大袈裟かもしれないけど、その2つがあれば1人で第一級探索者と並べると思う」
「それはたしかに大きく出たな」
何を斬るわけでもなく、和昌は剣を振り回して行き先へかざす。
「そもそも第一級探索者ってどんな人たちなのかわからない。後、武器と防具が第一級だとしても使用者が未熟者すぎて使いこなせてないんだけどな」
拝んだことのない高みを想像する。
和昌は謙遜ではなく、驕ることなく自身は底辺も底辺と思っており、レア装備を手に入れただけで身の丈以上のことを望んでいない。
ゲーム配信者として活動していたときも、現在と同様の状況は何度も経験しているが、物語を堅実に進めてきた。
毎日コツコツをモットーにしていた和昌らしいプレイスタイルであるが、今回も同様の道を辿ろうとしている。
後は、単純に上の存在を姿かたちは把握していなくても、知るキッカケがあったからというのもある。
「どうにか、もっと幅を増やしたいものなんだけどな」
「難しいよね。ゲームでもそうだけど、弱点を補うぐらいなら複数の武器を所持するし、弱点が目立たない武器に切り替えたりするし」
「わっかるー。最初は堅実に~、でも途中から尖った武器に~、でも最後は堅実に~」
「うんうん。結局は剣と盾で安定するんだよね」
「ソロゲーしすぎだろ」
「まあ、さすがにパーティ組むときは火力出る武器にするけど」
「ソロだと、1人で完結するのは正義になりやすいからね」
「言いたいことはわかるけど」
当然、こんなゲームだけの話で盛り上がっているから真綾は拗ねている。
でも楽しそうに話している空間を崩さないよう、できるだけ笑顔で相槌だけを打っていた。
しかし、話題に入りたい一心でとんでもない提案をする。
「ねえねえ、もしもなんだけどさ」
「ん?」
「剣の効果を盾に付与させたり、盾の効果を剣に付与したりってできないのかな?」
真綾は素朴な疑問を言葉にした。
それも、『凄い×凄い=超凄い』という超謎理論を元にして。
突然そんなことを言い出すものだから、3人は目を点にして足を止めた。
「そんなのできたら、冗談抜きのチート武器になっちゃうよ」
「まあでも、有効活用するためにも矛と盾で能力をぶつけあうことができないなら、合わせちゃおうっていうのは有りなんじゃない?」
「本当にそれができるんだったら、本当に凄いけど――でも、今はそこまで時間があるわけじゃない」
「だよねー。鑛石を採掘するだけじゃなく、加工して武器にするんだもんね」
会話に一段落点け、一行は再び歩き出す。
「なんだか今になって、ワクワクしてきた」
「急にどうしたのよ」
「芹那は期待に胸が躍らないのか? あれだぞあれ、二刀流! ゲーマーだったら一度は憧れるだろ」
「あー、まあね。男の子だねぇ~」
「シュッシュッて感じ?」
「高速数連撃! 防御をするときは二振りで! 戦闘開始前の抜刀、戦闘終了時の納刀のどちらもかっこいい! 鞘を固定するのはどこにしたらいいのか、両方腰、両方背中、はたまた片方ずつとか腰の後ろとか!」
「うお~、興奮してるね~」
「私はわかってあげられるよ。できれば漆黒の装備で統一したりしてね」
「ああそうだ! 色の統一もいいよな! まあでも、俺の場合は紅と蒼になりそうだから、どんな感じがいいんだろう」
和昌は鼻息荒く興奮している。
ありのままの自分を曝け出している状態で、表情も変幻自在に変わり続け、体全体で感情を表現していた。
「そろそろ落ち着いて」
「――お、おう。もうここまで来たのか」
「次の階層で例の物を探すんだから、また気を引き締め直さないと」
「ああ、そうだな。ここまでも、ここからも完全初見。油断大敵が冗談で済ませなくなる場所だ。みんな、一番は自分の命とみんなの命。俺が危ないと思ったら即時撤退する」
「だね」
「うんっ」
「うん」
「よし、行こう」
決意新たに、一行は第15階層へ続く階段を下り始める。
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