転校から始まる支援強化魔術師の成り上がり

椿紅颯

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第一章

第4話『メンバー申請』

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 ――放課後、教室窓側後方の席近辺に8人が集合している。

「集まってもらったのは他でもない。メンバー申請についてなんだけど、まだまだ期間はあるけど早いうちに決めておきたい。それについて各々の意見を訊かせてもらえないかなって」
「そうだよね、今回も言ってしまえば即席メンバーになるわけだし。早めに決めちゃって、意見交換とか練習とかそういうのに時間を割いた方が良いよね」
「うん、まさに美咲《みさき》の言う通りなんだ」

 このやり取りを聞いたみんなの反応は、実に分かりやすかった。

「はいはーい、さんせーいっ」
「そうだね。僕もその方が良いと思う」
「そだねー、考えるより行動しちゃお」

 以前よりパーティを組んでいたメンバーからの賛同はすぐに得られた。
 それに、新規で参加してくれた3人も頷いている。

「僕たちは一樹《かずき》、叶《かなえ》、一華《いちか》の加入は快く歓迎するつもりでいる。でも、一応確認だけはしておきたい。本当にこのままこのパーティでいいのかな?」
「俺は全然問題ないぜ。むしろパーティに入れてくれるなんて感謝の言葉しか出てこないぐらいだ」
「そうね、私も同じ」
「うん……大丈夫」

 爽やかな一樹、平静な叶、目線が下がっている一華。
 各々の反応は違えど、承諾を得られた。
 意思の確認は済んだ。
 後は最後に記入を済ませるだけ。

「じゃあ、後は記入するだけだね。――あ、そうだ。リーダーを決めないといけないんだった。桐吾とか良いと思うんだけど、みんなはどう思う?」

 と、一度、用紙に落としていた視線を上げると、誰からの返答もなかった。
 ただ、僕にだけ視線が集中している状況。

 ――えーっと、これは……。

「僕だけの意見かと思ってたんだけど、他のみんなの意見も一緒だったみたいだね」
「そうね、異論はないわよ」
「そういうことだねー」
「はははっ、志信《しのぶ》あっきらめなさーいっ」

 口裏を合わせてないだろうけど、こんなところで連携力を発揮するのだけはやめてほしい。
 それに、結月はなんでそんなに楽しそうなんだ? 絶対に面白がってるだろ。

「はぁ……半分諦めたけど、一樹、叶、一華の意見も訊きたい。もしも、リーダーをやってみたいっていうならその意見を尊重したい」
「いいや? 俺はそれでいいと思うぞ。俺にリーダーは絶対に似合わないだろうしな」
「そうね、私も絶対に無理だし、一華なんてどうあがいても無理。学園がひっくり返ったって無理ね」
「えぇぇ! 叶ちゃん酷いー! でも、間違ってないんだけど……」
「わかった。じゃあ、僕が今回のパーティーリーダーを務めるから、みんなよろしくね」

 みんなから軽い返事が返って来たところで、再び用紙に視線を戻して記入開始。
 僕から順番にとりあえず横流しにする。
 そして、みんなが記入している姿を見てかなり今更感あるけど、クラスに関しては紹介し合ってないことに気づいた。
 まあ、クラスを訊いたところで門前払いする気なんて毛頭ないけど。

 先生へ提出する道中にでも確認できれば問題なさそうだ。
 どんな編成であれ、時間はある。

「お、終わりました」
「ありがとう」

 最後に記入を終えた一華はその細い指で用紙を渡してきた。
 未だに目線を合わせてくれないことに少しだけ懸念材料は残るも、恐れられているとか嫌われている類のものではなさそうだ。
 勝手な憶測だけど、いや、もしかしたらそれがあるかもしれない。男性恐怖症とか緊張症とかそういう類かもれない。

 ……いや、今そんなことを考えていては先が思いやられてしまう。
 機会を伺って女性陣に訊いてもらうのが一番安心できそうだ。

「じゃあ、先生に提出してくるね」

 教室を出て廊下を歩き出し、用紙を確認。

 
 ――――――――――
 二年二組

 名前     クラス
 リーダー
 ・楠城《くすのき》志信《しのぶ》  アコライト
 メンバー
 ・白刀《はくとう》桐吾《とうご》  ウォーリア
 ・月森《つきもり》美咲《みさき》  プリースト
 ・宇津田《うつだ》彩夏《さやか》 メイジ
 ・月刀《げっとう》結月《ゆづき》  ウォーリア
 ・西田《にしだ》一樹《かずき》  ウォーリア
 ・香野《こうの》叶《かなえ》   ナイト
 ・長月《ながつき》一華《いちか》  ナイト
 
 後からの変更は、余程の事情がない限り受け付けません。
 ですので、メンバー同士で良く話し合うこと。

 尚、提出時はリーダーが直接担任教師へ提出を行ってください。
 
 ――――――――――


 これはまた……。
 前衛が5人、後衛が3人。
 一言で表すならば、アンバランス。
 見方を変えれば、防御が硬いパーティ。
 
 今すぐには陣形も戦術も思い付かないけど、これはこれで良い経験になりそうだ。
 いち早く家に帰り、それらを練りたくて仕方がない。
 
 偶然に偶然が重なってフルメンバーが集まった。
 文字通り、奇跡のようなことが起きたと言っていいかもしれない。
 でも、一安心はできない。何もかもが始まったばかり。
 みんなで勝つため、僕も全力で取り組んでいきたい。
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