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第26夜 黒い棺の悪魔
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タロットカードによる魔導正装でタロットの絵柄に合わせた装備とスキルを一瞬で身につけられるようになったオレは引き続きアニスの魔導訓練を受けた。
魂のエレメントである水系の魔法も幾つか使いこなせるようになり、訓練は順調に進んでいっているように見えた。
訓練終了後、洞窟内にある食事スペースでセラ直伝の魔力回復野菜スープと洞窟内にたくさんストックされている保存用の丸パン、保存用のチーズを食べる。ここ数日ずっとこのメニューだ。
マンネリ化するかと思いきやセラ直伝野菜スープの味付けを自分なりにアレンジし変えることで毎日それなりに楽しい食事ができている。
今日は定番のポトフ風野菜スープにしたが、ホワイトソースでシチューにしたり、トマトをベースにしたりとバリエーションは様々だ。
明日は日本風のカレースープにしたいと考えている。
「千夜は色んな野菜スープが作れて器用だな。料理好きなのか?」
野菜スープが気に入ってくれたのか精霊アニスがオレに料理について尋ねてきた。
「オレの母親オレが10歳の時に亡くなっているんで料理はオレが担当していたんです。って言っても夕飯をちょっと作るだけで朝食はいつもパンと紅茶とスクランブルエッグにヨーグルトとか簡単に済ませてたし」
「そっか、千夜の境界ランプへの願い事はやっぱり亡くなったお母さんに会うことなのか?」
亡くなった母親に会う?
そんなことできるのか……。
「いえ……世界を見てみたいと願っただけで母親のことは何も……そんなことができるんですか?」
アニスは少し考えるような表情をしたがその後、申し訳なさそうにオレに謝った。
「いや、その、昔の境界ランプの持ち主が死んだ両親を生き返らせるために試練を受け続けていたって聞いていたからさ……千夜もそうなのかなって」
死んだ両親を生き返らせる……。
魔法の境界ランプにはそんなチカラが秘められていたのか。
「……それでその境界ランプの持ち主の願い事は叶ったんですか?」
オレは聞いてはいけない質問をしてしまった気がしたが、この洞窟に入る前に見た夢の黒い棺の映像が頭に浮かんできてしまい、聞かずにはいられなかった。
「いや、儀式は失敗してその境界ランプの持ち主は自分の魂を失ったんだ……この洞窟はその魂を封印するために本来は作られたもの。そして悲劇をもう2度と繰り返さないためにアタシ達精霊が境界ランプの持ち主達に正しい魔法を教えることになったんだ」
まさか
あの夢の黒い棺は本当にこの洞窟の中に……。
オレが夢で見た黒い棺についてアニスに聞こうとした瞬間、洞窟の奥から何かの雄叫びが聞こえた。
ウオーンウオーンウオーン!
「まさか……目覚めたのか? まだ千夜の訓練が終わってないのに?」
目覚める?あの夢に見た棺か?
「あの、オレここに来る前に夢で黒い棺が封印されている夢を見て……もしかしてこの洞窟に本当に棺が封印されているんですか?」
ウオーンウオーンウオーン!
雄叫びがどんどん大きくなっている。
「夢で棺……それはきっとデジャビュだよ。どうだった千夜、その黒い棺の封印は夢の中で解けたか?」
「いえ……チェーンがカチャカチャして外れなかったみたいです。ただ見張りの魔人が眠り続けていて大丈夫なのかなって」
ウオーン!
雄叫びが突然止まった。
終わったのか。
「魔人ならあの雄叫びの声の主だよ。一応封印に成功したみたいだけど、油断できない状況だな」
あの棺、境界ランプに反応していた。
「千夜、黒い棺の中に封印されているのは蘇りの儀式に失敗して自分の魂を悪魔に捧げてしまった境界ランプの持ち主だ。もし棺の封印が解かれてそいつがランプを欲しがっても絶対に渡すなよ。もし渡したら……」
ドン!
洞窟の奥から強い魔力の風が吹き、扉が飛ばされる。
そして魔力の風に乗って黒い棺が俺たちの元にやってきた。
カチャン!
チェーンが切れる。
棺の中から魔導師と思われる美女が這い出てきた。
「渡してちょうだい……ランプをそしてあなたの魂を……印章の代わりに」
そう言って女はオレの首に手をかけてきた。
魂のエレメントである水系の魔法も幾つか使いこなせるようになり、訓練は順調に進んでいっているように見えた。
訓練終了後、洞窟内にある食事スペースでセラ直伝の魔力回復野菜スープと洞窟内にたくさんストックされている保存用の丸パン、保存用のチーズを食べる。ここ数日ずっとこのメニューだ。
マンネリ化するかと思いきやセラ直伝野菜スープの味付けを自分なりにアレンジし変えることで毎日それなりに楽しい食事ができている。
今日は定番のポトフ風野菜スープにしたが、ホワイトソースでシチューにしたり、トマトをベースにしたりとバリエーションは様々だ。
明日は日本風のカレースープにしたいと考えている。
「千夜は色んな野菜スープが作れて器用だな。料理好きなのか?」
野菜スープが気に入ってくれたのか精霊アニスがオレに料理について尋ねてきた。
「オレの母親オレが10歳の時に亡くなっているんで料理はオレが担当していたんです。って言っても夕飯をちょっと作るだけで朝食はいつもパンと紅茶とスクランブルエッグにヨーグルトとか簡単に済ませてたし」
「そっか、千夜の境界ランプへの願い事はやっぱり亡くなったお母さんに会うことなのか?」
亡くなった母親に会う?
そんなことできるのか……。
「いえ……世界を見てみたいと願っただけで母親のことは何も……そんなことができるんですか?」
アニスは少し考えるような表情をしたがその後、申し訳なさそうにオレに謝った。
「いや、その、昔の境界ランプの持ち主が死んだ両親を生き返らせるために試練を受け続けていたって聞いていたからさ……千夜もそうなのかなって」
死んだ両親を生き返らせる……。
魔法の境界ランプにはそんなチカラが秘められていたのか。
「……それでその境界ランプの持ち主の願い事は叶ったんですか?」
オレは聞いてはいけない質問をしてしまった気がしたが、この洞窟に入る前に見た夢の黒い棺の映像が頭に浮かんできてしまい、聞かずにはいられなかった。
「いや、儀式は失敗してその境界ランプの持ち主は自分の魂を失ったんだ……この洞窟はその魂を封印するために本来は作られたもの。そして悲劇をもう2度と繰り返さないためにアタシ達精霊が境界ランプの持ち主達に正しい魔法を教えることになったんだ」
まさか
あの夢の黒い棺は本当にこの洞窟の中に……。
オレが夢で見た黒い棺についてアニスに聞こうとした瞬間、洞窟の奥から何かの雄叫びが聞こえた。
ウオーンウオーンウオーン!
「まさか……目覚めたのか? まだ千夜の訓練が終わってないのに?」
目覚める?あの夢に見た棺か?
「あの、オレここに来る前に夢で黒い棺が封印されている夢を見て……もしかしてこの洞窟に本当に棺が封印されているんですか?」
ウオーンウオーンウオーン!
雄叫びがどんどん大きくなっている。
「夢で棺……それはきっとデジャビュだよ。どうだった千夜、その黒い棺の封印は夢の中で解けたか?」
「いえ……チェーンがカチャカチャして外れなかったみたいです。ただ見張りの魔人が眠り続けていて大丈夫なのかなって」
ウオーン!
雄叫びが突然止まった。
終わったのか。
「魔人ならあの雄叫びの声の主だよ。一応封印に成功したみたいだけど、油断できない状況だな」
あの棺、境界ランプに反応していた。
「千夜、黒い棺の中に封印されているのは蘇りの儀式に失敗して自分の魂を悪魔に捧げてしまった境界ランプの持ち主だ。もし棺の封印が解かれてそいつがランプを欲しがっても絶対に渡すなよ。もし渡したら……」
ドン!
洞窟の奥から強い魔力の風が吹き、扉が飛ばされる。
そして魔力の風に乗って黒い棺が俺たちの元にやってきた。
カチャン!
チェーンが切れる。
棺の中から魔導師と思われる美女が這い出てきた。
「渡してちょうだい……ランプをそしてあなたの魂を……印章の代わりに」
そう言って女はオレの首に手をかけてきた。
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