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一章 新たな人生が動き出した
4 楽しく過ごしていた
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翌日から僕らは一緒のベッドで寝るようになった。早く帰った時だけだけど彼の部屋でね。僕も客間からリフォームされた「元ベルント様」の部屋に移った。僕の雰囲気に合わせたかわいいお部屋になったんだ。
花柄の壁紙や家具も明るい色でカーテンも全て。ソファなんか僕の好きなオレンジの花柄生地が張ってある物でとても素敵なんだ。
「寝るか」
「はい」
早い帰宅の時アンゼルム様は、少し領地の仕事すると僕と夕食を取る。その後僕は自室でお風呂に入ってから彼の部屋に行く。特段のおかしな話もせずにお酒やお茶をしながら過ごした。
僕は図書室から持ってきた本を読んだり、彼は仕事の書類を少し読みながら寝酒を飲む。それだけ。でもふたりでいるのに苦痛はなくなった。
「ほら」
「うん」
抱っこされながら寝る。「初夜」はなくただ一緒のベッドに寝るだけ。僕がその気になるまで待つと言われたんだ。
アンゼルム様は我慢強いよ。したいお年頃のはずなのに一緒に寝るだけを耐えるなんてね。ベルント様も病で出来なかったはずなのに、性欲はどうしてたんだろ?
「こちらにはそういった奉仕をする者はいないそうです」
「そういった者とは?」
ティモはやだねえこのお人はと。なんだよ。
「性処理をする者です」
「ああ!うち貧乏だから見たことない」
「うちはお金がないというか……旦那様は奥様だけで幸せと感じる方ですから。でもお金持ちにはいたりします」
「ふーん……ん?」
番としかしたくないんじゃないの?そのための番でしょ?とティモに聞くと、
「ノルンは……ねえ?」
「ねえ?」
アンは相手のノルン専属に身も心もなる。強い絆が出来て他の人と交わる気にもならないどころか「あの人イケメンきゃあ」とかもないそうだ。きれいとかステキとは思うけどそれだけ。だけどノルンは違うと言う。
「ノルンは番がいても他の人とベッドを共に出来ます。奥様になにか合った時に子どもが作れませんからね。貴族もですが民も同様に家業がありますから後継ぎは大切。ノルンは番に縛られない部分があるんです。そこは動物的ですね」
「あー……そっか」
あなたをアンゼルム様が同伴でなければ外に出さないのも、他所の者に間違って噛まれたりしないためのはずだとティモは言い切る。
「してないんでしょう?」
「うん……」
やはりですか。ローベルトも静かな寝室で、不寝番もなにも言ってこないと言っていたそうだ。ヤダ、その情報共有。
「ここに来てから理由は色々ありました。ですがそれも解消し、貴族のお茶会などは始まってるのに、あなたにご招待の手紙がないのはおかしいですからね」
「そうね」
「愛されてますね。羨ましいくらいに」
「うん」
なんて会話はあったけど……布団に入りいつものように抱っこされた。あの初夜の後二ヶ月が過ぎていて、いい加減僕も腹を括る時が来たのかもしれない。我慢させすぎでしょ?
「アンゼルム様」
「なんだ?」
「あの……」
顔が真っ赤になるのが分かった。これアンから抱いてって言っていいモノなの?そんなのは習ってないし、親にも兄様にも聞いたことがなかった。学園でもそんな話題も出なかった……はず。仲のいい友だちにも聞いたことがないな。
「あの、なんだ?」
「うう……良く我慢してますね」
うん?と少し悩んだけど気がついたようだ。
「まあな。お前は若いからそんなに急がなくてもいいかと思っている」
「あ…の…したくならないの?」
「なんだ。なんかあったのか?」
たぶん真っ赤な顔して見上げていたはず。小さな声で、昼間ティモと話してたことを伝えた。
「それは人によるとしか。愛人を持ってる者もいるな。だが、俺は必要ない」
彼の横顔を見つめていた。特に変化はない。
「僕にお茶会のお誘いがないのは……僕に問題があるのか…それともなにかあるのでしょうか……」
「それは俺が握り潰し……いや断ってるから」
「はあ?」
僕は彼の胸に乗せていた頭を上げた。なんで断るの?僕寂しいよ?誰かとたまにはお話もしたいのに。少し体を起こし、アンゼルム様の顔を覗き込んだ。
「ふん。行きたかったのか」
お前は知り合い以外と関わるの嫌いなのかと思ってたよって。そうだけどさあ。
「その、行きたいっていうか……あなたは忙しいし、こうして一緒に過ごすことも少ない。ティモといつもふたりで……学友にも会っていませんから」
「そうだな。だが、番にならなければ出せない。俺が嫌だから」
なに言ってんの?僕を過大評価し過ぎだよ。
「誰も僕なんか噛まないと思いますけど」
そう言って彼の顔を見ると、ゔっ……ものすごく嫌そうに顔を歪めた。僕、初めてあからさまに表情が変わるのを見たよ。
「俺はもし、今もお前が独身ならたくさんの見合いの釣書が来てたはずと考えている」
「そうかな?僕は学園でもモテませんでしたよ?」
子どもの頃の匂いも出していない時を基準にするなって。
「お前は自分の価値を小さく見積もり過ぎだ。今のお前は……その…なんだ。愛らしく……魅力的になっている」
「そう?」
「そう!だから俺はイヤなんだ!」
語気を強めにイヤって……僕は先日のティモの言葉が浮かんだ。
「あなたは愛されてますよ」
以前兄様が訪ねて来てくれた時も、
「お前は旦那様に大切にされすぎて、人前に出てこないって噂だぞ」
「いやいや、アンゼルム様が忙しくて夫婦の参加の会は断ってるんだ」
「それでもお前は奥様だけのお茶会にもなにも出ないだろう?」
「だーってお誘い来ないんだもん。他所の奥様を知らないからご招待も出来ないしさ」
うん?と兄様は顎に手を当て考え込んだ。
「いや…王族や侯爵家の人が手紙を送ったと言ってたような?」
「来てません。兄様、僕少し寂しいんだよ。ティモとふたりはさ」
そうか?おかしいな。俺は城の大臣の秘書官もしてるからそう言った話は流れてくるのに……うん?と悩んだ。
「なら俺の記憶違いかな?まあそのうち来るだろ?」
なーんてことが思い浮かんだ。アンゼルム様のところで止めてれば来やしねぇよな。ちなみに兄様は時々様子伺いで来てくれる。まあ、両親が僕がなにか粗相してないかのチェックだろうけどさ。
「あの……?」
「ふう。俺はお前が愛しい。誰にも触らせたくない」
「はあ」
「それとな。お前は俺が噛めばコトがすむと考えてるだろ?」
「はい」
更に盛大にため息。なんでだよ!噛めばいいだけだろ?と詰め寄った。
「お前はもう……そんなだから外には出せない」
「なんでですか!番になればお外に行けるんでしょ?」
「そうだが……番になるということは…俺を受け入れるってことだ。それは……はあ」
こんなところもかわいいが心配だよって僕の頬を撫でる。側仕えがいなくなると彼は多少言葉が増えるんだ。愛の言葉もくれるようになる。
「なぜため息?噛めば本当の夫婦になるのでしょう?なら噛めばすむのでは……と考えますが」
アンゼルム様の瞳を見つめる。なにがいけないのか分からん。アンゼルム様は困ってうーんと唸る。
「噛むとは……俺を受け入れるってのは……噛まれるとな。したくなるんだよ」
「え?なにをしたくなる?」
もう!って胸に抱きしめられた。
「俺の愛が、体が欲しくて堪らなくなる。だから初夜はアンはとても大切なことなんだ。一生の伴侶になるから」
いいことばかりじゃない。例えば、子が産めないくらいなら誰も番を解消してはくれない。愛しい妻は変わらないから。だから妻の仕事をしてくれるだけでよくて、そうなった時愛人を囲い、子だけ産ませて妻が育てるんだ。人によっては子どもが産めないことを突きつけられてるように感じて、苦しくもあることなんだって。
「そっか……」
「だから俺は……本当にクルトが俺の妻でいいと思えるまで待つつもりだったんだ。どんなことがあってもいいって思えるまでな」
「ありがと」
だから無理するな、俺は待てるって。
僕は……ここに来てどれだけの時間が過ぎた?どれだけこの人を待たせてる?屋敷から出てなくて、よその人の声は届かない。もしかするとアンゼルム様は色々言われてるんじゃ……
「ごめんなさい……城でイヤなこと言われてるよね」
「そんなのは気にしてない。言いたいやつは言わせておけばいい」
やっぱり言われてるのか……ごめんなさい。そうだよね、色々あったにしろ国は正常化してるのに、公爵の妻が色んな会に出てないなんて。新しい妻まで病?それとも……とか。
「ごめんなさい……嫌な思いさせて」
「いいんだよ」
こんなに大切にしてもらってるのになんでここまで待たせたのだろうか。お金欲しさに父様に売られたのかと思ってたけど愛されてた。この世界に来てから、段々諒太を思い出すことも減って、過去の彼と思うようになってもいる。もう僕はクルトなんだ。この世界の一員で……
「あのね?はしたないかもしれないけど、噛んで」
彼は眉間にシワで僕を見つめる。ものすごい顔だな。
「なあクルト。俺の話を聞いていたか?しっかり考えろ。イヤなら実家に帰るってのも今なら出来る」
「帰らない。噛んで」
僕は自分から彼の首に腕を回した。
「今まで待ってくれてありがとう」
ふうって耳元でため息が聞こえた。後戻りは自分からは出来ないんだぞ?俺は解消する気はないからなって。
「うん」
「いいんだな?」
「うん」
すると彼からブワッと強い花の香り…咽るほどの強い甘い香りがした。
「初夜の時のようには我慢せぬ」
「あ……うん。ゲホッ」
そう言うと僕を下にして覆いかぶさった。とても真剣な目で僕を見つめる。
「後悔は聞かぬ」
「うん」
クラクラする……彼の匂いに負けて息が上がる。なにこれ?甘く誘うような香り…股間にダイレクトに響いて股間も、なぜかお尻の中も疼く。頭が欲でフワフワし出すと彼の唇が僕の唇に優しく触れた。
花柄の壁紙や家具も明るい色でカーテンも全て。ソファなんか僕の好きなオレンジの花柄生地が張ってある物でとても素敵なんだ。
「寝るか」
「はい」
早い帰宅の時アンゼルム様は、少し領地の仕事すると僕と夕食を取る。その後僕は自室でお風呂に入ってから彼の部屋に行く。特段のおかしな話もせずにお酒やお茶をしながら過ごした。
僕は図書室から持ってきた本を読んだり、彼は仕事の書類を少し読みながら寝酒を飲む。それだけ。でもふたりでいるのに苦痛はなくなった。
「ほら」
「うん」
抱っこされながら寝る。「初夜」はなくただ一緒のベッドに寝るだけ。僕がその気になるまで待つと言われたんだ。
アンゼルム様は我慢強いよ。したいお年頃のはずなのに一緒に寝るだけを耐えるなんてね。ベルント様も病で出来なかったはずなのに、性欲はどうしてたんだろ?
「こちらにはそういった奉仕をする者はいないそうです」
「そういった者とは?」
ティモはやだねえこのお人はと。なんだよ。
「性処理をする者です」
「ああ!うち貧乏だから見たことない」
「うちはお金がないというか……旦那様は奥様だけで幸せと感じる方ですから。でもお金持ちにはいたりします」
「ふーん……ん?」
番としかしたくないんじゃないの?そのための番でしょ?とティモに聞くと、
「ノルンは……ねえ?」
「ねえ?」
アンは相手のノルン専属に身も心もなる。強い絆が出来て他の人と交わる気にもならないどころか「あの人イケメンきゃあ」とかもないそうだ。きれいとかステキとは思うけどそれだけ。だけどノルンは違うと言う。
「ノルンは番がいても他の人とベッドを共に出来ます。奥様になにか合った時に子どもが作れませんからね。貴族もですが民も同様に家業がありますから後継ぎは大切。ノルンは番に縛られない部分があるんです。そこは動物的ですね」
「あー……そっか」
あなたをアンゼルム様が同伴でなければ外に出さないのも、他所の者に間違って噛まれたりしないためのはずだとティモは言い切る。
「してないんでしょう?」
「うん……」
やはりですか。ローベルトも静かな寝室で、不寝番もなにも言ってこないと言っていたそうだ。ヤダ、その情報共有。
「ここに来てから理由は色々ありました。ですがそれも解消し、貴族のお茶会などは始まってるのに、あなたにご招待の手紙がないのはおかしいですからね」
「そうね」
「愛されてますね。羨ましいくらいに」
「うん」
なんて会話はあったけど……布団に入りいつものように抱っこされた。あの初夜の後二ヶ月が過ぎていて、いい加減僕も腹を括る時が来たのかもしれない。我慢させすぎでしょ?
「アンゼルム様」
「なんだ?」
「あの……」
顔が真っ赤になるのが分かった。これアンから抱いてって言っていいモノなの?そんなのは習ってないし、親にも兄様にも聞いたことがなかった。学園でもそんな話題も出なかった……はず。仲のいい友だちにも聞いたことがないな。
「あの、なんだ?」
「うう……良く我慢してますね」
うん?と少し悩んだけど気がついたようだ。
「まあな。お前は若いからそんなに急がなくてもいいかと思っている」
「あ…の…したくならないの?」
「なんだ。なんかあったのか?」
たぶん真っ赤な顔して見上げていたはず。小さな声で、昼間ティモと話してたことを伝えた。
「それは人によるとしか。愛人を持ってる者もいるな。だが、俺は必要ない」
彼の横顔を見つめていた。特に変化はない。
「僕にお茶会のお誘いがないのは……僕に問題があるのか…それともなにかあるのでしょうか……」
「それは俺が握り潰し……いや断ってるから」
「はあ?」
僕は彼の胸に乗せていた頭を上げた。なんで断るの?僕寂しいよ?誰かとたまにはお話もしたいのに。少し体を起こし、アンゼルム様の顔を覗き込んだ。
「ふん。行きたかったのか」
お前は知り合い以外と関わるの嫌いなのかと思ってたよって。そうだけどさあ。
「その、行きたいっていうか……あなたは忙しいし、こうして一緒に過ごすことも少ない。ティモといつもふたりで……学友にも会っていませんから」
「そうだな。だが、番にならなければ出せない。俺が嫌だから」
なに言ってんの?僕を過大評価し過ぎだよ。
「誰も僕なんか噛まないと思いますけど」
そう言って彼の顔を見ると、ゔっ……ものすごく嫌そうに顔を歪めた。僕、初めてあからさまに表情が変わるのを見たよ。
「俺はもし、今もお前が独身ならたくさんの見合いの釣書が来てたはずと考えている」
「そうかな?僕は学園でもモテませんでしたよ?」
子どもの頃の匂いも出していない時を基準にするなって。
「お前は自分の価値を小さく見積もり過ぎだ。今のお前は……その…なんだ。愛らしく……魅力的になっている」
「そう?」
「そう!だから俺はイヤなんだ!」
語気を強めにイヤって……僕は先日のティモの言葉が浮かんだ。
「あなたは愛されてますよ」
以前兄様が訪ねて来てくれた時も、
「お前は旦那様に大切にされすぎて、人前に出てこないって噂だぞ」
「いやいや、アンゼルム様が忙しくて夫婦の参加の会は断ってるんだ」
「それでもお前は奥様だけのお茶会にもなにも出ないだろう?」
「だーってお誘い来ないんだもん。他所の奥様を知らないからご招待も出来ないしさ」
うん?と兄様は顎に手を当て考え込んだ。
「いや…王族や侯爵家の人が手紙を送ったと言ってたような?」
「来てません。兄様、僕少し寂しいんだよ。ティモとふたりはさ」
そうか?おかしいな。俺は城の大臣の秘書官もしてるからそう言った話は流れてくるのに……うん?と悩んだ。
「なら俺の記憶違いかな?まあそのうち来るだろ?」
なーんてことが思い浮かんだ。アンゼルム様のところで止めてれば来やしねぇよな。ちなみに兄様は時々様子伺いで来てくれる。まあ、両親が僕がなにか粗相してないかのチェックだろうけどさ。
「あの……?」
「ふう。俺はお前が愛しい。誰にも触らせたくない」
「はあ」
「それとな。お前は俺が噛めばコトがすむと考えてるだろ?」
「はい」
更に盛大にため息。なんでだよ!噛めばいいだけだろ?と詰め寄った。
「お前はもう……そんなだから外には出せない」
「なんでですか!番になればお外に行けるんでしょ?」
「そうだが……番になるということは…俺を受け入れるってことだ。それは……はあ」
こんなところもかわいいが心配だよって僕の頬を撫でる。側仕えがいなくなると彼は多少言葉が増えるんだ。愛の言葉もくれるようになる。
「なぜため息?噛めば本当の夫婦になるのでしょう?なら噛めばすむのでは……と考えますが」
アンゼルム様の瞳を見つめる。なにがいけないのか分からん。アンゼルム様は困ってうーんと唸る。
「噛むとは……俺を受け入れるってのは……噛まれるとな。したくなるんだよ」
「え?なにをしたくなる?」
もう!って胸に抱きしめられた。
「俺の愛が、体が欲しくて堪らなくなる。だから初夜はアンはとても大切なことなんだ。一生の伴侶になるから」
いいことばかりじゃない。例えば、子が産めないくらいなら誰も番を解消してはくれない。愛しい妻は変わらないから。だから妻の仕事をしてくれるだけでよくて、そうなった時愛人を囲い、子だけ産ませて妻が育てるんだ。人によっては子どもが産めないことを突きつけられてるように感じて、苦しくもあることなんだって。
「そっか……」
「だから俺は……本当にクルトが俺の妻でいいと思えるまで待つつもりだったんだ。どんなことがあってもいいって思えるまでな」
「ありがと」
だから無理するな、俺は待てるって。
僕は……ここに来てどれだけの時間が過ぎた?どれだけこの人を待たせてる?屋敷から出てなくて、よその人の声は届かない。もしかするとアンゼルム様は色々言われてるんじゃ……
「ごめんなさい……城でイヤなこと言われてるよね」
「そんなのは気にしてない。言いたいやつは言わせておけばいい」
やっぱり言われてるのか……ごめんなさい。そうだよね、色々あったにしろ国は正常化してるのに、公爵の妻が色んな会に出てないなんて。新しい妻まで病?それとも……とか。
「ごめんなさい……嫌な思いさせて」
「いいんだよ」
こんなに大切にしてもらってるのになんでここまで待たせたのだろうか。お金欲しさに父様に売られたのかと思ってたけど愛されてた。この世界に来てから、段々諒太を思い出すことも減って、過去の彼と思うようになってもいる。もう僕はクルトなんだ。この世界の一員で……
「あのね?はしたないかもしれないけど、噛んで」
彼は眉間にシワで僕を見つめる。ものすごい顔だな。
「なあクルト。俺の話を聞いていたか?しっかり考えろ。イヤなら実家に帰るってのも今なら出来る」
「帰らない。噛んで」
僕は自分から彼の首に腕を回した。
「今まで待ってくれてありがとう」
ふうって耳元でため息が聞こえた。後戻りは自分からは出来ないんだぞ?俺は解消する気はないからなって。
「うん」
「いいんだな?」
「うん」
すると彼からブワッと強い花の香り…咽るほどの強い甘い香りがした。
「初夜の時のようには我慢せぬ」
「あ……うん。ゲホッ」
そう言うと僕を下にして覆いかぶさった。とても真剣な目で僕を見つめる。
「後悔は聞かぬ」
「うん」
クラクラする……彼の匂いに負けて息が上がる。なにこれ?甘く誘うような香り…股間にダイレクトに響いて股間も、なぜかお尻の中も疼く。頭が欲でフワフワし出すと彼の唇が僕の唇に優しく触れた。
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