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最終章 僕が来る前に戻った……のか?
3 ゼェメ復興のお手伝い
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翌朝アンジェは満足そうに隣で寝息を立てていた。僕は飛んでそのまま寝たのか。チュンチュンと鳥の声がする。朝か……洗浄の魔法は掛けてくれたのか体はベタベタはしない。はあ……久しぶりに飛んだよ。
「アンジェは本当に変わったね」
僕を強く求めるのは変わらないけど、余裕がある求めだ。クヌート様が言うような、子供心のようなものが見えるようになったかな。ユリアン様はありすぎたけどね!
「男はいつまでも少年とはよく言ったものだ」
アンジェも男同士の猥談なんか楽しむことが出来る人とは驚いたけど、あって当然なんだよね。女性もなくはないとは聞いたことあるし。そう言えばティモも旦那様と楽しんでるふうなことを以前言ってたな。愛する人と交わるのは幸せだと。
「そういえば歓楽街は見たことないなあ。あるとアンジェは言うけど……どんなのだろ?」
現世と同じ感じかな?まあ僕はゲイのお店しか知らないけどさ。あれはねえ、さっさとやろうぜって感じで性欲処理なんだよね。会話も少なく諒太と付き合うまではたまに行ってたっけ。そのうちアプリに変更してホテルで。でもなんか虚しかったからそのうちやらなくなった。
「行きたいのか?」
「ひゃあ!違うよ!どんなところかなって思っただけ」
「ふーん」
俺が楽しませるから必要ないだろって笑う。この世界は本当に好きになった人とみんながみんな結婚出来る訳じゃない。家の都合が大きく、俺は金と身分があるから選べるが、他の貴族や民は違う場合あり。
地方の農地は人が少ない村もあって、その中から選ぶから、俺とベルントのようになる者もいる。辛くて逃げて仕事に困り身を落とす者。一時的に稼ぐために店に勤めて、身を立て直す場所となっているそうだ。借金があれば長くなる場合あり。みんながみんな、ほわほわと暮らしてる訳じゃないそう。
「そういった店に興味なくて後で知ったんだ。領主としては問題ありだがな」
「へえ……」
好きな人と結ばれる者は確かに多いが、そうでもない者も実は多い。魔力が多ければ冒険者にったり、他国に行商をして好きな人を探すのもあり。他国に出入り出来る商人は、付き合いの商家からもらったり。色々だと。
「俺は幸運だったんだよ」
「なら僕もだね」
いつか視察に行こうなって。現実を知るのも悪くないぞって。
「うん」
数日に渡るゼェメとの交流が終わり帰宅。エルムントは帰った直後にアンジェに急ぎの仕事をしろと連れだし、僕はカールとまったりお部屋でお茶。
「城のお茶は美味しいけど、自宅で飲むのが一番だね。グレゴールのお菓子も美味しいし」
「ええ。グレゴールは日々あなたのためと研究を惜しみません。また米も手に入れたようですよ」
「ほんと!前は僕が教えたから、次は自分で出来るって言ってたもんね」
ええとカールは微笑む。タイ米みたいなとかだったらどうしようと思ってたけど、僕の知ってるお米たった。コシヒカリが好きだったけど……そこまでは言えないもんね。それでも久しぶりのご飯は美味しかった。懐かしく……諒太と慎ましく暮らしていたことも思い出した。
どうしているだろうか。考えても無駄なのは分かってるけどね。さすがの神様も聞いたところで教えてはくれないだろうな。
ゼェメ王の謁見が終わって間もなく冬が来た。そしてまた春になる頃、僕らはゼェメ王国に向かった。当然ラムジー!とはならず、城お抱えの航空部隊に送ってもらう。人が違うと乗り心地が今ひとつなのは仕方ない。
数時間後、畑だらけの王宮の庭に到着した。先に到着していたヨルク様は、素敵なワシの騎獣の横に立っていた。その隣に見たことない賢者らしいグレーのローブと胸にダイヤ型の石をつけた姿のおじい様……オスヴィン様かな。僕は騎獣から降りてごあいさつ。
「オスヴィン様でしょうか。お初にお目にかかります。クラネルト王国白の賢者クルト・クラネルトと申します。よろしくお願いいたします」
この世界のごあいさつ。片手を胸に当ててもう片方は腰の後ろ、膝を折り会釈する。これが立式の正式なあいさつだ。
「おおっあなたがクルト様。私がバルシュミーデのオスヴィンでございます。よろしく」
「はい」
握手を求められてグッと強く握られた。あなたの活躍の場に私はおらなんだ。ヨルク様ばかりで残念だなあって笑う。
「オスヴィン様と入れ違いになることが多かったですからなあ」
バルシュミーデの白の賢者は現役の魔法省大臣だそう。それで作戦の指示も出してたから、賢者の仕事にかかりっきりになることが不可能だったそうだ。見た目はおじいちゃんだけど、五十になったばかりとか。なんでこんなに老けてるんだ?と、不思議で見上げてジーッ
「クルト様、そんなに見つめると穴が開く。我らの国は乾燥と水のせいで肌が早く老化するんだよ」
「あっ失礼をしました。あのヨルク様はおいくつ?」
「私か?私は五十二だ」
「へっ?……六十では……?」
誰だよ六十とか言ったやつは!ラムジーか!どうしようとアワアワしていると、まあそちらの国では同じ年なら、もう少し若く見えるかなとふたりとも笑った。
「すみません……」
真っ赤になって小さくなってしまった。こういうことがあるから情報は大事なんだよね。ティモの助言は正しかったよ。
「こちらへどうぞ」
人がいないのかフーゴ様がご案内。城の中はそれなりに修復されていて、物は少ないけど快適だ。が、薄暗い。明かりの魔石が足りないようで、ところどころ暗い。
「すみません。足元が見えにくいかもしれませんので、お気をつけて」
「はい」
他国のお城って初めてだ。作りは似てるけどなんか違うね。なんだろうか……山城のような戦闘用のお城のようだ。無駄がなく階段の手すりなんかも装飾があまりない。シュタルクとはどんな国だったのだろう。文化的にはどんなだったのかな。今更言ってもだけどとアンジェに話しかけると。
「大元の国に行けばわかるかもな」
「おおっそうだね」
あ、無理か。僕が外遊なんて行くことはないし、見ることはないんだろうなあ。
「なら旅行に来ればいい」
「え?ヘルテルに?」
「おお歓迎するぞ」
「うちもな」
ふわあ……旅行なんて夢だと思ってた。危なくて、国を出るなんて考えたこともなかった。この世界に来てから旅行は、アンジェの別荘くらいだもの。
「もう戦なんぞないからな。遠くは分からんが、このあたりなら大丈夫だよ」
「はい」
会議室に案内されると、王と少しの貴族しかいなかった。みんな深々と頭を下げて許せとは言えないが、これからを期待してくれと言う。死んだ仲間にも誇れるよい国にしてみせると。
早速だがと説明に入り、僕らは三地区に分かれ修復する。特に城下、城は魔力を使うからクルト様ねって。地図を見ながら俺たちはここらの農地と町をふたりでやろうと勝手に決めて、赤いペンで線を引く。
「え……お二人はその……」
「ヤダなあ。じじいをこき使う気か?」
ふたりはギロッと僕を見下ろした。ううっ
「いえ……頑張ります」
「よろしい。というか、我らはセンスがないんだよ。これからこの国の顔になる部分を修復するのが嫌なだけ。うはは」
「はあ」
クラウス様も若い方の方が華やかに出来るかなと笑う。いやあ……僕もないよそんなの。
「イメージと図面をお渡ししますから、全体にフワッとでいいんです。手直しはこちらでしますから。大枠合っていればいいのです」
「そうですか?」
「多少の違いはこちらでも出来ますしね」
「はい」
そして少し休憩の後ふたりは出発した。当然ヘルテルが飛行部隊を出してくれてね。
「クルト様はこちらを覚えて下さい」
「はい」
出された図面を……おおぉこんなの頭に入らんぞ?ええっと、調べて来たのは丸暗記の呪文。だけど古語で発音が難しく、頭に入らなくてインストールと覚えたはずだ。呪文はあってないようなもので、なんでもいいらしいと父様が言ってたからね。これは国の創世の時にしか使わないし、リフォームとかは、そういった職人がいるから。
この呪文は新しく領地を作るとか、特別なときのみなんだ。。僕は図面を全部出してもらって、テーブルに並べる。内と外装。テーブル一面になったな。
「インストール!」
ブワッと頭に焼き付けるように記憶する。一枚ずつを頭の中で城の内部、外部をコピーするように。目の裏にパラパラと流れるように図面が入って来る。よし!
「覚えました」
「ほう……この量を一発ですか。クルト殿は魔力が多いのですね」
王は感心して僕に笑いかける。
「ええ。だから色んな術が使えるんだと思います」
「これほどとは。今の世の白の賢者では、かなり上位の賢者ですよ」
私が知る限り、これほどの賢者は数人です。あなたは神に愛されているのですねって。
「自分ではわかりませんが、ありがとう存じます」
では外に参りましょうと、フーゴ様らと畑だらけの庭に移動。棟が三つで、まず中央から。
「あの、荷物は出さないのですか?」
そういやあと思って王様に聞いた。間取りが変わると家具がぐちゃぐちゃになるかもって思ってね。
「家具は術の動き合わせて移動するらしいんですよ。だから敷物だけ片付けました」
「ほほう。それは知らなかった。なら参ります!」
僕は両手を空に上げた。これもいらないんだけど、やったことない術には気合いは必要だよね。兄様もやりやすい方がいいぞって。
「エクスキュージョン!」
ぶわわわ~と城全体に魔力が広がると、建物が歪み虹色に光り始め再構築が始まった。疲れはしないけどデカいからパッって完成!って感じでは出来なくて、ジワジワ変化して行った。でも絵の通りの城が完成。次は左!同じように繰り返し完成。右もね。真っ白で、塔がいくつかあるお城らしい出来上がりだった。屋根も赤くてかわいい。
「かなり早く出来るんだね。驚き」
「俺もびっくりだ。これは、創世の頃に数ヶ月掛かるってのは一人でやってるからだろう」
クラウス様はそうでしょうねと。素晴らしい出来ですと喜んでくれた。そしてみんなで中に入って確認。間違いなく出来てるけど、なぜか装飾が全くなかった。エントランスホールの階段の手すりなんか、角材を組んだだけみたいな大理石になっている。
「あれ?外はきちんと出来たのに」
「当然です。装飾は書いてありませんでしたから」
「そうでしたか」
それは文化の違いもあるし、あなたに理解し難いかと書きませんでしたって。ご配慮ありがとう。
「我らの国は竜のモチーフが多いのです。こういった大柱にぐるっとレリーフを彫る」
「へえ……きっとすごいのでしょうね」
「ええそれはもう。フーゴお見せしろ」
「はい」
フーゴ様がモニョモニョ呪文を唱えると、目の前の柱にバルナバスのような竜が浮き上がった。すげぇ!
「エントランスは全てこのような竜を彫ります。国が違っても祖国の物を、竜を飾りたいのです」
クラウス様は、たとえ放逐されても国を思っていたのは確かですよと。なにか懐かしんでいる感じで柱を眺めていた。フーゴ様が説明をと近づいて来る。
「我らの国は騎獣はございません。その代わり小型の翼竜ワイバーンを移動、戦に使役しております。これは貴族、民関係なくですね」
「ワイバーン!あれは使役可能なのですか?」
アンジェがフーゴ様に食いついた。ビクッとして、フーゴ様はアンジェの方を向いて出来ますよって。
「そうか……だがうちは従魔士がいないな」
「こちらも現在いません。いつか国が整ったら、国としてキルステンに探しに行こうかと考えております」
「門外不出とかでは……」
「あはは。ないですよ。北の国ではどこも当たり前に使ってますからね。力のある術者は、もっと大きな竜種を使役してますよ。お金がないから、装着する魔石が用意できないのもありますね」
ほほうと一言言うと、アンジェが思考モード発動、ブツブツ言い出したな。放っとこう。みんなで中を隅々までチェックして、オッケーをもらった。細かい装飾はフーゴ様がちまちまするそうだ。もう出来る職人が王とフーゴ様だけらしい。みんな死んじゃったそうだ。ああ……それ僕ね。でも、ごめんとは言わないよ。
「さて。クルト様。あなたはポーションを飲んで街に行きましょう!」
「はい!」
そうだ庭は?とフーゴ様に聞くと、後でよいとのこと。食べ物は大切だからねって。まだ、畑を耕す農夫がおらず、この野菜は城の者だけではなく、民も食べるからだそうだ。ふーん。
僕らは用意されていた馬車で街に向かった。途中の貴族街はボロボロで、今は誰も住んでないそう。少しいる臣下たちは全部城の客間に住まわせている。もう着の身着のままに近いそうで、もうみんな慣れたって。時々ぶっこまれる話が重い……全部僕がしたことだけども!多少思うところがあるから嫌味もあるのだろう。当然だよね、こちらも同じだし。……いや、僕が捻くれてるのかも。
「少し直しますか?」
「いいえ。ここは最後でいいですよ」
「はい……」
そのまま貴族街を抜けると、更なる惨状が広がっていた。いいお天気でねえ、なにもかもよく見えるから余計に酷い。
「あの……最低限亡骸などは片付けました。よろしくお願いします」
「はい」
死体なのに片付けましたという言葉に引っかったが、聞きながーす!さてと、ここはもらった地図の通りに少しずつ直すぞ。まず貴族門を直し、その周りから建物や壁を作成。道の石畳をきれいに舗装。頭に入れた建物を……建物を……建物を……うぎゃあ!終わらん!僕は討伐の復旧を思い出した。あの……いつ終わるか分からん、恐ろしい感覚を。
「アンジェ……これね。嫌な記憶を思い出したんだけど」
「そうだな。お前まさか、一日で帰れるとか思ってたのか?」
「うん……」
「甘いな」
嘘だろ、この国大きいよ。城が簡単に出来たからすぐ終わるかと思ってたのに。
「ここはうちとさほど変わらん。お前の見通しが甘かっただけだ」
「はい……」
フーゴ様はクスクス。城と貴族街だけなら一日ですが、街や畑は移動にも時間がかかる。仕方ありませんよと、感謝してますと笑う。
「頑張ります」
「はい。お願いいたします」
日が傾く頃、フーゴ様がここまでで明日ねと城に戻った。食事は僕らが持ち込んだ材料、料理人が食事を振る舞う。
「ああ……久しぶりに美味しいものを口にした。他国にお詫びの行脚以降、こんな美味しい食事はなかったから」
「ようごさいました」
アンジェは淡々と答える。クラリス様も他の貴族も嬉しそうだった。当たり前がなくなるとは辛いものだと。自分のしでかしたことだが、身にしみるなあって。
「こうしてみなに助けてもらえることを、神に感謝いたします」
クラリス様が自然に手を組み、祈るような姿を取ると、天井を無視するような金色の光の筋が彼に注ぎ包まれた。へ?
「加護が降りたんだ。誰だろうな」
「へえ……こんなふうに外からは見えるんだ」
こんな瞬間に立ち会えたのが嬉しくて、みんな王様を見つめた。誰だろうねってみんなワクワク。少しすると王が目を開けた。
「ガイア様の天啓でした。私とこの地の加護をと仰られた」
「おお!兄上!」
「ああフーゴ。この国に加護がついたんだ!土地に力を与える神だ。きっと豊かになるぞ」
「ええ……ようございました……兄上……ッ」
みんなよかってねと泣きながらバクバク。美味しいなあって。今度は自前でご招待いたしますからね。北の物は珍しいでしょうからと、みんな楽しそうにあちらの食材や料理を話してくれる。
「ええ。期待しております。キルステンは付き合いがありませんので楽しみですね」
「ああ!期待してくれ。魚も肉も美味いんだ。米もな」
「え?米はそちらからでしたか!」
ん?と食いついた僕を見つめて、米がなにかと不思議そう。
「私は米の国から来ました。みそやしょうゆがあるとなお嬉しいんですが」
「みそ……しょうゆ……フーゴ確かあったよな」
「ええ。キルステンより北の国ですね。衣服も我らとは違い、ガウンのような衣装でした」
それは中国か日本ふうかも!期待大だな。作り方さえ教えてもらえば、たぶん僕でも出来るはずだ。
「手に入れる方法はありますか?」
「あるとは思うが……ケンプフェルに行けばなあ。あそこは物流の交差の国だし」
「そうですね。あそこならアイーデ王国の民族街があったはずです」
「よっしゃあ!あ……すみません…」
ガッツポーズしちゃったよ。でもいつか行く!というか、誰か出して買ってきてもらおう!うひゃひゃひゃっ
「クルト……下品な笑いは控えなさい」
「ゔっ……申し訳ありません。気を付けます」
あまりの嬉しさに素が出たよ。この世界に来てから貴族だからと、うっすら猫かぶってるからね。気をつけよう。アンジェに嫌われたら生きていけないもん。姿勢を正しもぐもぐ。その様子にみんなクスクスしている。くわーっ恥ずかしい!
「アンジェは本当に変わったね」
僕を強く求めるのは変わらないけど、余裕がある求めだ。クヌート様が言うような、子供心のようなものが見えるようになったかな。ユリアン様はありすぎたけどね!
「男はいつまでも少年とはよく言ったものだ」
アンジェも男同士の猥談なんか楽しむことが出来る人とは驚いたけど、あって当然なんだよね。女性もなくはないとは聞いたことあるし。そう言えばティモも旦那様と楽しんでるふうなことを以前言ってたな。愛する人と交わるのは幸せだと。
「そういえば歓楽街は見たことないなあ。あるとアンジェは言うけど……どんなのだろ?」
現世と同じ感じかな?まあ僕はゲイのお店しか知らないけどさ。あれはねえ、さっさとやろうぜって感じで性欲処理なんだよね。会話も少なく諒太と付き合うまではたまに行ってたっけ。そのうちアプリに変更してホテルで。でもなんか虚しかったからそのうちやらなくなった。
「行きたいのか?」
「ひゃあ!違うよ!どんなところかなって思っただけ」
「ふーん」
俺が楽しませるから必要ないだろって笑う。この世界は本当に好きになった人とみんながみんな結婚出来る訳じゃない。家の都合が大きく、俺は金と身分があるから選べるが、他の貴族や民は違う場合あり。
地方の農地は人が少ない村もあって、その中から選ぶから、俺とベルントのようになる者もいる。辛くて逃げて仕事に困り身を落とす者。一時的に稼ぐために店に勤めて、身を立て直す場所となっているそうだ。借金があれば長くなる場合あり。みんながみんな、ほわほわと暮らしてる訳じゃないそう。
「そういった店に興味なくて後で知ったんだ。領主としては問題ありだがな」
「へえ……」
好きな人と結ばれる者は確かに多いが、そうでもない者も実は多い。魔力が多ければ冒険者にったり、他国に行商をして好きな人を探すのもあり。他国に出入り出来る商人は、付き合いの商家からもらったり。色々だと。
「俺は幸運だったんだよ」
「なら僕もだね」
いつか視察に行こうなって。現実を知るのも悪くないぞって。
「うん」
数日に渡るゼェメとの交流が終わり帰宅。エルムントは帰った直後にアンジェに急ぎの仕事をしろと連れだし、僕はカールとまったりお部屋でお茶。
「城のお茶は美味しいけど、自宅で飲むのが一番だね。グレゴールのお菓子も美味しいし」
「ええ。グレゴールは日々あなたのためと研究を惜しみません。また米も手に入れたようですよ」
「ほんと!前は僕が教えたから、次は自分で出来るって言ってたもんね」
ええとカールは微笑む。タイ米みたいなとかだったらどうしようと思ってたけど、僕の知ってるお米たった。コシヒカリが好きだったけど……そこまでは言えないもんね。それでも久しぶりのご飯は美味しかった。懐かしく……諒太と慎ましく暮らしていたことも思い出した。
どうしているだろうか。考えても無駄なのは分かってるけどね。さすがの神様も聞いたところで教えてはくれないだろうな。
ゼェメ王の謁見が終わって間もなく冬が来た。そしてまた春になる頃、僕らはゼェメ王国に向かった。当然ラムジー!とはならず、城お抱えの航空部隊に送ってもらう。人が違うと乗り心地が今ひとつなのは仕方ない。
数時間後、畑だらけの王宮の庭に到着した。先に到着していたヨルク様は、素敵なワシの騎獣の横に立っていた。その隣に見たことない賢者らしいグレーのローブと胸にダイヤ型の石をつけた姿のおじい様……オスヴィン様かな。僕は騎獣から降りてごあいさつ。
「オスヴィン様でしょうか。お初にお目にかかります。クラネルト王国白の賢者クルト・クラネルトと申します。よろしくお願いいたします」
この世界のごあいさつ。片手を胸に当ててもう片方は腰の後ろ、膝を折り会釈する。これが立式の正式なあいさつだ。
「おおっあなたがクルト様。私がバルシュミーデのオスヴィンでございます。よろしく」
「はい」
握手を求められてグッと強く握られた。あなたの活躍の場に私はおらなんだ。ヨルク様ばかりで残念だなあって笑う。
「オスヴィン様と入れ違いになることが多かったですからなあ」
バルシュミーデの白の賢者は現役の魔法省大臣だそう。それで作戦の指示も出してたから、賢者の仕事にかかりっきりになることが不可能だったそうだ。見た目はおじいちゃんだけど、五十になったばかりとか。なんでこんなに老けてるんだ?と、不思議で見上げてジーッ
「クルト様、そんなに見つめると穴が開く。我らの国は乾燥と水のせいで肌が早く老化するんだよ」
「あっ失礼をしました。あのヨルク様はおいくつ?」
「私か?私は五十二だ」
「へっ?……六十では……?」
誰だよ六十とか言ったやつは!ラムジーか!どうしようとアワアワしていると、まあそちらの国では同じ年なら、もう少し若く見えるかなとふたりとも笑った。
「すみません……」
真っ赤になって小さくなってしまった。こういうことがあるから情報は大事なんだよね。ティモの助言は正しかったよ。
「こちらへどうぞ」
人がいないのかフーゴ様がご案内。城の中はそれなりに修復されていて、物は少ないけど快適だ。が、薄暗い。明かりの魔石が足りないようで、ところどころ暗い。
「すみません。足元が見えにくいかもしれませんので、お気をつけて」
「はい」
他国のお城って初めてだ。作りは似てるけどなんか違うね。なんだろうか……山城のような戦闘用のお城のようだ。無駄がなく階段の手すりなんかも装飾があまりない。シュタルクとはどんな国だったのだろう。文化的にはどんなだったのかな。今更言ってもだけどとアンジェに話しかけると。
「大元の国に行けばわかるかもな」
「おおっそうだね」
あ、無理か。僕が外遊なんて行くことはないし、見ることはないんだろうなあ。
「なら旅行に来ればいい」
「え?ヘルテルに?」
「おお歓迎するぞ」
「うちもな」
ふわあ……旅行なんて夢だと思ってた。危なくて、国を出るなんて考えたこともなかった。この世界に来てから旅行は、アンジェの別荘くらいだもの。
「もう戦なんぞないからな。遠くは分からんが、このあたりなら大丈夫だよ」
「はい」
会議室に案内されると、王と少しの貴族しかいなかった。みんな深々と頭を下げて許せとは言えないが、これからを期待してくれと言う。死んだ仲間にも誇れるよい国にしてみせると。
早速だがと説明に入り、僕らは三地区に分かれ修復する。特に城下、城は魔力を使うからクルト様ねって。地図を見ながら俺たちはここらの農地と町をふたりでやろうと勝手に決めて、赤いペンで線を引く。
「え……お二人はその……」
「ヤダなあ。じじいをこき使う気か?」
ふたりはギロッと僕を見下ろした。ううっ
「いえ……頑張ります」
「よろしい。というか、我らはセンスがないんだよ。これからこの国の顔になる部分を修復するのが嫌なだけ。うはは」
「はあ」
クラウス様も若い方の方が華やかに出来るかなと笑う。いやあ……僕もないよそんなの。
「イメージと図面をお渡ししますから、全体にフワッとでいいんです。手直しはこちらでしますから。大枠合っていればいいのです」
「そうですか?」
「多少の違いはこちらでも出来ますしね」
「はい」
そして少し休憩の後ふたりは出発した。当然ヘルテルが飛行部隊を出してくれてね。
「クルト様はこちらを覚えて下さい」
「はい」
出された図面を……おおぉこんなの頭に入らんぞ?ええっと、調べて来たのは丸暗記の呪文。だけど古語で発音が難しく、頭に入らなくてインストールと覚えたはずだ。呪文はあってないようなもので、なんでもいいらしいと父様が言ってたからね。これは国の創世の時にしか使わないし、リフォームとかは、そういった職人がいるから。
この呪文は新しく領地を作るとか、特別なときのみなんだ。。僕は図面を全部出してもらって、テーブルに並べる。内と外装。テーブル一面になったな。
「インストール!」
ブワッと頭に焼き付けるように記憶する。一枚ずつを頭の中で城の内部、外部をコピーするように。目の裏にパラパラと流れるように図面が入って来る。よし!
「覚えました」
「ほう……この量を一発ですか。クルト殿は魔力が多いのですね」
王は感心して僕に笑いかける。
「ええ。だから色んな術が使えるんだと思います」
「これほどとは。今の世の白の賢者では、かなり上位の賢者ですよ」
私が知る限り、これほどの賢者は数人です。あなたは神に愛されているのですねって。
「自分ではわかりませんが、ありがとう存じます」
では外に参りましょうと、フーゴ様らと畑だらけの庭に移動。棟が三つで、まず中央から。
「あの、荷物は出さないのですか?」
そういやあと思って王様に聞いた。間取りが変わると家具がぐちゃぐちゃになるかもって思ってね。
「家具は術の動き合わせて移動するらしいんですよ。だから敷物だけ片付けました」
「ほほう。それは知らなかった。なら参ります!」
僕は両手を空に上げた。これもいらないんだけど、やったことない術には気合いは必要だよね。兄様もやりやすい方がいいぞって。
「エクスキュージョン!」
ぶわわわ~と城全体に魔力が広がると、建物が歪み虹色に光り始め再構築が始まった。疲れはしないけどデカいからパッって完成!って感じでは出来なくて、ジワジワ変化して行った。でも絵の通りの城が完成。次は左!同じように繰り返し完成。右もね。真っ白で、塔がいくつかあるお城らしい出来上がりだった。屋根も赤くてかわいい。
「かなり早く出来るんだね。驚き」
「俺もびっくりだ。これは、創世の頃に数ヶ月掛かるってのは一人でやってるからだろう」
クラウス様はそうでしょうねと。素晴らしい出来ですと喜んでくれた。そしてみんなで中に入って確認。間違いなく出来てるけど、なぜか装飾が全くなかった。エントランスホールの階段の手すりなんか、角材を組んだだけみたいな大理石になっている。
「あれ?外はきちんと出来たのに」
「当然です。装飾は書いてありませんでしたから」
「そうでしたか」
それは文化の違いもあるし、あなたに理解し難いかと書きませんでしたって。ご配慮ありがとう。
「我らの国は竜のモチーフが多いのです。こういった大柱にぐるっとレリーフを彫る」
「へえ……きっとすごいのでしょうね」
「ええそれはもう。フーゴお見せしろ」
「はい」
フーゴ様がモニョモニョ呪文を唱えると、目の前の柱にバルナバスのような竜が浮き上がった。すげぇ!
「エントランスは全てこのような竜を彫ります。国が違っても祖国の物を、竜を飾りたいのです」
クラウス様は、たとえ放逐されても国を思っていたのは確かですよと。なにか懐かしんでいる感じで柱を眺めていた。フーゴ様が説明をと近づいて来る。
「我らの国は騎獣はございません。その代わり小型の翼竜ワイバーンを移動、戦に使役しております。これは貴族、民関係なくですね」
「ワイバーン!あれは使役可能なのですか?」
アンジェがフーゴ様に食いついた。ビクッとして、フーゴ様はアンジェの方を向いて出来ますよって。
「そうか……だがうちは従魔士がいないな」
「こちらも現在いません。いつか国が整ったら、国としてキルステンに探しに行こうかと考えております」
「門外不出とかでは……」
「あはは。ないですよ。北の国ではどこも当たり前に使ってますからね。力のある術者は、もっと大きな竜種を使役してますよ。お金がないから、装着する魔石が用意できないのもありますね」
ほほうと一言言うと、アンジェが思考モード発動、ブツブツ言い出したな。放っとこう。みんなで中を隅々までチェックして、オッケーをもらった。細かい装飾はフーゴ様がちまちまするそうだ。もう出来る職人が王とフーゴ様だけらしい。みんな死んじゃったそうだ。ああ……それ僕ね。でも、ごめんとは言わないよ。
「さて。クルト様。あなたはポーションを飲んで街に行きましょう!」
「はい!」
そうだ庭は?とフーゴ様に聞くと、後でよいとのこと。食べ物は大切だからねって。まだ、畑を耕す農夫がおらず、この野菜は城の者だけではなく、民も食べるからだそうだ。ふーん。
僕らは用意されていた馬車で街に向かった。途中の貴族街はボロボロで、今は誰も住んでないそう。少しいる臣下たちは全部城の客間に住まわせている。もう着の身着のままに近いそうで、もうみんな慣れたって。時々ぶっこまれる話が重い……全部僕がしたことだけども!多少思うところがあるから嫌味もあるのだろう。当然だよね、こちらも同じだし。……いや、僕が捻くれてるのかも。
「少し直しますか?」
「いいえ。ここは最後でいいですよ」
「はい……」
そのまま貴族街を抜けると、更なる惨状が広がっていた。いいお天気でねえ、なにもかもよく見えるから余計に酷い。
「あの……最低限亡骸などは片付けました。よろしくお願いします」
「はい」
死体なのに片付けましたという言葉に引っかったが、聞きながーす!さてと、ここはもらった地図の通りに少しずつ直すぞ。まず貴族門を直し、その周りから建物や壁を作成。道の石畳をきれいに舗装。頭に入れた建物を……建物を……建物を……うぎゃあ!終わらん!僕は討伐の復旧を思い出した。あの……いつ終わるか分からん、恐ろしい感覚を。
「アンジェ……これね。嫌な記憶を思い出したんだけど」
「そうだな。お前まさか、一日で帰れるとか思ってたのか?」
「うん……」
「甘いな」
嘘だろ、この国大きいよ。城が簡単に出来たからすぐ終わるかと思ってたのに。
「ここはうちとさほど変わらん。お前の見通しが甘かっただけだ」
「はい……」
フーゴ様はクスクス。城と貴族街だけなら一日ですが、街や畑は移動にも時間がかかる。仕方ありませんよと、感謝してますと笑う。
「頑張ります」
「はい。お願いいたします」
日が傾く頃、フーゴ様がここまでで明日ねと城に戻った。食事は僕らが持ち込んだ材料、料理人が食事を振る舞う。
「ああ……久しぶりに美味しいものを口にした。他国にお詫びの行脚以降、こんな美味しい食事はなかったから」
「ようごさいました」
アンジェは淡々と答える。クラリス様も他の貴族も嬉しそうだった。当たり前がなくなるとは辛いものだと。自分のしでかしたことだが、身にしみるなあって。
「こうしてみなに助けてもらえることを、神に感謝いたします」
クラリス様が自然に手を組み、祈るような姿を取ると、天井を無視するような金色の光の筋が彼に注ぎ包まれた。へ?
「加護が降りたんだ。誰だろうな」
「へえ……こんなふうに外からは見えるんだ」
こんな瞬間に立ち会えたのが嬉しくて、みんな王様を見つめた。誰だろうねってみんなワクワク。少しすると王が目を開けた。
「ガイア様の天啓でした。私とこの地の加護をと仰られた」
「おお!兄上!」
「ああフーゴ。この国に加護がついたんだ!土地に力を与える神だ。きっと豊かになるぞ」
「ええ……ようございました……兄上……ッ」
みんなよかってねと泣きながらバクバク。美味しいなあって。今度は自前でご招待いたしますからね。北の物は珍しいでしょうからと、みんな楽しそうにあちらの食材や料理を話してくれる。
「ええ。期待しております。キルステンは付き合いがありませんので楽しみですね」
「ああ!期待してくれ。魚も肉も美味いんだ。米もな」
「え?米はそちらからでしたか!」
ん?と食いついた僕を見つめて、米がなにかと不思議そう。
「私は米の国から来ました。みそやしょうゆがあるとなお嬉しいんですが」
「みそ……しょうゆ……フーゴ確かあったよな」
「ええ。キルステンより北の国ですね。衣服も我らとは違い、ガウンのような衣装でした」
それは中国か日本ふうかも!期待大だな。作り方さえ教えてもらえば、たぶん僕でも出来るはずだ。
「手に入れる方法はありますか?」
「あるとは思うが……ケンプフェルに行けばなあ。あそこは物流の交差の国だし」
「そうですね。あそこならアイーデ王国の民族街があったはずです」
「よっしゃあ!あ……すみません…」
ガッツポーズしちゃったよ。でもいつか行く!というか、誰か出して買ってきてもらおう!うひゃひゃひゃっ
「クルト……下品な笑いは控えなさい」
「ゔっ……申し訳ありません。気を付けます」
あまりの嬉しさに素が出たよ。この世界に来てから貴族だからと、うっすら猫かぶってるからね。気をつけよう。アンジェに嫌われたら生きていけないもん。姿勢を正しもぐもぐ。その様子にみんなクスクスしている。くわーっ恥ずかしい!
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