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花嫁〜獣の世界編
7 この世界のこと 翠様のこと
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僕の頭の中は神隠しとかの物語のいくつかが駆け巡った。でもあれらの話は「神隠し」として記録にある。みんなの記憶からその人が消えるなどない。帰って来ても来なくても人の記録、記憶には残っている。なのに。
「夏樹。俺はお前を人のところに戻す気はない」
さも当然そうである。そして翠様は食事を続けている。
「……僕の生きた記録は何もないということなのでしょうか。母たちには子は生まれなかったと、そういうことですか?」
「そういうことになる。祭りは雪斗だっけか。アレを加護する力を込めた」
「そう……ですか」
僕には帰るところはなくなりここに住むしか道はなくなった。無理やり帰ったところで誰の記憶にもなく、生まれなかったということは戸籍すらない。このまま戻ってもどう生きればいいかすら思いつかない。父さんも母さんも不審者を見る目になるだろう。
「なぜですか。なぜ僕にこんなことをするのですか」
「それは……御子は特別で、ここの獣に呼ばれるとあちらの世界での存在が全て消えるんだ。初めから生まれてないことになる」
僕はこの事実に悲しみしかなかったけど、よくよく考えれば親は先に死ぬ。そして翠様の「呪い」のせいで結婚は厳しい。なら変わらんのではないかと考えつく。人の世界に出入りは可能で買い物まで出来ると言う。ならば両親を一目見ることは可能か。海外にでも婿に出たと思えば同じである。日本の反対側に行ったと思えば……かな。かなり前向きに考えてみたけど不可逆性か?の問いに、翠様はうんとうなずいた。ならば、
「かしこまりました。僕はこの事実を受け入れます。とりあえずご飯は食べます。その後に少しお話をよろしいですか?」
「ああ構わん」
お供えされた新米はとても美味しい。キジも山菜も。イオさんは料理の味付けも上手くて盛り付けすら綺麗。旅館の料理のようで目にも楽しい。もう前を向くしかないだろこれはさ。
「お茶をどうぞ。夏樹様」
「ありがとうございます」
食べ終わるとお茶が差し出されお茶すら美味しかった。夕飯はお日様が沈んだ頃です。それまでは屋敷の敷地内や屋敷を散策したりしてお過ごしをと犬のルイさん。
「決してお一人で敷地外に出ませんように。人は目立ちます。そして……襲われますから」
「食われるの?」
「それもあるし、性的な意味でも食われます」
「グッ……絶対出ません」
そうしてって。翠様もお茶を飲み終わると夏樹来なさいと立ち上がる。
「ゆっくり話そう」
「はい」
先ほどの縁側の廊下ではなく内廊下を歩く。日が当たらないためか等間隔に小さな行灯が足元にあり、暗く歩きにくいもない。
「ここだ」
翠様が襖を開けると和洋折衷なんでもありだよ。二間ぶち抜いてるのか応接セットのソファとテーブル。そして床の間の前にはキングサイズのベッド。そして現代風のオフィス机とはならず文机と座椅子。机には筆と墨と半紙。そしてよく見るノートやボールペン、シャーペンや鉛筆と消しゴム、蛍光マーカーまである。床の間にはテレビもありDVDプレーヤー。棚には映画のソフトがてんこ盛り。ずいぶんと人の文化を取り入れていますなあ。
でも……落ち着くかな。こんなお宅は田舎では結構あるんだ。時代が進んでも家はそうそう建て替えられないからね。
「ここで話すか、また縁側にするか」
「翠様のいいところで構いません」
「なら縁側がいい」
端の座布団を持てって言われて持ち上げると、翠様は縁側の障子戸を開ける。傾いた秋の日差しが心地いい。僕は二つ並べて置いた。すぐに翠様が座り僕も座る。足元の沓脱石には草履が置いてある。
「さっきは飯が不味くなる会話を許して欲しい。悪気はなかったんだ」
「いえ。あそこで聞いてもその後聞いても事実は変わらないのでしょう?」
「……帰すことは出来るが……したくない」
「はい」
これは愛の告白でしょ?「気に入ってるから」が理由だと聞いた。子供の頃から僕に目標を絞り、自分が気に入る年頃まで待ち祭りに強制参加させる。当然齟齬が出ないように対抗馬の雪斗まで用意。そして……僕の存在は消えた。
「翠様は僕のどこに惹かれましたか?幼い頃は引っ込み思案でした。村ではそこそこ勉強は出来ましたが都会に出ればそこまででもない。特徴があんまりない子でしたのに」
翠様は遠くを見つめながらそうだなあって。お茶をどうぞと犬のルイさんがお盆に乗せて持ってきてくれた。茶菓子の栗まんじゅうつき。
「勘……かな。神社の信徒でもない家の子。でも祭りの時境内で遊ぶたくさんの子供たち。でもお前だけ光っている気がした。俺は目が離せなくて毎年お前を見るのが楽しみになった。大きくなってくると好きになった」
「ふーん」
傍へと胸に抱かれた。昨日の今日なのにふわふわした幸せを感じる。決して抱かれたからじゃない何かを感じる。たぶん好きになれる。そんな確信だ。今は……よくわかんない人でしかないから今後に期待。好きになれなくて困るようなら解放してくれるでしょ。……いや、神隠しもいいところでその先を考えると怖い。好かれる努力はした方が損はないかもね。大人って嫌だねえ。打算的な回答が頭に浮かぶんだもの。
「お前が年ごろになると不安ばかりだった。俺の夏樹に触んななんて気持ちばっかでさ」
「あははっ」
「つい力使って邪魔し始めた。そしたら悲しそうな顔をしてて……少し反省はするんだがやめられなかった。でもいい感じになるまではしなかったから友達にはなれたろ?」
「確かにね」
全部僕が好きだから、お嫁に欲しいからいろいろしたそうだ。そう恥ずかしげもなく言う翠様。ひとりは楽で好きだったけど、こうして愛を囁かれれば心は傾くもの。普通なら男は拒否だけどこの人なら構わない。そう思わせるなにかがある。ここに来た時から僕おかしいもの。初めての人に抱かれる。それも男に。なのに最後は気持ちよくて自分で腰振って、なおかつ自分から抱きついてたんだよね。今も彼のがお尻にいるような感触は残ってるけどこれも嫌じゃない。
「ずっと愛してくれますか?」
「もちろん命尽きるまで。ここは人と違うところで基本死ぬまでだ。伴侶はよほどのことがなければ代えない」
「なら安心ですね。でももし僕が心変わりしたらどうされますか?」
この世界の神と呼ばれる獣に愛された御子が心変わりした例はないらしい。どの御子も死ぬまで相手に寄り添い共に死ぬ。人の寿命は短く、獣の一部の力を共有することで同じ寿命にする。だから神が死ねば伴侶も死ぬ。神と呼ばれる獣はみなそういう運命なんだそう。だから翠様から僕をいらないということはない。今はそう断言すると腕に力が入り、尻尾で僕の顔をフサフサと撫でる。
「立派な尻尾ですね」
「自慢の尻尾だ。夏樹と真の番になればこれは二本以上になる。してみないと何本かは分からんがな」
ふわふわの大きな尻尾を抱くと不審なことを言う。
「あの……真の番とはなんですか?」
「寿命を俺と同じにする儀式だな。このままではお前は百年もせず爺さんになって死ぬ。だからこの姿を固定し、俺の寿命まで延ばすんだ」
「ふむ」
そこは理解した。こんな大きな屋敷で翠様が僕がいなくなって泣き暮らすとかは可哀想だし。そんな話をすると、お前バカ?と。
「泣き暮らすなんてない。俺はたぶん狂って死ぬ。暴れてこの地の知り合いの竜に殺されるよ」
「はあ?なにそれ怖い」
神と呼ばれる獣はこの世界でも珍しくなった。昔のようにたくさんいるものでもなくなった。みな社や神社が放棄されたり、村がなくなったり。再開発で撤去されたりで忘れられた。だから神からただの獣になって戻っている。だから今神と呼ばれる獣たちは特別で力も強いらしい。
「伴侶、番を得ると人の心を真に理解するようになるんだ。寿命の違いと獣としての本能かな。命を軽んじるのがこの世界の住人でな。人を守ることの意味を理解するんだ」
「ふーん」
ふーんじゃない。俺たちにとってはとても大切なことだと叱られた。すみません。
普通の獣は伴侶がいなければ寿命は最大三百年もあればいい方。だが、人から妻や夫を手に入れた神の獣は無限と言われている。でもまあそれは誇張だそう。それでもだいぶ長くなるらしい。
「俺は神と呼ばれる獣で他とは違う。だから夏樹を手に入れたことで……千年と少しかな。だから俺はかなり残ってる。長寿なだけで死に方は人と同じ、風邪も引くし大怪我すれば死ぬ。注意してくれ」
「はい。天涯孤独になったのに即死亡とかは避けたいですね」
「だから、俺の目の届くところにいてくれ」
昨日のでは足りない。夕飯までまだあるし抱かせてって。おいおい。僕のお尻は薬の効果切れか違和感たっぷりだよ。少し間を置いてくれ、お尻が壊れる。つかさ、よくあのサイズ入ったよね。僕のお尻すごいとしか思えん。
「そう言えば僕お風呂入ってないけど」
「ん?俺が舐めておいたから綺麗だ。不潔なことはない」
「な、舐めた?」
「舐めた」の単語が理解不能。舐めたとはなんなの?物理的に舐めだったこと?僕は焦って体を確かめたけど綺麗ではある。バタバタ動く僕に翠様は苦笑いを浮かべた。
「獣は自分で毛繕いするだろ」
「ええ……ええ?お尻舐めますよね。精液どころかう◯こ……いやあああっ」
バカだなあと笑った。そんなの気にするの人間だけだと楽しそう。う、うそ……
「呆然とすんな。普段はお風呂入ってるよ」
「そ、そう……ならいいか」
怖い話も混じってたけど文化の違いはゆっくりと覚えていこう。家族より一緒にいてくれて、それも死ぬ時は一緒だという。これほど安心する言葉はない。たぶん。
「ふつつか者ですが、これからよろしくお願いします」
「ああ。大切にする」
愛してる夏樹と唇が重なるとパンツ履いてないことに気がつく。なぜなら指がスルリとお尻に触ったから。
「嬉しいんだ。だから」
「翠様、それとこれはアウッ」
痛がったら抱き上げられてベッドに寝かされ、見覚えのある昨晩のお薬を入れられた。そして不覚にも僕も悦んでしまい……あはは……
「夏樹。俺はお前を人のところに戻す気はない」
さも当然そうである。そして翠様は食事を続けている。
「……僕の生きた記録は何もないということなのでしょうか。母たちには子は生まれなかったと、そういうことですか?」
「そういうことになる。祭りは雪斗だっけか。アレを加護する力を込めた」
「そう……ですか」
僕には帰るところはなくなりここに住むしか道はなくなった。無理やり帰ったところで誰の記憶にもなく、生まれなかったということは戸籍すらない。このまま戻ってもどう生きればいいかすら思いつかない。父さんも母さんも不審者を見る目になるだろう。
「なぜですか。なぜ僕にこんなことをするのですか」
「それは……御子は特別で、ここの獣に呼ばれるとあちらの世界での存在が全て消えるんだ。初めから生まれてないことになる」
僕はこの事実に悲しみしかなかったけど、よくよく考えれば親は先に死ぬ。そして翠様の「呪い」のせいで結婚は厳しい。なら変わらんのではないかと考えつく。人の世界に出入りは可能で買い物まで出来ると言う。ならば両親を一目見ることは可能か。海外にでも婿に出たと思えば同じである。日本の反対側に行ったと思えば……かな。かなり前向きに考えてみたけど不可逆性か?の問いに、翠様はうんとうなずいた。ならば、
「かしこまりました。僕はこの事実を受け入れます。とりあえずご飯は食べます。その後に少しお話をよろしいですか?」
「ああ構わん」
お供えされた新米はとても美味しい。キジも山菜も。イオさんは料理の味付けも上手くて盛り付けすら綺麗。旅館の料理のようで目にも楽しい。もう前を向くしかないだろこれはさ。
「お茶をどうぞ。夏樹様」
「ありがとうございます」
食べ終わるとお茶が差し出されお茶すら美味しかった。夕飯はお日様が沈んだ頃です。それまでは屋敷の敷地内や屋敷を散策したりしてお過ごしをと犬のルイさん。
「決してお一人で敷地外に出ませんように。人は目立ちます。そして……襲われますから」
「食われるの?」
「それもあるし、性的な意味でも食われます」
「グッ……絶対出ません」
そうしてって。翠様もお茶を飲み終わると夏樹来なさいと立ち上がる。
「ゆっくり話そう」
「はい」
先ほどの縁側の廊下ではなく内廊下を歩く。日が当たらないためか等間隔に小さな行灯が足元にあり、暗く歩きにくいもない。
「ここだ」
翠様が襖を開けると和洋折衷なんでもありだよ。二間ぶち抜いてるのか応接セットのソファとテーブル。そして床の間の前にはキングサイズのベッド。そして現代風のオフィス机とはならず文机と座椅子。机には筆と墨と半紙。そしてよく見るノートやボールペン、シャーペンや鉛筆と消しゴム、蛍光マーカーまである。床の間にはテレビもありDVDプレーヤー。棚には映画のソフトがてんこ盛り。ずいぶんと人の文化を取り入れていますなあ。
でも……落ち着くかな。こんなお宅は田舎では結構あるんだ。時代が進んでも家はそうそう建て替えられないからね。
「ここで話すか、また縁側にするか」
「翠様のいいところで構いません」
「なら縁側がいい」
端の座布団を持てって言われて持ち上げると、翠様は縁側の障子戸を開ける。傾いた秋の日差しが心地いい。僕は二つ並べて置いた。すぐに翠様が座り僕も座る。足元の沓脱石には草履が置いてある。
「さっきは飯が不味くなる会話を許して欲しい。悪気はなかったんだ」
「いえ。あそこで聞いてもその後聞いても事実は変わらないのでしょう?」
「……帰すことは出来るが……したくない」
「はい」
これは愛の告白でしょ?「気に入ってるから」が理由だと聞いた。子供の頃から僕に目標を絞り、自分が気に入る年頃まで待ち祭りに強制参加させる。当然齟齬が出ないように対抗馬の雪斗まで用意。そして……僕の存在は消えた。
「翠様は僕のどこに惹かれましたか?幼い頃は引っ込み思案でした。村ではそこそこ勉強は出来ましたが都会に出ればそこまででもない。特徴があんまりない子でしたのに」
翠様は遠くを見つめながらそうだなあって。お茶をどうぞと犬のルイさんがお盆に乗せて持ってきてくれた。茶菓子の栗まんじゅうつき。
「勘……かな。神社の信徒でもない家の子。でも祭りの時境内で遊ぶたくさんの子供たち。でもお前だけ光っている気がした。俺は目が離せなくて毎年お前を見るのが楽しみになった。大きくなってくると好きになった」
「ふーん」
傍へと胸に抱かれた。昨日の今日なのにふわふわした幸せを感じる。決して抱かれたからじゃない何かを感じる。たぶん好きになれる。そんな確信だ。今は……よくわかんない人でしかないから今後に期待。好きになれなくて困るようなら解放してくれるでしょ。……いや、神隠しもいいところでその先を考えると怖い。好かれる努力はした方が損はないかもね。大人って嫌だねえ。打算的な回答が頭に浮かぶんだもの。
「お前が年ごろになると不安ばかりだった。俺の夏樹に触んななんて気持ちばっかでさ」
「あははっ」
「つい力使って邪魔し始めた。そしたら悲しそうな顔をしてて……少し反省はするんだがやめられなかった。でもいい感じになるまではしなかったから友達にはなれたろ?」
「確かにね」
全部僕が好きだから、お嫁に欲しいからいろいろしたそうだ。そう恥ずかしげもなく言う翠様。ひとりは楽で好きだったけど、こうして愛を囁かれれば心は傾くもの。普通なら男は拒否だけどこの人なら構わない。そう思わせるなにかがある。ここに来た時から僕おかしいもの。初めての人に抱かれる。それも男に。なのに最後は気持ちよくて自分で腰振って、なおかつ自分から抱きついてたんだよね。今も彼のがお尻にいるような感触は残ってるけどこれも嫌じゃない。
「ずっと愛してくれますか?」
「もちろん命尽きるまで。ここは人と違うところで基本死ぬまでだ。伴侶はよほどのことがなければ代えない」
「なら安心ですね。でももし僕が心変わりしたらどうされますか?」
この世界の神と呼ばれる獣に愛された御子が心変わりした例はないらしい。どの御子も死ぬまで相手に寄り添い共に死ぬ。人の寿命は短く、獣の一部の力を共有することで同じ寿命にする。だから神が死ねば伴侶も死ぬ。神と呼ばれる獣はみなそういう運命なんだそう。だから翠様から僕をいらないということはない。今はそう断言すると腕に力が入り、尻尾で僕の顔をフサフサと撫でる。
「立派な尻尾ですね」
「自慢の尻尾だ。夏樹と真の番になればこれは二本以上になる。してみないと何本かは分からんがな」
ふわふわの大きな尻尾を抱くと不審なことを言う。
「あの……真の番とはなんですか?」
「寿命を俺と同じにする儀式だな。このままではお前は百年もせず爺さんになって死ぬ。だからこの姿を固定し、俺の寿命まで延ばすんだ」
「ふむ」
そこは理解した。こんな大きな屋敷で翠様が僕がいなくなって泣き暮らすとかは可哀想だし。そんな話をすると、お前バカ?と。
「泣き暮らすなんてない。俺はたぶん狂って死ぬ。暴れてこの地の知り合いの竜に殺されるよ」
「はあ?なにそれ怖い」
神と呼ばれる獣はこの世界でも珍しくなった。昔のようにたくさんいるものでもなくなった。みな社や神社が放棄されたり、村がなくなったり。再開発で撤去されたりで忘れられた。だから神からただの獣になって戻っている。だから今神と呼ばれる獣たちは特別で力も強いらしい。
「伴侶、番を得ると人の心を真に理解するようになるんだ。寿命の違いと獣としての本能かな。命を軽んじるのがこの世界の住人でな。人を守ることの意味を理解するんだ」
「ふーん」
ふーんじゃない。俺たちにとってはとても大切なことだと叱られた。すみません。
普通の獣は伴侶がいなければ寿命は最大三百年もあればいい方。だが、人から妻や夫を手に入れた神の獣は無限と言われている。でもまあそれは誇張だそう。それでもだいぶ長くなるらしい。
「俺は神と呼ばれる獣で他とは違う。だから夏樹を手に入れたことで……千年と少しかな。だから俺はかなり残ってる。長寿なだけで死に方は人と同じ、風邪も引くし大怪我すれば死ぬ。注意してくれ」
「はい。天涯孤独になったのに即死亡とかは避けたいですね」
「だから、俺の目の届くところにいてくれ」
昨日のでは足りない。夕飯までまだあるし抱かせてって。おいおい。僕のお尻は薬の効果切れか違和感たっぷりだよ。少し間を置いてくれ、お尻が壊れる。つかさ、よくあのサイズ入ったよね。僕のお尻すごいとしか思えん。
「そう言えば僕お風呂入ってないけど」
「ん?俺が舐めておいたから綺麗だ。不潔なことはない」
「な、舐めた?」
「舐めた」の単語が理解不能。舐めたとはなんなの?物理的に舐めだったこと?僕は焦って体を確かめたけど綺麗ではある。バタバタ動く僕に翠様は苦笑いを浮かべた。
「獣は自分で毛繕いするだろ」
「ええ……ええ?お尻舐めますよね。精液どころかう◯こ……いやあああっ」
バカだなあと笑った。そんなの気にするの人間だけだと楽しそう。う、うそ……
「呆然とすんな。普段はお風呂入ってるよ」
「そ、そう……ならいいか」
怖い話も混じってたけど文化の違いはゆっくりと覚えていこう。家族より一緒にいてくれて、それも死ぬ時は一緒だという。これほど安心する言葉はない。たぶん。
「ふつつか者ですが、これからよろしくお願いします」
「ああ。大切にする」
愛してる夏樹と唇が重なるとパンツ履いてないことに気がつく。なぜなら指がスルリとお尻に触ったから。
「嬉しいんだ。だから」
「翠様、それとこれはアウッ」
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