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幼なじみと隣の席の女の子
撮影と投稿と付き添いと
しおりを挟む私は……綾という名前でモデル活動をしているお姉ちゃんにそそのかされ、もとい、手伝わされている。
双子というには違い過ぎる性格……私には何度も無理だと断っていた。
でも、父亡き後、私達を女手一つで育ててくれている母が、昨年倒れた。
昼も夜も働き通しで倒れるのも無理がない。
だから……お姉ちゃんが私に言った。協力してくれと……お母さんの為に……。
私とお姉ちゃんは双子だ。性格はまるで違うけど、でも……容姿もスタイルも顔も全く一緒だった。
この間もそうだけど、入れ替わってバレた事は今まで一度もない。
眼鏡を外し、髪を整え、化粧をすれば、私はお姉ちゃんに……モデルの綾になれる。
お母さんは当初、お姉ちゃんの仕事を、私達の仕事を反対した。学業が疎かになるからと……。
でも私達は押しきった。「勉強もしっかりやる、卒業もする」と言って……そして私は都内でトップクラスの進学校に入学しそれを証明した。
人見知りの私が人前に立つのは大変だった。
でも、眼鏡を外せば殆ど何も見えない……だけどそのお陰で緊張もしない、私はそれを利用した。
まあ、イベントなんかで人前に立つのはほぼお姉ちゃんがしている。私は雑誌の撮影や、お姉ちゃんが仕事で遠くに行っている間に依頼された服を着て自ら撮影をしネットにアップしたりするのがメインだ。
事務所に入ると断れない仕事が出てきたりするので、事務所には所属していない。なので私がマネージャーの代わりをする。
メールで仕事の依頼を受け、お姉ちゃんに伝える。
お姉ちゃんが試験やら行事があったり、体調不良の時にのみ、私が現場に行く事も……。
凄く緊張する……人見知りの私には大変だけど……でも私は、お姉ちゃんなのだ。お姉ちゃんになりきるんだって自分に言い聞かせて仕事をしている。
そしてその為に、問題が起きた。
まずうちの学校では、アルバイトが禁止されている。
勿論モデルの仕事なんてもっての他だった。
私はお姉ちゃんが綾だと思っている。お姉ちゃんは二人で綾だって言ってくれるけど……そもそもモデル活動を始めたのはお姉ちゃんなのだから。
だから私は自分がお姉ちゃんの替え玉だと、綾だと言う事を他人に知られてはいけない。
人見知りだから、お姉ちゃんと同じ様に僅かに残る顔の痣を気にして……目が悪いから……と、これ以外に、人にバレてはいけないと言う理由から、髪と眼鏡で常に顔を隠している……。
子供の頃、顔の痣で苛められた経験から私は人が苦手になった。しかもこの髪、この眼鏡……幽霊の様な自分には誰も近寄らない……。
ただ一人を除いて……日下部君だけ……。
初めての男友達と初めて連絡先を交換し、私は舞い上がった。
そして……私はずっと待っていた……メッセージをずっと……何度も私から送ろうか迷った……お姉ちゃんが苦手なので、私がスマホもPCも仕事で使いこなしている。なので、私から送る事は容易だ。
でも、同級生にメール等を送った事は無い……そもそも今まで友達は殆どいなかった。
だから躊躇してしまう。怖くなってしまう。
でも、夏休みに入った朝、遂に彼から、日下部君からメッセージが届く。
お姉ちゃんの仕事の付き添いで出かける寸前だったけど、私は彼とメッセージのやり取りをした。
「何、朝からニヤニヤしてんの?」
「え? ああ、うんちょっとね」
「いいわね~~素敵な彼が出来て」
「そ、そんなんじゃないよ!」
「どうだか、さあ行くよ」
「あ、はーーい」
私は彼にご飯を食べるから……と、嘘をついてメッセージを終わらせた。
ずっとしていたかった……止めるのが凄く嫌だった。
そう……私は彼にこうやって時々嘘をついている……自分の事を言えない、自分の本当の姿を見せられないと言う……理由から嘘を。
苦しい……彼に嘘をつく事が……苦しくて心が痛む……でも知られるわけにはいかない……誰にも──私が綾の代わりだって事を知られるわけには……いかないから。
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