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委員長とみかんちゃん
しおりを挟む「うわーーうわーー、みかんちゃんと一緒のクラス、うわーーーー」
僕の手を引くみかん委員長、ああ、暖かい手♡
みかん委員長は僕の手をグイグイ引っ張って行く、そうだよね、僕ってやっぱり気が弱いからこういうグイグイ引っ張ってくれる女性が良いのかも。
周りが僕とみかん委員長をじろじろ見ている、お似合いカップルって思われてるのかも~~
グイグイと僕を引っ張るみかん委員長はとある教室の前で立ち止まる。
「視聴覚室?」
「入って……、入れ、入りなさい!」
教室を前に光るメガネで僕をにらむ、こわ!!
「は、はい!!」
僕は扉を開けて中に入るとみかん委員長がすぐに扉を閉めた、でもこれって……何度か漫画やらのべで読んだ展開にそっくり、ひょっとして、ああこれはまさか!
夢にまで見た……告白シーン?!
だって運命的な出会いじゃない? まさか僕とみかんちゃんって、相思相愛?!
みかん委員長は僕を掴むとすぐ側の壁に押し付けそのまま僕の顔の横に手を付く、いわゆる壁ドンだ!
「きゃ」
「きゃ! じゃない! 逆でしょ!」
「うわうわうわああ、みかんちゃんだ、やっぱりみかんちゃんだ!!」
顔が物凄く近い、本やDVDで見たみかんちゃん、この間会ったばかりのみかんちゃん、今日はメガネをかけているけどみかんちゃん、髪型も髪の色も違うけど顔は間違いなくあのみかんちゃん、ああ、制服姿も素敵だなあ~~~~。
「だーーーーかーーーーらーーーーみかんちゃん言うな!」
「え? だってみかんちゃんをみかんちゃんって言って何が悪いんですか! 僕の憧れの、大好きなみかんちゃんじゃないですか! ああ、やっぱり本当にみかんちゃんだ」
「みかんみかんうるさい! でも……えっとまあ、ありがと」
「いえいえ、どういたしまして」
「違う!! えっと、あーーもうなんか調子が狂うな、と、に、か、く、学校じゃ私の事をみかんちゃんって言うな!」
「みかん……さん?」
「敬称を変えろって話しじゃない」
「えっと、じゃあ、みかん委員長?」
「ちーーがーーうーー、みかんって呼び名を出すなって言ってるの、それ源氏名だから、マナー違反だぞ!」
「源氏名?」
「ああ、そうか、あんたお店には来たこと無かったっけ、めんどくさいなーーもう、とにかく私はみかんで活動してる事は内緒なの! 知られたら困るの!」
「ああ、うちってアルバイト禁止ですもんね、でも許可を取れば出来るんじゃ無かったでしたっけ?」
「メイド喫茶でアルバイトなんて許可が降りるわけないでしょ!」
「え? そうなんですか?」
「そりゃ、いかがわしいって言われるし」
「えーーーー、そんなにいかがわしい所なんですか! メイド喫茶って」
「いや、そんないかがわしくはないけど、やっぱり年配の人だとテレビとかの影響でキャバクラみたいなイメージを持ってる人も多いし」
「な、な、なんてこった、メイド様達がそんなお立場に……やっぱりここはみかんちゃんが代表で学校の考えを是正するべく立ち上がり、メイド様達の評価や地位を上げましょう、僕も出来る限りの協力は!!」
「止めて~~~~本当止めて、てかあんたメイドの事になると人が変わった様になるわよね?」
「メイドは僕の命ですから!」
「命って、まあいいわ、とにかく困るの、バレたら退学まであるんだから!」
「えーーーーー退学、それは困ります! せっかく出会えたのにみかんちゃんが居なくなるなんて」
「だーーかーーらーー、学校でみかんちゃんって言うなって言ってるの!」
「でも、なんて呼べば?」
「普通に名前で呼べばいいじゃない」
「えっと、一萬田凛さん?」
「へーーーー私のフルネーム知ってるんだあ」
「ええ、クラス全員のフルネーム及び誕生日を覚えてます!」
「へーーーー……」
「いつ誰と友達になっても言い様に必ず覚えてます!」
「へ、へーーー」
「ただ、今まで役に立った事はありません、小学生の頃は喋った事もない子のフルネームと誕生日をつい言っちゃってドン引きされた事があります!」
「へーー……、いやいや、とにかく分かった?! 私の事は秘密だから!!」
「あ、はい…………で、でも……」
「な、何よ、何か言いたい事があるなら聞くわよ!」
「えっと、その……黙ってる代わりに……」
「ああ、そうきたか、ふーーーーん、やっぱりね、まあそうなるわよね」
「そうなる?」
「結局そうなのよね男って、何よ!、あの同人みたいにしたいの? あの同人の様な事を私に求めるのね!!」
「同人?」
「ハイハイ分かったわよ、本当可愛い顔して……さあ私は何をすれば良いの? 言いなさいよ、そしてしなさいよ! ほら!! 今ならなんでもやり放題よ!!」
「えええ!、えっと、良いんですか? 本当に!?」
「ふん、最初からそれが目的なんでしょ、ふん、どうせそうなのよ……みんな……」
「じゃ、じゃあ、お願いを聞いてください」
「何よ! とりあえず脱げば良いの?!」
「えっと……その……僕と…………僕と友達になって下さい!!」
「…………は?」
「いや、えっと、僕と友達に」
「いや聞こえたし、は? えっと何を言ってるのかな? なんでも良いって言ってるのよ?」
「うん、だから僕と友達に!」
「あんた……バカ?」
「え? ダメか、やっぱり……そりゃそうだよね、みかんちゃんが友達になってくれるわけないよね」
「いや、えっと……あんた本気で言ってるの?」
「うん……僕……最初からみかん、あ……、一萬田さんと友達になりたかったし、そうしたら一萬田さんはみかんちゃんで、でもやっぱりそれでも友達になりたかったんだ、でも無理だよね、僕なんかと、えっと……ごめんね、忘れてくれていよ」
「いや、えっとそうじゃなくて……佐々井君…………ああ、そうか……あなたってそういう人なんだ……、うん、分かった、良いよ、佐々井君、じゃあ……友達になろう!」
「本当に?」
「うん、男友達って私も初めてだからよくわからないけど、良いよ」
「本当! 本当に本当!! やった、やった、やったああああああああああ!!」
うわああああ、友達が出来た、友達って出来るんだ、生まれて初めて自分から言って友達が出来た!!
「そんな友達くらいで大袈裟な」
「小学生以来の友達だああああああ!! やったああああああああああ」
「え!」
「嬉しい嬉しいよおおお、うえええええええええん」
ああ、涙が、涙が出るうう、嬉しい、嬉しい、嬉しい~~~~~!
「泣くな! 重い重い重い重い、友達だからね、ただの友達だからね!!」
「うん嬉しい、ありがとう、みかんちゃん!!」
「だーーかーーらーーーみかん言うなあああああああ!!」
僕に友達が出来た、小学生以来二人目、愛真についで二人目の友達が出来た、しかも僕のアイドルの大好きなみかんちゃんが友達になった!!
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