1 / 255
プロローグ
しおりを挟む「お兄ちゃん……わたしと付き合って!!」
「え……、はあ? な……、なんで?」
特別仲が良いとも悪いとも言えない実の妹に唐突に告白された……
温暖化なのだろうか、一昔前の小説では入学式に都内で満開の桜の描写がされていた。
まあ場所によって咲く次期は変わるからその描写も間違いじゃない。
親が言うには、東京近郊のここら辺も昔は入学式に満開の花が咲いていたらしいが、ここ数年この辺じゃあ桜は卒業式と相場が決まっている。
明日は俺の入る高校の入学式、近所の桜はすでに散って青々とした葉が生い茂っていた。
夕方、自宅の2階自室で俺は入学式の支度を終え、一息ついてベットに寝転がり大好きな本を読んでいた。
入学式の前夜という以外は特に何て事はなかった俺の日常は、ノックと共に突然入ってきた妹によってとんでもない日に書き換えられ、結果この後の高校生活が一変してしまう事になる。
『俺には同じ年の妹がいる、ただし双子では無い』
俺が家に近いと言うだけの理由で決めた高校に、年子の妹も一緒に入学する事になっていた。
幼稚園、小学校、中学校、妹とは常に同じ学校だった。
年子の為に「双子? 似てないね」と言われ続け、「双子じゃなくて、年子なんだよ、似てないのは当たり前だろ」と言うセリフも、入学式やクラス替えの度の恒例となっていた。
俺なんかよりも遥かに頭のいい妹、進学校に合格したと聞き、ようやく高校は違う学校になったと思ってちょっと安心していた矢先、妹が唐突に俺にこう言った。
「あ、お兄ちゃん、私も家から近い方が良いから、同じ高校にするね~」と物凄く軽い感じで言われる。
結局同じ理由で同じ高校に入学する事になり、俺はまた同じ学校か……と若干辟易していた。
ここで軽く自己紹介をしておこう、俺は長谷川裕、妹の名前は栞
両親は共働きでかなり忙しく、余り家に居ない事を除けば、ごく普通の一般家庭。
妹はかなり頭が良く、全国トップレベルと言う事を聞いた事がある……が、俺は妹とは違い、成績も見た目も平凡と言うのが自己評価、特に取り柄も隠された才能も今のところ見つかっていない。
勿論ラノベの主人公の様に突如モテた事もなく、告白なにそれ美味しいの? と言うありさま、ああ、そう言えば幼稚園の時にバレンタインのチョコを貰ったぞ! どうだ凄いだろう…………ううう
まあ……そんな人生だった俺に妹が告白してきた!
て言うか……、生まれ初めての告白が妹って……
####
「えーーっと、エイプリルフールは先週だよな、なんの冗談だ?」
「じょ、冗談でこんな事言わない!、お兄ちゃんの事が前から好きなの……、だから…………私と付き合って!!」
「付き合うって、買い物とかじゃないよな?、恋愛って意味だよな?」
「当たり前でしょ!!」
俺の前にいる妹が更に近づき、俺を見上げながら声をあらげる
近い近い、ちょっと良い匂い
「えーーーーっと、なんで?、てか俺達兄妹だぞ付き合うって……」
「わかってるよ、でも、でもおおおおおぉぉぉ」
真っ赤な顔で、俺を見つめている妹の瞳から涙が溢れてくる。
その涙が本気だと言うことだけはわかった……
「まて、わかったから、ちょっと待て泣くな、お前が本気だってのはわかった」
「じゃあ付き合ってくれる!!!」
「なんで俺なんだ?、お前モテるだろ実の兄だぞ俺は……」
妹は俺と違い凄くモテる……らしい。
背中まであるロングの黒髪、目はややつり目だが大きな目。
小柄で細い身体は抜群では無いが、童顔と合わせて特にごく一部の趣味の方には、堪らないであろう。
明るく友達も多い、俺の数倍以上はいる……、ってほっとけや!
「お兄ちゃん、好きになるのに理由なんて無いの……、恋ってするものじゃない落ちる物なんだよ」
「いや、そんなどこかで聞いた様な、良いこと言われても」
「だから私と付き合って!」
「だからってなんだよ、ちょっと待て兄妹で付き合うっておかしいだろ?」
「そう?、最近のラノベじゃよくあるし、お兄ちゃんの持ってる漫画だと、付き合うどころかもっと凄い事も……」
赤い顔を更に赤らめ、妹がのたまう……
「まて、俺の漫画って……なに見てるんだああああああ!!」
妹の両肩を掴み俺は声をあらげた
「なにって、ベットのマットレスの下にある」
その近い顔を嫌がりもせず平然と答える妹、いやそう言う問題じゃない!
「言わんでいいいいいいいいいい、てかそれは作り話、現実では無いの!
ついでに探し物は定番のベットの下で諦めろ、てか勝手に部屋に入るな、そして探すな!」
「えーーーでもネットとかでも、兄妹で付き合ってますとかって」
「もう何処から突っ込んでいいかわからねえ、わかったもうそれ以上言わなくて良い……」
頭が痛くなってきた俺は、こめかみに指を当てつつ何とか答えた
「じゃあ私と付き合ってくれる?」
真剣な目で見つめてくる妹、その瞳は涙で溢れている。
別に嫌いではない、むしろ可愛いとは思うが、それはあくまでも妹として
しかし、ここまで思い詰めた表情の妹は今まで見たことがない……
そして生まれて初めての告白、傷付けない断り方なんて想像もできない俺は……
「考えさせてくれ」
ヘタレラノベ主人公の様な答えを選んでしまった。
どうするか……、とりあえずはエロ本の隠し場所変えないと……
名前 長谷川 栞
バスト お兄ちゃん以外は内緒
ウエスト お兄ちゃんにだけ教える
ヒップ お兄ちゃんに測って貰う
好きな物 お兄ちゃんの好きな物
嫌いな物 お兄ちゃんの嫌いな物
趣味 お兄ちゃんのお部屋探索 お兄ちゃん絵日記を書く事。
特技 お兄ちゃんの事は何でも知っている事、お兄ちゃんの為にコーヒーを入れる事
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
