異世界街道爆走中〜転生したのでやりたい仕事を探します。

yuimao

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第二章 小さな白竜との出会い

第13話 森の中の生活

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 深い緑が生い茂る妖魔の森。
 時々、地球では見たことがない色鮮やかな鳥がさえずり、チラチラと光る幼霊が至るところにいる。

 俺とウェンディはそんな森の中をトボトボと歩いていた。

「・・・喉乾いた。ウェンディ水出してくれ」
「はぁ?出せるわけないでしょ。私は風の精霊よ。」
 変わらない景色の中、1時間も歩いていれば喉も渇く。いくら便利な馬車があっても、それは所詮馬車。荷物や人を運ぶものである。

「・・・使えね~」
「なんですって!あなたが水を出せばいいでしょ?」

 考えてみれば、転生させられたのは森の中だ。
 町や村に着くまでに水や食べ物を探さなくてはならない。サバイバル生活の始まりである。
 
「あのな。俺は風の妖精と契約したんだぞ。ウェンディが水を出せないのに、俺ができるわけ無いだろ」
「それは、あなたの周りにいる水の幼霊にお願いすればいいじゃない」

 確かに周りにはチラチラ光っている幼霊がいる。青や緑が多いけど、たまに赤や黄色も混じっている。

「えっ?この幼霊たちを使って魔法が使えるのか?契約なんかしてないぞ」
「だから、お願いして一時的に回路になってもらうのよ。ワタルの妖精に好かれる魔力と人柄が良ければ、魔法を使わせてもらえるわよ」
「そうなのか」
 驚いた。これならばいろんな魔法を使いたい放題じゃないか。

「ただし、周りに幼霊がいないとだめよ。それに、意思が無いから魔法のコントロールは難しいわ。あくまでも幼霊の気まぐれみたいなものね」
 そんなに甘くないらしい。でも、一応やってみるか。

「まずは水の幼霊を集めてみなさい」
「分かった・・・偉大なる水の精霊・・・」
「やめなさい。あなたはいちいち詠唱みたいな事をしてしまう病気なの?普通に呼びかけるだけにして」

「あ、ああ。水の幼霊よ俺に少しだけ力を貸してくれ」
 視線を上にして両手を上に掲げ、両足を開く。イメージは○気玉の準備段階だ。
「あら。すごいわね」

 無心に水の幼霊が集まるイメージをする。
 すると、すぐに俺の周りに集まる青い光。

「うわっ!なんだコレ!?」
 視線を下げ、自分の周りを見ると青い光が纏わりついていた。まるで俺が青く光っているようだ。

「水を出してくれ」
「ちょっ!ちょっと待ちなさい!」

 バッシャーン!!!
「うわーー!!」

 大量の水が俺に降り注いだ。

 ・・・・・・・・・

「あはははっ!どんなイメージすれば、そんな風になるのよ!」
 腹を抱えて笑い転げるウェンディ。
 ずぶ濡れになって佇む俺。

「・・・最悪だ。水を出すたびにずぶ濡れになるんじゃ身が持たん」
「あはははっ!ワタルは面白いわね。」
「どうすればいいか教えてくれ」
 くそっ!人ごとだと思って笑いやがって。

「幼霊は意志を持たないのよ。より具体的なイメージを伝えないとダメなの」
「イメージが大切なんだな。でも、あんなに大量の水が出るなんて聞いてないぞ」
「そりゃそうよ。一つ一つは小さい幼霊でも沢山集まれば凄いことになるに決まってるじゃない。たくさんの回路に魔力を送り込んでいるもの」

 なるぼどな。曖昧なイメージをたくさんの回路に伝えたらおかしくなるのは当然だ。

「魔力を伝える幼霊を限定して、具体的なイメージを伝えるのよ」
「よし。分かった」

 俺は相変わらず周りに浮いている水の幼霊の何匹かに魔力を伝える。
 イメージ、イメージ・・・やっぱりこれかな?
「ウォーターサーバー!」

 チョロチョロ・・・

「出た!水が出たぞウェンディ!」
 急いで手で汲んで飲んでみる。
「う~ん。ただの水だな。うまいけど」
「・・・そう良かったわね。おかしな名前だけど」

 ・・・・・・・・・

 ブツブツ
「それにしても、ワタルが妖精に愛される魔力を持っているは間違いないわね。とんでもない数の幼霊が集まってきたわ・・・これから先どうなってしまうのかしら・・・」
「おーい。ウェンディ何ブツブツ言ってんだ?」
「何でもないわよ」

 俺達はそれから少し歩き、川のほとりにやってきた。地球の都市部で見ていた川とは全然違いとても水が澄んでいる。

「この川の水は飲めるのか?ウェンディ」
「ええ。特に人族には害はないと思うわよ」
「そう言うことは早めに言ってくれない?おかげでずぶ濡れになったぞ」
「それはあなたが悪い。もっと魔法の訓練をしなさい」
「・・・はい」

「はぁー疲れた」
 俺は近くの岩に腰を下ろした。水が手に入ったことで、一気に気が抜けてしまったのかな。
「そろそろ日が暮れるわ。今日はここまでにしましょう」
「そうだな」

 今日一日でいろいろなことがあった。
 親父に異世界に飛ばされて、風の妖精ウェンディに出会い、精霊馬車を手に入れ、魔法の使い方を習った。
 次々に新しい出来事が起きて神経が疲弊していたのだろう。

 幌馬車を取り出して、荷台に横になるとすぐに眠気が襲ってきた。



















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