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第三章 悩める剣士との出会い
第49話 ロイヤルが渋滞気味
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ミルフィーユ王国の小さな森の中。
精霊馬車の中でこの国の第一王女と白竜族の第一王女が向かい合って座っている。
立ち話も失礼に当たるかと思い、俺が王女様を馬車の中に誘った。
一応、従者という設定のためベアフからもらった紅茶を出してあげることに。
「この紅茶はトカリ村の名産ですわね。ユキナール様は、トカリ村に寄られたのですか?」
「ええ。トカリ村のベアフさんという方に頂きました」
「そうですか・・・お忍びの旅行ということですけれどこのままシップブリッジへ行かれるのかしら?」
「はい。シップブリッジは美味しい魚介類がたくさんあると聞いております。おにち・・・従者も楽しみしておりますわ」
「ええ!是非食べてみてください」
なんだろうこの気持ち悪いやり取りは・・・ユキナは変な口調になっているし、アドレーヌ様はやたらと俺たちに探りを入れているような気がする。
「この王女様はこちらを探っているわね」
「まぁ私たちは怪しいものね。さすが王女様」
二人の妖精は俺の肩に乗り、二人のやり取りを見ている。
アドレーヌ様がチラッと妖精を見たような気がするが、気のせいだろうか?
「騎士様がお怪我をしているようですけど、何があったか聞いてもよろしいですか?」
「はい・・・我々がシップブリッジへ向かう途中に黒ずくめの集団に襲われ、護衛の騎士が対応したのですが、一人が負傷してしまいました。」
「黒ずくめの・・・お辛い思いをされたのですね・・・襲った集団は盗賊でしょうか?」
「いえ、騎士団副団長のザックスが言うには、盗賊にしては統率が取れており、引き際も分かっているので、暗殺を得意としているプロだと・・・」
まじかよ・・・盗賊でも怖いのにこの世界には暗殺集団もいるのか。
「そうですか・・・よくご無事で・・・」
「はい。間一髪のところを仮面の人物に助けられました」
「仮面の人物?その方は何者なのですか?」
「なんでも巷ではロイヤル仮面と呼ばれているそうです。とてもお強い方らしいのですが誰にも正体が分からないのです」
「ロイヤル仮面!!!・・・失礼しました・・・」
つい大きな声を出してしまった俺に注目が集まる。
馬車から去っていった仮面マンはロイヤル仮面。なんとも男心をくすぐるヤツじゃないか!
「従者が失礼しました。そういう設定が好きなので興奮したようです」
「まぁそうなのですね・・・うふふ」
「お恥ずかしい限りです」
ユキナはニマニマしながら俺のことを見ながら答える。
油断した・・・
「その暗殺集団とは何か話されましたか?」
「いえ、特には・・・あっ!馬車の扉が開いた時に「チッ!外れか」とだけ言っていたような・・・」
ユキナはアドレーヌ様の話を聞いて、青い顔で俯いた。そのうちガタガタと震えだす。
「・・・ワ、ワタルお兄ちゃん・・・これって・・・」
「ああ・・・きっとそうだろう」
間違いなくユキナをさらった集団だ。多分ユキナを探すためにアドレーヌ様の馬車を襲ったのだろう。
くそっ!襲撃は俺たちせいでもあるのか!
「アドレーヌ様・・・少しお時間を頂いてもよろしいですか?ユキナール様が体調を崩したようです」
グレートデビルウルフに襲われたのを思い出したのだろう。俺はユキナの様子を見て少し休ませることにした。
・・・・・・・・・
その後、精霊馬車の中でユキナを落ち着かせた俺たちは、アドレーヌ様に本当のことを話すことにした。
ユキナがこれ以上王女様のように振る舞うのは無理があると判断したためだ。
かなり無理して話していたからな・・・
ウェンディとユキナを馬車に残し、俺とノーミーがアドレーヌ様の下に行くことにした。
「アドレーヌ様・・・本当のことをお話します」
「本当のこと?」
「ええ・・・あなた方が襲われたのは俺達に原因があります」
「なんだと!どういう事だ!貴様はあいつ等の手先か!」
「うわっ!」
バキバキバキバキ!!!
スラッと剣を抜き、俺に斬りかかろうとするザックスの目の前に木の壁がそびえ立つ。
「この人族に危害を加えることは許さないわよ?副団長さん」
「やり過ぎだノーミー」
「あらあら?ごめんなさいね・・・」
「ノーミー・・・今ノーミーとおっしゃいましたか?」
「うふふ・・・最初から見えていたじゃない王女様」
「えーと・・・そのへんも含めて説明します。だから副団長さん剣をしまってください。怖いので・・・」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
俺はユキナが黒の暗殺集団に誘拐されたこと。
グレートデビルウルフに襲われ、それを助け出したこと。
現在は、ユキナをホワイトパレスに帰るために旅をしていることを話した。
俺が転生したことは話がややこしくなるので話していない。精霊馬車もノーミーの力によるものだと説明した。
特にアドレーヌ様が驚いたのは、俺達がノーミーと一緒にいることだった。
どうやら初めから妖精が見えていて、妖精を二人も連れて現れた俺が気になってらしい。
ミルフィーユ王国の英雄ザリオンの血を引く王族は、精霊との親和性が高く、アドレーヌ様自身も妖精を見ることができる事を説明された。
しかし、実際にノーミーの姿を見たことがないアドレーヌ様は俺達がどんな人物か探りを入れていたようだ。
英雄ザリオンとともに戦ったノーミーが姿を現したことで、騎士のみならずアドレーヌ様まで跪いてしまったので困ってしまう。
「この度のご無礼何卒ご容赦ください」
「私はワタルに危害を与えなければそれでいいわ」
「と、とりあえず立って話をしましょう」
「あの・・・ユキナール様?」
「じっとして。今治すから・・・」
「あれ?ユキナ?」
声のした方を見ると、いつの間にか精霊馬車から降りたユキナはトテトテと横たわる騎士の下へ駆け寄った。
フー
癒やしのブレスが膝を怪我した騎士を包み込む。眩い光が自身の体にあたる様子を苦悶の表情で見ている騎士。
「はい!治った!もう大丈夫」
「あれ・・・足が動く・・・な、治っている」
「な、なんと神々しいお姿・・・聖女様だ」
ユキナが騎士を治すのを眺めていた騎士たちが呟いた。
「おう・・・またやらかした・・・」
「これは困ったわね」
「もう誤魔化すのは無理だね」
ミルフィーユ王国の第一王女アドレーヌ様
白竜族の第一王女ユキナ
ロイヤル仮面
この小さな森はロイヤルが渋滞気味になっている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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精霊馬車の中でこの国の第一王女と白竜族の第一王女が向かい合って座っている。
立ち話も失礼に当たるかと思い、俺が王女様を馬車の中に誘った。
一応、従者という設定のためベアフからもらった紅茶を出してあげることに。
「この紅茶はトカリ村の名産ですわね。ユキナール様は、トカリ村に寄られたのですか?」
「ええ。トカリ村のベアフさんという方に頂きました」
「そうですか・・・お忍びの旅行ということですけれどこのままシップブリッジへ行かれるのかしら?」
「はい。シップブリッジは美味しい魚介類がたくさんあると聞いております。おにち・・・従者も楽しみしておりますわ」
「ええ!是非食べてみてください」
なんだろうこの気持ち悪いやり取りは・・・ユキナは変な口調になっているし、アドレーヌ様はやたらと俺たちに探りを入れているような気がする。
「この王女様はこちらを探っているわね」
「まぁ私たちは怪しいものね。さすが王女様」
二人の妖精は俺の肩に乗り、二人のやり取りを見ている。
アドレーヌ様がチラッと妖精を見たような気がするが、気のせいだろうか?
「騎士様がお怪我をしているようですけど、何があったか聞いてもよろしいですか?」
「はい・・・我々がシップブリッジへ向かう途中に黒ずくめの集団に襲われ、護衛の騎士が対応したのですが、一人が負傷してしまいました。」
「黒ずくめの・・・お辛い思いをされたのですね・・・襲った集団は盗賊でしょうか?」
「いえ、騎士団副団長のザックスが言うには、盗賊にしては統率が取れており、引き際も分かっているので、暗殺を得意としているプロだと・・・」
まじかよ・・・盗賊でも怖いのにこの世界には暗殺集団もいるのか。
「そうですか・・・よくご無事で・・・」
「はい。間一髪のところを仮面の人物に助けられました」
「仮面の人物?その方は何者なのですか?」
「なんでも巷ではロイヤル仮面と呼ばれているそうです。とてもお強い方らしいのですが誰にも正体が分からないのです」
「ロイヤル仮面!!!・・・失礼しました・・・」
つい大きな声を出してしまった俺に注目が集まる。
馬車から去っていった仮面マンはロイヤル仮面。なんとも男心をくすぐるヤツじゃないか!
「従者が失礼しました。そういう設定が好きなので興奮したようです」
「まぁそうなのですね・・・うふふ」
「お恥ずかしい限りです」
ユキナはニマニマしながら俺のことを見ながら答える。
油断した・・・
「その暗殺集団とは何か話されましたか?」
「いえ、特には・・・あっ!馬車の扉が開いた時に「チッ!外れか」とだけ言っていたような・・・」
ユキナはアドレーヌ様の話を聞いて、青い顔で俯いた。そのうちガタガタと震えだす。
「・・・ワ、ワタルお兄ちゃん・・・これって・・・」
「ああ・・・きっとそうだろう」
間違いなくユキナをさらった集団だ。多分ユキナを探すためにアドレーヌ様の馬車を襲ったのだろう。
くそっ!襲撃は俺たちせいでもあるのか!
「アドレーヌ様・・・少しお時間を頂いてもよろしいですか?ユキナール様が体調を崩したようです」
グレートデビルウルフに襲われたのを思い出したのだろう。俺はユキナの様子を見て少し休ませることにした。
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その後、精霊馬車の中でユキナを落ち着かせた俺たちは、アドレーヌ様に本当のことを話すことにした。
ユキナがこれ以上王女様のように振る舞うのは無理があると判断したためだ。
かなり無理して話していたからな・・・
ウェンディとユキナを馬車に残し、俺とノーミーがアドレーヌ様の下に行くことにした。
「アドレーヌ様・・・本当のことをお話します」
「本当のこと?」
「ええ・・・あなた方が襲われたのは俺達に原因があります」
「なんだと!どういう事だ!貴様はあいつ等の手先か!」
「うわっ!」
バキバキバキバキ!!!
スラッと剣を抜き、俺に斬りかかろうとするザックスの目の前に木の壁がそびえ立つ。
「この人族に危害を加えることは許さないわよ?副団長さん」
「やり過ぎだノーミー」
「あらあら?ごめんなさいね・・・」
「ノーミー・・・今ノーミーとおっしゃいましたか?」
「うふふ・・・最初から見えていたじゃない王女様」
「えーと・・・そのへんも含めて説明します。だから副団長さん剣をしまってください。怖いので・・・」
・・・・・・・・・
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・・・
俺はユキナが黒の暗殺集団に誘拐されたこと。
グレートデビルウルフに襲われ、それを助け出したこと。
現在は、ユキナをホワイトパレスに帰るために旅をしていることを話した。
俺が転生したことは話がややこしくなるので話していない。精霊馬車もノーミーの力によるものだと説明した。
特にアドレーヌ様が驚いたのは、俺達がノーミーと一緒にいることだった。
どうやら初めから妖精が見えていて、妖精を二人も連れて現れた俺が気になってらしい。
ミルフィーユ王国の英雄ザリオンの血を引く王族は、精霊との親和性が高く、アドレーヌ様自身も妖精を見ることができる事を説明された。
しかし、実際にノーミーの姿を見たことがないアドレーヌ様は俺達がどんな人物か探りを入れていたようだ。
英雄ザリオンとともに戦ったノーミーが姿を現したことで、騎士のみならずアドレーヌ様まで跪いてしまったので困ってしまう。
「この度のご無礼何卒ご容赦ください」
「私はワタルに危害を与えなければそれでいいわ」
「と、とりあえず立って話をしましょう」
「あの・・・ユキナール様?」
「じっとして。今治すから・・・」
「あれ?ユキナ?」
声のした方を見ると、いつの間にか精霊馬車から降りたユキナはトテトテと横たわる騎士の下へ駆け寄った。
フー
癒やしのブレスが膝を怪我した騎士を包み込む。眩い光が自身の体にあたる様子を苦悶の表情で見ている騎士。
「はい!治った!もう大丈夫」
「あれ・・・足が動く・・・な、治っている」
「な、なんと神々しいお姿・・・聖女様だ」
ユキナが騎士を治すのを眺めていた騎士たちが呟いた。
「おう・・・またやらかした・・・」
「これは困ったわね」
「もう誤魔化すのは無理だね」
ミルフィーユ王国の第一王女アドレーヌ様
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