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1章

6 : 武器調達は殺し屋の基本②

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武器屋の店主は俺の銃を見て目を丸くした。
「ほぉー…これがお前さんの言う"素"ってやつか…」
物珍しさに驚きを隠せずにいる店主をよそに俺は銃の残弾を確認した。
「おい、ここに的はあるか?」
「え?あぁ、それなら奥の倉庫に弓ようの藁巻きがある。それを使うといい。」
倉庫へ移動し、俺は早速撃った。
鋭い火薬の爆発音と銃口から覗く火花、藁巻きには寸分の狂いも無く真ん中に穴が空いた。弾は無くなっても材料さえ揃えればいくらでも作ることができる。それに今持っているだけの分ではどうせすぐ尽きてしまうことは分かっていた。
「これは…これはすげぇや!!はっはっは!驚いた!いやぁ!お前さんの言う通りこいつは凄い!!」
「どうだ?これが俺の国の銃器だ。俺に協力する気になったか?」
「あぁ!もちろんだ!むしろ俺にやらせようと思ったなんて、お前さんお目が高いなぁ!なんせ俺はこの街一の武器商人だからなぁ!」
「そうか。ではこの銃の分解、組み上げ方法を教えておく。それと長物に関してはこの銃の基本構造とともに設計図を………」
こうして俺は今持っている銃と同じ物をもう1つ複製し、長物を一丁作ってもらうよう依頼し、店を後にした。これで武器の心配はない。後は買い取った武器を持ち、ギルドの依頼を達成させて金を手に入れよう。
順調に進んでいる。そう思った。だかそういう時に限ってトラブルというものは降りかかってくるのだ。
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