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奇妙な友達
しおりを挟む奇妙な友達
クラスに転校生がやってきた。名前は蓮。初めて話したとき、普通に笑って挨拶してくれたが、どこかぎこちない感じがあった。授業中、ふと目が合うと、ほんのわずか視線が長く感じる。休み時間、教室を歩く僕を追うように視線を感じるが、周りの友達は気にしていないようだった。
ある日の放課後、廊下で偶然蓮と一緒になった。「よく一緒に帰ろうよ」と彼が言った。友達は少なかったし、断る理由もない。僕は小さくうなずいた。それから毎日、帰り道で一緒になるようになった。最初は普通の話題だった。漫画やゲーム、学校での出来事。でも、次第に会話の中で、僕の家のことを知っているような発言をするようになった。「あの窓から夕日がよく見えるんだろ?」――僕は驚いた。窓の位置や部屋の配置まで、彼は正確に言い当てる。冗談だろうと思いたかったが、不安が心に積もった。
ある夜、机の上のノートの位置が微妙にずれていることに気づいた。手を触れた形跡はない。小さな紙片もあり、文字は蓮に似ていた。「明日も一緒に帰ろう」――手が震えた。確かに僕は今日、彼と一緒に帰ったはずなのに。
次の日、学校で蓮のことを誰かに聞くと、皆は首を傾げる。「蓮?誰のこと?」名簿にも写真にも載っていない。昨日一緒に帰った記憶があるのは、僕だけらしい。言葉に詰まり、心臓がひんやりした。
それでも、放課後の道で蓮は待っている。手を振るだけで、僕を誘っているのが分かる。少しずつ、他の友達との距離が広がる。夢にも現れるようになった。寝ているはずの僕の目の前に、彼の顔が浮かび、窓の外を覗いている気配を感じる。
でも、誰も信じてくれない。蓮は現実なのか、幻覚なのか。日常のすぐそばにいるのに、確かめる術はない。奇妙な友達は、静かに、しかし確実に僕の生活を侵食していった。僕は次第に、彼と会うことだけを心のよりどころにするようになっていた
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