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lose sparkring 1-3
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視界の色が一気に無くなった。
全ての色が白にしか感じなかった。
白と、輪郭と、影。言葉も無く、ただやりどころの無い憤りだけが俺の体を埋め尽くしてた。
琢美が男だった?。
琢美が男だった。
それならば―――――それならば。
あの時の――――――。
俺の後ろで、琢美の父親がヒャヒャッっと笑った。
「何だ、琢美。お前未だ佐藤君に本当の事を言ってなかったのかい?ダメじゃないか、せっかく俺が―」
言い終わらない内に、勝手に体が動いた。
我ながら変な動きだった。
まるで壊れたゼンマイ式の玩具みたいにカクリと半分向きを変えて、残りの半分を首だけで振り向いて、真っ黒な怒りを込めた視線で射貫いた。
変な動作の俺に流石に何か感じ取ったのか琢美の父親が言葉の途中で口を噤んだ。
「裕一郎さん?」
困惑した声で琢美が俺を呼んだけど、それに振り向く事はしなかった。
だって、そうだろ、琢美が男だったのなら、琢美と琢が同一人物なんだったとしたら。
いったい。
「お前、琢美に何をした」
あの時の血はどうして流れたんだ?
次の瞬間、俺は琢美の父親を左ストレートで殴り飛ばしていた。
琢美の父親は文字通り振っとんで、ホール中ほどにある椅子とテーブルのセットをなぎ倒し、巻き込みながら倒れ込んだ。
仰向けに転がった琢美の父親の上に、間髪入れずに馬乗りになって、格闘技で言う所のマウントポジションを取った俺は、さらに顔面に拳を振り下ろした。
ガッ、ゴツッ、という鈍い音が、フロアに響いている。
「佐藤!」
慌てて俺を羽交い締めにして止めようとした高岡刑事を、イナして投げ飛ばしさらに殴った。
全ての色が白にしか感じなかった。
白と、輪郭と、影。言葉も無く、ただやりどころの無い憤りだけが俺の体を埋め尽くしてた。
琢美が男だった?。
琢美が男だった。
それならば―――――それならば。
あの時の――――――。
俺の後ろで、琢美の父親がヒャヒャッっと笑った。
「何だ、琢美。お前未だ佐藤君に本当の事を言ってなかったのかい?ダメじゃないか、せっかく俺が―」
言い終わらない内に、勝手に体が動いた。
我ながら変な動きだった。
まるで壊れたゼンマイ式の玩具みたいにカクリと半分向きを変えて、残りの半分を首だけで振り向いて、真っ黒な怒りを込めた視線で射貫いた。
変な動作の俺に流石に何か感じ取ったのか琢美の父親が言葉の途中で口を噤んだ。
「裕一郎さん?」
困惑した声で琢美が俺を呼んだけど、それに振り向く事はしなかった。
だって、そうだろ、琢美が男だったのなら、琢美と琢が同一人物なんだったとしたら。
いったい。
「お前、琢美に何をした」
あの時の血はどうして流れたんだ?
次の瞬間、俺は琢美の父親を左ストレートで殴り飛ばしていた。
琢美の父親は文字通り振っとんで、ホール中ほどにある椅子とテーブルのセットをなぎ倒し、巻き込みながら倒れ込んだ。
仰向けに転がった琢美の父親の上に、間髪入れずに馬乗りになって、格闘技で言う所のマウントポジションを取った俺は、さらに顔面に拳を振り下ろした。
ガッ、ゴツッ、という鈍い音が、フロアに響いている。
「佐藤!」
慌てて俺を羽交い締めにして止めようとした高岡刑事を、イナして投げ飛ばしさらに殴った。
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