壊れた玩具と伝説の狼

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

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人食い湖の住人1-11

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殴られて、床に両手を着いて伏したセイラの頭を、幻覚のダイヤスは踏みつけて罵り出した。
『ダメだなぁセイラ、穢れが増しているじゃないか、セイラ、お前に嫌という権利は無いんだよ。言い直しなさい』
ダイアスの硬い靴底がセイラの頭をグリグリと踏みつけている。
後ろではアイツが馬みたいな呻き声を挙げながらガツガツとセイラを犯していた。
(目を覚ませ!コレは幻覚だ!)
自分で自分に言い聞かせるが、強く刻まれた地獄の記憶は細部まで容易に甦りセイラを犯し続けた。
厩舎の男の、ブヨブヨの腹に生えた束子みたいに硬い毛が、突き上げられる度にお尻に当たってジャリジャリと擦れた。
脂肪が詰まった腹は爬虫類みたいに冷たくて、余計にセイラに吐き気を起こさせる。
(ダメ、吐いたら余計殴られる。違う、これは幻覚で、でも、天井が・・・)
セイラが必死に躰に力を入れて吐き気を堪えていると、何を勘違いしたのかアイツは奥をグチャグチャと下手くそに突きながらゲヘリと変な声をあげた。
『ダイヤス様コイツ嫌がっといて滅茶苦茶感じちょる!あはは!今すげぇ締まった。スッゲェ!ウォ!本物の変態よぉ!。牝馬づら。ホレ!好物の根菜だ!たんとやるでな!喜べ!喜べ!』
男の動きに合わせて視界が揺れている。体に触る全ての物が気持ち悪い、
「あぁぁ!」
嫌というと殴られるから、代わりに喚いたら勘違いした男が自分のテクニックでセイラが喘いでいるんだと思い込んではしゃぎ出した。
『おほー。コイツよろこんじょる!うはぁ!たんと食うづら!ほぉ!』
山高く雪深い国の方言混じりの言葉で、ワケの分からない事を喚いていた。
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