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春のススキと白い息3ー1
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振れるだけのキスは、喉まで侵す濃密な口づけで返された。
しかし、
「その、あれだ。セイラは怒ってないのか?」
繰り返す強気なキスに反して、アヤは気弱な問いかけをセイラにした。
「何で?」
セイラにとってはワケの分からない問いかけだった。
「一度番になってしまえば、無かった事には出来ない」
つまり番を解消する事は出来ないらしい。
(何だ、そんな事か)
と、セイラは笑った。
むしろ、それはセイラにこそ有利な話だ。
「怒ってどうするのさ」
解消出来ないなら、アヤとの繋がりを失う不安に苛まれる心配も無い、という事ではないか。
「殆ど無理矢理番にしてしまった。自覚は、有る。
あんまり悲しい事を言うから、いい加減腹立たしくて、死なれてたまるかと思って、その・・・勢いで・・・今度こそ失うまいと。
本当なら、俺はきちんと説明してセイラの気持ちを確かめなくてはいかんかったのだ。
寿命の事とか、不老とか、何よりお前からエサをまだねだられていない。
エサをねだられて、ソレを俺が与えて、ちゃんと番になって、体を番として作り変えるとどうなるのか説明して、セイラに了承をもらって、そこから初めて山の王の力でお前の身体を作り変えるのが本当の手順だった」
アヤは余程落ち込んでいるのか、怒られた子犬みたいに耳を寝かせて、うなだれながらボソボソとそんな事を言った。
「・・・後悔してるの?僕を番にした事」
あんまり落ち込んでいるので、セイラはアヤが自分を番にした事を、後悔しているのではないか、と、心配になってしまった。
答えは瞬時に帰って来た。
「するものか!」
その一言を言った時だけは、いつものアヤの顔だった。
しかし、
「その、あれだ。セイラは怒ってないのか?」
繰り返す強気なキスに反して、アヤは気弱な問いかけをセイラにした。
「何で?」
セイラにとってはワケの分からない問いかけだった。
「一度番になってしまえば、無かった事には出来ない」
つまり番を解消する事は出来ないらしい。
(何だ、そんな事か)
と、セイラは笑った。
むしろ、それはセイラにこそ有利な話だ。
「怒ってどうするのさ」
解消出来ないなら、アヤとの繋がりを失う不安に苛まれる心配も無い、という事ではないか。
「殆ど無理矢理番にしてしまった。自覚は、有る。
あんまり悲しい事を言うから、いい加減腹立たしくて、死なれてたまるかと思って、その・・・勢いで・・・今度こそ失うまいと。
本当なら、俺はきちんと説明してセイラの気持ちを確かめなくてはいかんかったのだ。
寿命の事とか、不老とか、何よりお前からエサをまだねだられていない。
エサをねだられて、ソレを俺が与えて、ちゃんと番になって、体を番として作り変えるとどうなるのか説明して、セイラに了承をもらって、そこから初めて山の王の力でお前の身体を作り変えるのが本当の手順だった」
アヤは余程落ち込んでいるのか、怒られた子犬みたいに耳を寝かせて、うなだれながらボソボソとそんな事を言った。
「・・・後悔してるの?僕を番にした事」
あんまり落ち込んでいるので、セイラはアヤが自分を番にした事を、後悔しているのではないか、と、心配になってしまった。
答えは瞬時に帰って来た。
「するものか!」
その一言を言った時だけは、いつものアヤの顔だった。
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