ブルースプリングファイヤーモンキー

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

文字の大きさ
42 / 50
ナイトメア

ナイトメア28

しおりを挟む
嫁命の榎木は、アイドル好きのお嫁さんを守る為に、普段、男には警戒心が強い、ケンにも最初は当たりがキツかった。
今、ケンに気さくなのはケンが同性愛者だって知っているからだ。
入社したての頃、街でデート中にばったり出くわし、ケンが女性に興味が無いと分かった途端優しくなった。
もう職場での恋愛事は懲り懲りのケンにとっても、身長以外あまり好みな所がない榎木は、仕事で組むには実にやりやすかった。
ただ、時々残業や飲み会で遅くなった時、奥さんが迎えに来るのだけれど、その時見る二人の仲睦まじい姿は少し羨ましくはある。
もうすぐクリスマスだ。
12月から向こう5ヶ月間はLOVE&ファミリーイベントが立て続けに起こるのが、ここ、日本の商業ビジネスの厳しい所だ。
クリスマス、大晦日、お正月、成人式、節分、バレンタイン、ひな祭り、ホワイトデー、受験、合格発表、卒業式、入学式、お花見。
毎年会社の皆がやれ妹がとか、娘が、息子が今彼が、元カノがと頬を染めてキラキラした笑顔で話すのを、殆ど天涯孤独も同然のケンは眩しい物を見る思いで見ていた。
一生このルーティンは続くんだろうな、と思っている。
自分はきっと、誰かと特別親しくなる事に向かない人間なのだろう。
ため息をまた一つついたケンのポケットで、スマホがメール受信の合図にブブブっと振動した。
ケンのスマホには、最近、ひっきりなしに出会い系サイトやお見合いパーティーのメールが来ていた。
登録もしていないのによくもこんなに山のように来るものだとうんざりしている。
今はフリーメールにしているから未だ良いものの、携帯のキャリアメールの時は本当に酷かった。
このいらん広告メールのせいで以前のスマホのデーター使用量は、全て広告メール受信の為に食われていた。
たまったものじゃない。
こうも続くと流石にため息の一つも付きたくなるというものだった。
「あーぁ。久しぶりにバー行くか」
明後日は休みだ。
礼のアプリはもう使う気にもなれないから、手っ取り早く相手を探すなら行きつけのバーになる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

酔いのわけは

立樹
BL
同僚たちと飲みに行くと、同期の中田が酔いつぶれた。 仕方なく、酔った彼を家に連れ帰ることになった。

恋と脅しは使いよう

makase
BL
恋に破れ、やけ酒の末酔いつぶれた賢一。気が付けば酔っぱらいの戯言を弱みとして握られてしまう……

素直じゃない人

うりぼう
BL
平社員×会長の孫 社会人同士 年下攻め ある日突然異動を命じられた昭仁。 異動先は社内でも特に厳しいと言われている会長の孫である千草の補佐。 厳しいだけならまだしも、千草には『男が好き』という噂があり、次の犠牲者の昭仁も好奇の目で見られるようになる。 しかし一緒に働いてみると噂とは違う千草に昭仁は戸惑うばかり。 そんなある日、うっかりあられもない姿を千草に見られてしまった事から二人の関係が始まり…… というMLものです。 えろは少なめ。

カフェ・コン・レーチェ

こうらい ゆあ
BL
小さな喫茶店 音雫には、今日も静かなオルゴール調のの曲が流れている。 背が高すぎるせいか、いつも肩をすぼめている常連の彼が来てくれるのを、僕は密かに楽しみにしていた。 
苦いブラックが苦手なのに、毎日変わらずブラックを頼む彼が気になる。 今日はいつもより温度を下げてみようかな?香りだけ甘いものは苦手かな?どうすれば、喜んでくれる? 「君の淹れる珈琲が一番美味しい」
苦手なくせに、いつも僕が淹れた珈琲を褒めてくれる彼。 照れ臭そうに顔を赤ながらも褒めてくれる彼ともっと仲良くなりたい。 そんな、ささやかな想いを込めて、今日も丁寧に豆を挽く。 甘く、切なく、でも愛しくてたまらない―― 珈琲の香りに包まれた、静かで優しい記憶の物語。

攻められない攻めと、受けたい受けの話

雨宮里玖
BL
恋人になったばかりの高月とのデート中に、高月の高校時代の友人である唯香に遭遇する。唯香は遠慮なく二人のデートを邪魔して高月にやたらと甘えるので、宮咲はヤキモキして——。 高月(19)大学一年生。宮咲の恋人。 宮咲(18)大学一年生。高月の恋人。 唯香(19)高月の友人。性格悪。 智江(18)高月、唯香の友人。

発情期のタイムリミット

なの
BL
期末試験を目前に控えた高校2年のΩ・陸。 抑制剤の効きが弱い体質のせいで、発情期が試験と重なりそうになり大パニック! 「絶対に赤点は取れない!」 「発情期なんて気合で乗り越える!」 そう強がる陸を、幼なじみでクラスメイトのα・大輝が心配する。 だが、勉強に必死な陸の周りには、ほんのり漂う甘いフェロモン……。 「俺に頼れって言ってんのに」 「頼ったら……勉強どころじゃなくなるから!」 試験か、発情期か。 ギリギリのタイムリミットの中で、二人の関係は一気に動き出していく――! ドタバタと胸きゅんが交錯する、青春オメガバース・ラブコメディ。 *一般的なオメガバースは、発情期中はアルファとオメガを隔離したり、抑制剤や隔離部屋が管理されていたりしていますが、この物語は、日常ラブコメにオメガバース要素を混ぜた世界観になってます。

さよならの合図は、

15
BL
君の声。

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。

処理中です...