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ルークの初恋 3-24

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ルークが恐る恐る見上げると、そこには笑いを必死でこらえているジェイコブの表情が有った。
「?、あの?」
ルークが掛けた問いかけが、引き金になった。
堪え切れなくなったジェイコブ王子の爆笑が辺りに響いた。
あーはっはっはっはっは!
「なるほど!すまんシャルレ姫、確かに私の眼鏡ちがいだった!大人しい見た目と使用人としての身のこなしに惑わされた!とんでもないジャジャ馬じゃないか!」
「だから言ったでしょう」
「あはははははは!あーオカシイ!なるほどねぇ『賢者の灯火』あははははあは」
『賢者の灯火』と聞いたとたん一瞬シャルレの表情が強張るが、ジェイコブはそんなのお構いなしにゲラゲラ笑っている。わけが分からないのはルークだ。
「ふふふっあははっ喜べシャルレ姫、君のお気に入りのルークはとんでもない君の大ファンだぞあはははは」
「えぇ!?何で知ってるんですか!?別に隠して無いけど」
初めて出合った他国の王子に、自己申告もしてないのに大ファンだと言い当てられて、ルークは戸惑った。
そんなルークを見て一瞬固まったジェイコブ王子はルークとシャルレ姫を見ると再び
プーッっと笑って大爆笑した。
「もうだめ、腹痛い、何の喜劇?傑作!!」
とか言いながら延々ゲラゲラ笑っている。
戸惑うルークにジェイコブ王子が笑いながら言った。
「ルーク。振られた腹いせに君の知りたい事は教えてあげない、でも全てシャルレ姫が知っているよ。どうしても知りたいならシャルレ姫に聞くと良い」
「えぇ!?」
それは無茶ではないだろうか、今大好きな歌手に向かって、昔好きだった歌手の事を聞くなんて
「シャルレ姫、君だって気になるよなぁ?可愛いルークの初恋の話」
やっと笑いが収まって来たジェイコブ王子が訳知り顔で言った。
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