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ルークの初恋 4ー2

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性格設定は、優しくて、好奇心旺盛で、擦れたところが何もない、ちょっとやんちゃな明るい子。
夜の教会でジェイドに作って見せていた時から変わらない性格だ。
病気で亡くなった弟が、もしも体が丈夫だったらこんな感じに成るだろうと思って作った。

姫君に手紙を届けさせるなら、多くの子供や女の子が喜びそうな、可愛らしい感じの子が良いだろうと思って昔を懐かしみつつ作ったのだが、よもや昔作って見せた同一人物に送っていたとはお笑い草である。
もっとも、シャルレ姫は今の『ルー』を直に見てはいないだろうが、噂話くらいはされてるだろうが、この国は魔術が発達している事で有名な国だ。
ルーク以外にも『妖精』でファンレターを送っている者は沢山いるだろう。
そして、その『妖精』達は、きっとルークが作っている『妖精』よりももっとずっと出来が良くて見目も良いに違いない。
ルークの作る『妖精』はほぼ二足歩行の子猫だ。
その辺の安い雑貨屋で売っている人形と動くか否か位の違いしかない。
シャルレが『ルー』を目にする機会はルークが作って見せない限り二度と来まい。

『ルー』は今日も道すがら見たものや手紙の受付人に何を話したかなんかを纏まりもなく話ながらフヨフヨとルークの周りを飛んでいる。
よく喋る子だ。
そんな『ルー』が、ふと思い付いた様に話を聞きながら忙しく色々用意しているルークの直ぐ横に降りたって聞いてきた。
『あのさ』
「ん?」
『ルークはなんで姫を信じたの?』
「何が?」
『シャルレ姫がルークの夜の太陽だって、何で信じたの?』
「お前、そんな昔の事まで記憶構築されてるのか!?」
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