傲慢エルフと変態キメラ Vo1

◇マヤ

花街ヴィオモラ9

ヴィオモラの赤ずきん達は効率よく稼ぐ為に対応出来るサービスやターゲットごとに客を取る場所を決めている者が多い。
観光客狙いの者は主に噴水前の大通りに立ち、思い思いのパフォーマンスで客を誘い、馴染みの客がいる者やある程度ターゲットを絞っている物たちはその客層が集まる様な飲み屋に集まったり娼館に勤めたりする。
マヤという赤ずきんは飲み屋を客取りの縄張りにしている様だ。
「じゃ、何で噴水のサキュパスなんだ？まさか変な潮吹き芸が有るとか下品な理由じゃねぇだろうな。」
「何ですかその笑えそうな芸、有るならいっそ俺が見たいです。コイツはですね、有り余る体力を買われて、雑貨屋でバイトしてるんですよ。」
「・・・？よく分からないな」
何だか案内人がちょっと呆れた顔をして説明しだした。
「門から噴水に来る時にひと際派手な外装の『ドルストイ』って雑貨屋が有るんだが分かりますか？」
「あぁ。なんか凄い客が集まってた所な。皆大きな買い物袋を下げてたんで印象に残ってる」
「あぁ・・・・じゃぁきっと今日がバイトの日だな。週に一回サキュパスはそこで昼から日が沈むまでバイトをしているんだ、品物の試し使いや店員が客に道具の詳しい使い方を教える時の客の練習台として。俺が説明するより実際見た方が分かりますよ。バイトの後はいつも噴水に行くから取り合えず本人の所に行って下さい。」
「・・・・・・ん？」
何かとんでもない事を聞いた気がして思わずガルフは素で聞き返した。