傲慢エルフと変態キメラ Vo1

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

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◆◇ドラゴンの獣人

世界でたった一匹の獣人1

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ガルフがウロボロス本部にマヤの事を報告をしたのは、教会でマヤを見つけてから四日程経った後だった。
指揮官長ザッツの顔が、半開きの目の呆れた顔で遠見鏡からガルフを見つめていた。
ザッツの瞳に映るガルフは、それは見た事も無い様な美しい獣人を膝に乗せていた。
全身真っ白というか、真珠色と言うべきか、虹色の光沢を放つ体をしたすらりとした獣人の男だった。
背中にドラゴンの様な翼を生やし、ご丁寧に側頭部には角まで有る。
百人が見たら百人ともドラゴンの獣人だと思うだろう。
その獣人が、背中が大きく開いた肩紐が細いチェーンで出来た丈の短いワンピースだか大き目のブラウスだかを着て、ガルフの片足に跨る形で座っている。そして、ガルフの胸にウットリとした表情でしな垂れかかっていた。
「へぇ・・・お目当てのマヤちゃんは俺のアドバイス通り教会に居たワケだ。で?その、この世の者とは思えない御仁はどちら様なのかな?どうやら仕事はこなしたらしいけど、何で状態になっいるんだろうか?君の可愛いマヤちゃんはどうしたのかな?」
ドラゴンの獣人とおぼしき人物は、ザッツが遠見鏡で見ているにも関わらず、時折ガルフの腰に、自分の物を擦り着ける様な動作までしていた。
イライラと事の次第を問うた上官ザッツに、ガルフは溜息交じりに眉間に皺を寄せながら答えた。
「コイツが、マヤだ」
「ん?」
思わぬ返答にザッツが間抜けな声を上げた。
マヤとは蛇の獣人と人のハーフの獣人ではなかったか。
「だから、コイツがマヤだ」
ガルフは、説明するのも面倒だと言わんばかりのなげやりな言い方で、同じ言葉を繰り返した。
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