【短編/R18】親友からホワイトデーにお返しもらったけど全く心当たりない

ナイトウ

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ヒロが今度は正面から俺を抱きしめた。
あーこれはいいスメルですね。
つまり遺伝子から相性いいと、控えめに言って宇宙一僥倖です。
俺レベルにヒロという存在に五体投地してるとこれだけで脳イきかませる気がする。

スンスン匂いを嗅いでると、顎を取られて肩口から引き離された。
鼻息キモかったか?と肝が冷えたけど、ヒロのご尊顔に向かい合わされて唇が重なってくる。

やばい。思考トびそう。この柔らかいジューシーなお口は脱法麻薬なのかな?

そりゃもう夢中で貪っちゃうよね。
人生のボーナスタイムというか、そこらじゅうにコインが浮いてる隠し部屋というか。跳ね回ってかき集めるしかないじゃん。

「ん……すご、積極的……」

俺からも散々舌を絡めたキスの後ヒロが嬉しそうに言った。

「ヒロが好きだからね。」

フンフン鼻息荒くして言う。

「伝わった。こっちも。」

俺の足の間に太股を捩じ込んだヒロさん、俺のモッコリ股間をグリグリ。気持ちよ。

「あっ……はぁっ、ヒロっ」

そのままもつれるように引っ付きながら移動してベッドにダイブする。
男2人だから、結構ボスン!て音した。
お客様困ります、とかスタッフが言いに来たらどうしよう。見せつけるかよし来い。

お互い顔や首筋の色んなとこにキスし合いながら服を脱いでいく。
はあ、脳が幸せだ。

「ヒロ、ヒロは挿れたい方?」

何となくの予想。思い返せばどっちかというと俺を女みたいに扱ってきたから。

「うん。ユノはそれで良い?」

構わぬ。お願いします。

「ああ。じゃあ俺、中洗ってくるね。」

風呂に向かおうと体を起こしたら、背後から抱きつかれてベッドに引き戻された。

「ちょ、ヒロ……」

「んー?」

ヒロがべったり張り付いて、両手で胸の辺りを弄ってくる。
指先で乳首の先端を服の上から引っ掻くようにくすぐられると、じわっとした気持ちよさが体に広がった。

「んんっ……はっ、あぁっ……」

のけぞったところで、うなじをペロリと舐め上げて吸い付いてくる。

「まっ、まって……準備、したいっ……ひぁぁ!」

このまま致したらきっと大惨事だ。
ご飯食べたばかりで内臓も活発だろうし。

「何か、慣れてない?誰かと経験あるの?」

ヒロの声色が少し低くて不機嫌そうだ。
嫉妬だったら嬉しすぎる。

「無い。ピカピカ童貞処女だっつの。慣れてるのは……ヒロのこと考えながら自分で弄ってたから。」

俺は思い切って言った。
そうです、どっちかというとネコ願望なんです。

「本当?誓える?女ともない?」

肩口にぎゅっとおでこを押し付けて、縋るような声音で聞いてくる。

「うん。てかお前の横にいたら俺なんて選ばれないって。」

「そんな事ない。何度もユノも一緒に遊ぼうって俺のとこ来る女に誘われてたじゃん。」

そりゃお前と遊ぶ口実だよ。その度に、「俺以外とも遊びたいってどういうこと?」と不機嫌になってそれ言ってきた女の子は切っちゃうから最近は言われなくなったし。
性格悪いだけかと思ってたけど、まさかやきもちでやってたとは……。うれしー。

「うーん、ぶっちゃけ証明できる事じゃないから、信じてもらうしか……。不安にさせてごめんな。」

肩口にある頭をぽんぽん撫でた。

「ユノ、優しすぎるよ。付き合う前に誰とヤろうが勝手だろって言わないと。……俺余裕ないよな。」

ヒロの悩ましげなため息。尊くて死ぬ。

「むしろ普段余裕たっぷりでマイペースなのに俺の事でピーピー言ってると思うとキュンでしかない。」

「本当?引いてない?」

あ、本音漏れてた。

「引いてないよ。ヒロのこと超好きだもん。」

「……今日いっぱいエッチする。ホテル予約しといてよかった。」

首筋にチュウチュウ吸い付いて身体中撫でてくるめちゃかわいイケメン。

「う、うん……って、だから!準備!」

雪崩れ込みそうになるのを何とか踏みとどまって、お風呂に。
俺は気にしないから、と一緒に入ってこようとするから俺は気にするんだって!とそこでも一悶着した。

で、どうにか1人で入念に洗って、今ヒロがシャワー終わるの待ってるんだけどスマホもいじらないでじっとしてる。
たまに聞こえてくる水の音だけで気持ちいっぱいいっぱいというか……。
準備は大丈夫だよな?髪はちゃんとブローしたし、口も……うん、多分大丈夫。
アソコの垢とかも残ってないかチェック、って、パンツ履いちゃったけどいいよな。ノーパンにルームウェアもなんか、次使う人に悪いし。

初心者丸出しでオロオロ考えてたらヒロが風呂場から出てきた。

首にフェイスタオルを掛けて腰にはバスタオル巻いただけの格好、やばい。やばいしか出てこない。腰骨とか腹筋とか鎖骨とか、うん、ヤバい。

「ユノ、お待たせ。」

「あ、いや全然。クローゼットにウェアあったよ。」

「いいよ。すぐ脱ぐし。待ってなかったんだ。あんまり乗り気じゃない?」

ベッドの淵に座っていた俺を抱きかかえ、ヒロがベッドに寝転ぶ。
自分の下に組み敷くと、俺が着ている前開きタイプのルームウェアの留め紐を解いた。

「服も着ちゃうし、あ、パンツも履いてる。」

「だって、裸で待ってたらヤる気まんまんみたいじゃん……。」

「違うの?」

「……まんまんです。」

「俺に抱かれるの待ってた?」

俺の頬をやわやわ撫でながらとろける笑顔で言うヒロ、もはや現実を脳に伝達することが暴力。

「っかーー!ヒロの言葉責めたまんねぇな。普通の男が言ったらキモいセリフもヒロならキュンしかない。」

「本当?嬉しい……」

あ、また本音漏れてた。

「考えてることキモくてごめん。」

「何で?ユノっていつもさっぱりしてるから、俺のことそんなふうに思ってたんだって分かって嬉しい。」

それは好きバレしないために必死であっさりを装ってたからでだな。

「そんな事言われたら俺、どんどん重くなるよ。」

毎日会いたいとか言っちゃいそう。

「いいよ。手始めにお互いの名前のタトゥー入れよっか。」

わぁ、手始めが俺の思ったのより数段重い。

「え、それはいいよ。温泉とか行けなくなるし。」

「え、ユノは俺の恋人なのに他の人に裸見せる気なの?ほら、この辺とかどう?」

鎖骨の下あたりをベロンと舐められ、ぢゅっと吸いつかれた。

「あっ……か、考えとくっ….…」

「うん、約束のチューしよ。」

そう言って俺に被さり、押し付けるようにキスしてくるヒロ。
口内をあったかくて柔らかい舌に撫で回されると思考がふわっとしてくる。
うん、ありじゃないかな。名前タトゥー。

口を合わせるのを浅くしたり深くしたりしながら、ヒロの手が俺の体を確かめるように這っていく。
鎖骨から胸、腹部の凹凸、臍のくぼみ、腰骨の出っ張り。
丁寧に触られるのが心地よくて、俺ってこんな形してたんだなって思った。

身を委ねてると、そろりとボクサーパンツの中に手が入ってくる。もうパンツ押し上げるくらい勃ってて、その表面を掠めるようにヒロの指先がなぞった。

「んんっ……。」

ヒロは俺の顔を覗き込むようにみてくるけど、どうしよう。こっちはまともに顔が見れない……。

「ヒロ、電気消していい?」

顔を背けながら言えば、ヒロがサイドテーブルの照明スイッチに手を伸ばした。
パチ、パチと音がして間接照明の光源が消える。
でも部屋は完全に暗くならなかった。窓の外が夜景で明るいから。
そちらをチラッと見る。

「カーテンは閉めたくないな。」

視線に気付いたヒロが呟くように言いながら俺の下着に手をかけた。

「それはいいよ。」

これくらいなら、そこまで恥ずかしくもない。
膝までズリ下げられたパンツから足を引き抜く。
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