【R18BL】稀代の龍葬騎士長がコブ付き令息に捧げる必死の求婚

ナイトウ

文字の大きさ
5 / 18

5,

しおりを挟む

「そんな、僕と仲良くって、試験の為に仕組んだ事でしょ!適当言って!嘘つきって大嫌い!」

「もちろん試験の方がついでというか、周りを協力させるための方便だ。」

事実なら職権乱用が過ぎる!

「はぁ?信じると思う?なんであんたがそこまでするのさ?」

「マル、俺たちは小さい時会ってるんだ。覚えていないかもしれないが。」

会ってる?全然心当たりないし、フェルデン家とは家同士の関わりもないはず。

「俺はフェルデン家には養子で入った。生家はゼイマンだ。母親が知らぬ男に孕まされて生まれた私生児だけどな。」

ゼイマン家なら遠戚だ。昔一度だけ屋敷に行ったこともある。確かに、その時年の近い男の子と遊んだような……。

「あの子がゾ、騎士長なの、なんですか?」

「マル、頼むから今までどおりゾックと呼んで、親しくしてくれ。」

だから親しくしたつもりは欠片も無いけど!?
騎士長、戻してゾックのポジティブ解釈に思わず眉間を押さえた。

「あっそ。じゃあゾックでいいのね。後で文句言わないでよね!」

「もちろんだ。ゼイマンの家で、私はいないものとして扱われていた。母は未婚だったから、外聞が悪かったんだろう。マル、優しくしてくれたのは君が初めてだったんだ。ありがとう。」

「っ……。」

ゾックに熱心に感謝されて面ばゆい。
酷いこといっぱい言っちゃってるのに……。
い、今なら素直に謝れる、かも……?

よ、よ、よ、よし!
言うぞ!気持ちを素直に!


「は、はぁ!?遅いんだけど!恩人を半年騙すとかしんじらんない!」



ねぇ、僕の口と頭って繋がってなかったりする?
何かゾックに見つめられてると頭いっぱいになって自分が何言ってるか分からなくなるというか。

「マル、すまなかった。私の嘘が君をそんなに傷つけてしまうなんて。」

「べっ別に傷ついてない!騎士長なんてそもそも大した正体じゃないし?ちょっと選ばれたくらいで、国から強い武器も防具も支給されてさ。そんな援助があれば、誰でもドラゴンなんて倒せるんだからね!だから、ぜーんぜん傷ついてないもん!!」

頼むから誰か僕を止めてぇ!
流石のゾックもまじめな顔で僕を睨んでくる。怒ったに違いない。
当たり前だ。国から最上級の武器を与えられているのは、ゾックがいつも一番先頭で戦うから。
そうしてこれまで何人の騎士長が命を落としてきたか。

「マル、君の言うとおりだ。君は真実を見抜く不思議な目を持っている。私が門番でいた時も、いつも、私は門番などしている器ではない、さぼるな。と叱っていたな。」

なるほどね!?僕が選ばれたのはゾックのどでかい勘違いね!?
復讐じゃなくて良かったよ畜生!

「初めて会った時も、腕相撲に勝った私にマルはきっとドラゴンも倒せると言ってくれた。だから、私はこの仕事に就いた。」

遠い目で懐かしそうに言ってるとこ悪いけど、それ多分負けたことを自分に納得させるために適当言ったんだと思う。
相手を強敵にすれば勝てない言い訳にできるからね。覚えてないけどいかにも子供の僕がやりそうなことだよ。

「見ていてくれ。武器は全て置いてきた。私はこの体一つで、君の言葉を証明できるのが心から嬉しい。」

ゾックは仄かに紅潮した顔で胸の前で拳を握りしめた。

こいつ今なんて言った?

「へ?武器を、なんて?」

「置いてきた。君の言うとおり、誰でもできることをしても君に恥ずかしいからな。」

にかっと笑うゾック。

「おっ、お馬鹿なのあんた!?今すぐ戻って武器持って再出発しなよ!」

僕はずいっとゾックに歩み寄ってビシッと王都の方角を指さした。
ドラゴンに素手とか正気の沙汰じゃない。
死んじゃうじゃん!そんなの絶対駄目!

「マル、今更無理だ。これだけの部隊での遠征はそう何度も頻繁にできない。」

「その判断力があって何で武器置いてくるの!!!ばかばかばかばかぁ!」

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

「大人扱いしていい?」〜純情当主、執務室で策士な従兄の『相性確認』にハメられる〜

中山(ほ)
BL
「ルイン、少し口開けてみて」 仕事終わりの静かな執務室。 差し入れの食事と、ポーションの瓶。 信頼していた従兄のトロンに誘われるまま、 ルインは「大人の相性確認」を始めることになる。

成長を見守っていた王子様が結婚するので大人になったなとしみじみしていたら結婚相手が自分だった

みたこ
BL
年の離れた友人として接していた王子様となぜか結婚することになったおじさんの話です。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。 挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

処理中です...