あの日、僕は君に恋をした。

愛カノン

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第九話

…そのせいとは言わないけど…

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「おねぇちゃん…。どこ…?」
「…聖菜ー!」

あの日のことが…何度も何度も
夢に見るようになって…
私は、怖くて…怖くて…
家にも帰りたくなくて…
近くの公園で、一人泣き続けて
もう…こんな私は嫌だ…変わりたい…
楽になりたい…

「聖菜ちゃん?」
「…きょ、響太さん…。」
「どーしたの?…何かあったのか?」

私が…一人泣いているのを見かけた
らしく、お兄ちゃんの恋人である。
響太さんは、私に声をかけたのだと…

「…言えない…言いたくない…。」
「…ホント、聖菜ちゃん…俺のこと苦手なのな…まあ、それは聖羽も同じだったな…。」

響太さんの言葉に、私は
間抜けづらを浮かべたと思う。

「あははっ…聖菜ちゃん…面白い顔してる…。」

だから、響太さんにも笑われた。

「…なっ…」
「…ふははっ…そ~ゆうところ 
兄妹似てんな。」

響太さんは、何を思ってそんなこと
言ったのか理解できなかった。

「…俺、最初さぁ…聖羽に…むっちゃ
聖菜ちゃん、以上に嫌われてたんだよ…でも、なんでかわからんが
俺がどんどん詰め寄るうちに
仲良くなってさぁ…俺…小さい頃からゲイだったから、たぶんそれで
あいつは嫌ってたらしいけど…でも
いつだったか、変なやつに追いかけられて…怖いから、来てって…言う一本の電話に、俺は、すんげぇ嬉しくて 
一目惚れの相手からなら
行くしかないというか、俺が守ってやらんとあいついつどうなるかわかんないから、ずっとあいつのそばでボディーガード的役割でそのうちにさぁ…
恋人みたいな関係に発展したんだ。
今じゃあ、もうすんごい愛おしくて…」

そう言って、笑う響太さんに
私は、呑み込まれてしまった。
だから、お兄ちゃんをこの人に
任せることにして、私は私なりに
新しい自分に生まれ変わって
この一度きりの人生を楽しもうって思った。

「…響太さん…今まで、苦手な雰囲気醸し出してごめんなさい…。」

公園のベンチから、立ち上がって
響太さんの前に立ち、深々とお辞儀した。

「あははっ…そんなにかしこまらなくていいよ。俺、気にしてないよー?」

そんな爽やかな、笑顔に私は 
憧れを抱いた。
こんなに、かっこよくて…爽やかで
そんな響太さんだから、お兄ちゃんも
惚れたんだよね…でも、女の私でも
惚れそうになるくらいだから…きっと…

「きょ、響太さん…。」
「ん?」
「…えっとぉ…女、女子に…」

聞きたいけど…怖い…でも、この人は…

「俺、聖菜ちゃん以外の女子
むっちゃ苦手だから…。」

あ、なんか…伝わっちゃってる?
私が言いたい事…で、でも…なんだろう…少しだけ…ドキドキ…?

「…えっ?…あの…」
「…ほんとほんと…聖菜ちゃん以外は
苦手…そして、聖羽以外の男も苦手。」

その言葉から、なんかすごく 
情熱が伝わってきた感じがした。
この人は…嘘なんかついてない…

「ええっ?…でも…そしたら…
全員が嫌いってことになるよ?」

私以外の女子は苦手…お兄ちゃん以外の男は苦手って…

「うん。だから、なんて言えばいいかな…んー…聖羽の家族と俺の家族以外は…全員苦手…」

この人は、きっと…ずっと
待ち続けて…ようやく信じれる人が現れた…それがお兄ちゃん…なんだろう…
私も…ずっと思い続けてる人がいる…
いつかその人と新しい自分で再会できたら…そう思い続けよう…それがいつか叶うといいな…。

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