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第9話
しおりを挟むキーンコーンk………
「はい、じゃあ今日はここまで。宿題として教科書の……」
午後の授業も終わり、後は家に帰るだけとなった。結奈と一緒に帰る約束をしているので、待ち合わせ場所である校門前に向かうことにした……校門前って、かなり目立つよな?隠す気もうないのかな……。
教室を出て、いざ校門へ向かおうとした所で後ろから声をかけられた。
「久本君、ちょっといいかな?」
振り向いて、声の主を確認すると……立っていたのは結奈のクラスの担任である長谷川先生だった。
「はい、大丈夫ですけど……」
結奈を待たせることになってしまうかもしれないが、少しなら大丈夫だろう。
「そうか、じゃあ一緒に来てくれ」
そういって、笑みを浮かべながら歩き出した。
「……っ!?」
その笑みを見た瞬間、体の芯の方からゾワっときた。
なんだろう、こんな意味深な笑みを浮かべる先生だったっけ……?
「入ってくれ」
そう言われて案内されたのは……生徒指導室だった。あれ?!僕、なんかしたっけ!?
「失礼します」
冷静を装っているが、内心かなりドキドキしている。
「そんなに緊張しなくても、大丈夫だよ」
苦笑しながら、生徒指導室の鍵を閉める長谷部先生。いや、その笑みマジで怖いんだけども。
「さて、早速本題なんだが……君、ウチのクラスの瀬川と付き合っているんじゃないか?」
あぁ、なんだその事か。心配して損したわ。
にしても、付き合い始めたの昨日なのにもうそんな噂が立っているのな。
「そうですね、お付き合いさせて頂いてます」
別に、 隠す必要はないだろう。どうせ、直ぐに広まってしまうだろうし。
「そうか……しかし君が、ねぇ……」
「僕自身も、ビックリですよ」
まぁ、普通は有り得ない組み合わせだと我ながら思う。
「いや、本当に意外だ。全く、不相応にも程がある」
「ホント、そう……え?」
え、今なんて言った?聞き間違いかもしれないが、不相応って言ったか?
「全く、有り得ないだろう。まさか、君みたいな弱者にの手に結奈が渡ってしまうなんて……」
「は……え……?」
「いいか、結奈は天使なんだよ。君みたいな汚れた存在がそばにいていい存在じゃ無いんだ。そもそも、こんな屑しかいない汚れた場所に結奈が居る事も有り得ないことだというのに……付き合うだと?冗談を言うのも大概にして欲しいな。結奈に触れていいのは俺だけだし、結婚もするのも当然俺だ。君みたいな弱者が結奈と付き合うなど万死に値する。今すぐ別れると言うのであれば……まだ許してやる事も出来る。いや、そういえば君は結奈の手作りの弁当を食べていたな……?やはりダメだな。全く、一体どういうつもりなんだ?たとえ、100歩譲って結奈の方から食事に誘われたとしても自分の立場を考えれば断るべきだろう。ましてや手作りの弁当を食すなど許されざる事だ。いや、結奈が自ら作った弁当を食さないのも死に値する。だとすれば、やはり君が存在している事が問題なのか?君が結奈を誑かさなければこんなことはならなかったのに……。そもそも、結奈は何故君なんかを選んだんだ?君なんて、結奈に普段告白をする屑どもとなんら変わらないだろうに……。まさか、君が結奈に何かしたのか?いや、そうに違いない!君が結奈を洗脳していると考えれば全てに納得が出来る。やはり、君は殺さなければならないな。どう殺そうか……水に沈めて溺死か……いや、縛って火で炙りながらその悲鳴で酒を飲むのもいい……この手で直接首を絞める……あぁ、君の泣き叫ぶ声が想像できる。さぞ、良い声で鳴いてくれるのだろうな…………」
どこか遠くを見つめながら、淡々と言葉を発していく先生。その様子は、まるで機械のようで……てか、え?急に何を言い出すんだこの先生。めっちゃ、怖いんだけど。
なんだろう、底知れぬ狂気を感じる……言ってる事もかなり物騒だし。内容から察するに、この先生は結奈の事が好きなんだろう。そして、その結奈と付き合っている僕が気に入らないと。
「ともかく、ここまで話したのだから……君がしなければいけない事はわかるね?」
そう、血走った目で問いかけてくる。別れろ、って事だろ?それはわかるけどさ……。
「すみません。結奈と別れることは、出来ません」
僕としても、別れるわけにはいかない。僕も、結奈が好きなのだから。
「そうか、ならば仕方ないな…」
そう言いながら、少し不気味な笑みを浮かべて机の下に手を入れる先生。その手に握られていたのは……
「ナイフ……」
先生の手に握られていたのは、刃渡り20センチ位のサバイバルナイフだった。
「残念だ。私自ら殺さねばならないとは……」
……いや、めちゃくちゃ嬉しそうなんだけど。ひとまず、立ち上がって先生から距離をとる。
「君さえいなければ……結奈は俺のものに……」
ボソボソと呟きながら、少しづつ距離を詰めてくる。目前にまで迫ってきた所で、僕も対抗するために足を踏み出そうとした所で……閉められていたはずのドアが吹き飛ばされ、誰かが、先生に飛びついた。
「くそっ……止めろ!何をする!」
飛びついた人物は、先生を羽交い締めにし……僕を見た。
「おいおい、なんで……」
驚いたことに、先生を羽交い締めにしていたのは……勇だった。
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